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木の家と木材(広葉樹)

木の家は、構造は針葉樹が多く使われています。

木の家を造る時に多く使われているのが針葉樹です。
針葉樹として一般的に知られているの種類は「スギ」や「ヒノキ」「マツ」などです。
これらは住まいの中で定番の木材として幅広く利用されています。
針葉樹は、直材で長さが確保できる事そして耐久性がある事、そして加工が容易であるため、家の構造材としてよく使われています。

構造樹としてよく利用されているのは、ヒノキとマツです。スギも一部で使われています。
ヒノキは強度があり、防腐効果に優れており、家の土台や柱としてよく利用されています。
梁材にはただ、ヒノキは高価なためアカマツを利用されることがあります。
アカマツも強度の高い木材として良く使われていました。が、近年虫害による松枯れにより入手が容易でなくなってきています。

一方、内装によく利用されているのが「スギ」です。
比較的安価な木材であり、耐久性もあります。
そして空気の浄化作用があり、ほのかな芳香があり内装材として好まれています。

広葉樹にはどのようなものがあるのだろう

針葉樹だけでなく広葉樹も、木の家に使われています。
住まいに使う木にはさまざまな種類があり、どのような木を選ぶかによって、雰囲気が全く違うものになります。
世界中の広葉樹を見てみると、驚くことに2万種類以上もあると言われています。

日本において広葉樹を代表するものが「ケヤキ」「サクラ」「ナラ」「クリ」などです。
ただ、それらはケヤキを除いて一般的に家の構造体に使われることがほぼありません。
なぜなら、堅木で加工し難いためです。
そのため、広葉樹は主にフローリングなど家の内装に利用されています。

【広葉樹の種類】

  • アオダモ
  • アオハダ
  • アカガシ
  • イタヤカエデ
  • カキ
  • クリ
  • ケヤキ
  • サクラ
  • トチノキ
  • ブナ
  • ミズナラ
  • ツゲ
  • ナラ 等々

身の回りの広葉樹の雑貨や木工品は

広葉樹は種類が豊富で、さまざまな風合いを出すことができるので、雑貨や木工品に利用されています。
ナラ材は、欧米の住宅で取り入れられたり、洋風家具を造るのに使われています。ウィスキーの樽にも使われています。
(海外ではオーク材ですが)

サクラも雑貨や家具などに使われています。
サクラは近年、家具や雑貨を造るのにとても人気になっています。

はじめは木そのものの柔らかい色合いですが、年月とともにまた良い色へ変化します。
こういった経年変化を楽しめるのも広葉樹の良いところです。
雑貨や木工品も経年変化で渋みが出て、良い味わいが出るので長く使って楽しむことができます。

木の家にはどのような広葉樹が似合う(使用例も)

現代の木の家に欠かせないのがフローリングです。
フローリングは基本的に木材が使用されています。(最近では安価な練付集成材によるフロアー材もありますが)
広葉樹は性質として収縮が少ないので、フローロングに適しています。

最近では床暖房を導入する家庭も多くあり、広葉樹ならば床暖房にも適しています。
(が、含水率の高いものはやはり収縮がありすいてきます。)
欧米を中心に人気の高いフローリング材が「ナラ」です。
堅木ですから土足使用の欧米では必然です。

日本でもクリやサクラといった広葉樹が採用されています。
和室にある床の間には、主にケヤキやキリ、マツがよく似合います。
少々高価な種類の木材ですが、上品な味わいの床の間が完成します。
また、最近では、木の家の建具や家具などに、ナラやタモ、サクラ、ブナ、カエデといった広葉樹が使われています。

おくどさんと水屋箪笥

おくどさんの由来

「おくどさん」とは京言葉で竈(かまど)のことを指しています。

竈は別名で「くど」とも呼ばれるのですが、そこに「お」と「さん」を付けて「お竈(くど)さん」と呼ばれています。
つまり竈に敬意と親しみが込められた言葉です。

「おくどさん」は京の人々の暮らしの中心にありました。
人の暮らしを豊かにする「食」に欠かすことのできないもので、大切な煮炊きをする調理場だったのです。

また、「おくどさん」は、土間など家の中で煮炊きなどをおこなう空間自体を意味して使われることもあります。

京都では今でも「おくどさん」との言葉を使う方がいらっしゃいます。
特に年配の方が使う言葉として知られています。

京町家は通り庭(土間)におくどさん

京町家はうなぎの寝床と言われるように、通りから奥に長い作りになっています。
そのため、通り庭と呼ばれる土間におくどさんが鎮座していました。

おくどさんは暮らしの中で大切に使われてきた暮らしに欠かせないものです。
土間の天井は、火袋といい吹抜けになっており瓦屋根にはガラスの天窓があり、調理場に光が差し込むようになっています。
おくどさんや鍋から出る煙を外に出すように土間の天井を高くするのは昔の人の知恵なのです。

昔は京都だけでなく、各地でおくどさんが大切に使われてきました。
ちなみに、京都以外の関西圏では「おくどさん」ではなく「へっつい」と呼ぶこともあります。

現代のシステムキッチンの前身とも言われているおくどさんは、日本を代表する文化の一つと言って良いでしょう。

京町家の火袋(と言われる吹抜け)におくどさんは設置(防火の意味も)

京町家で親しまれている「火袋」とは、吹抜け空間のことです。

火袋は、煙だしと防火上の配慮がなされており画期的な空間です。
火袋は主に土間の上部空間になっており、おくどさんや鍋から出る熱や煙を建物から吸いだすために吹抜けになっているのです。

また、高窓が設置されている事が多く、採光機能も果たしています。
又、緊急の火事の時は、天井から火の粉が飛び抜けて隣屋に飛び火しない構造としています。
火袋は伝統的な防火設備と言って良いと思います。

昔の人々の知恵により誕生した火袋は、生活の知恵からでた必然の住まいの設計ですね。

生活の様式が変わりおくどさんが無くなり(機能的なキッチンに)

おくどさんは食を通して人の暮らしを豊かにしてきた大切なものです。
確かに薪で炊く手間はかかりますが、お米を美味しく食べる事のできるおくどさんは、とても素晴らしいものだと思います。

しかし、生活の様式が変わり、徐々におくどさんが見られなくなってきました。
現在残されている京町家でも、おくどさんの姿を見ることが少なくなっています。

京町家はリフォームされ、現代人が住みやすいように変えられてしまっているためです。
土間がなくなり、そこに設置されるのは機能的なキッチンです。
そのため土間の通り庭が無くなり、京町家の平面が変わってしまいました。

時代とともに変わりゆくのは仕方のないことかもしれませんが、なんだか寂しいような気がしてなりません。
使われなくても飾り物としておくどさんを残されている所も少なくありません。

京町家と箱階段、水屋箪笥

京町家の階段は急な階段が多く

京町家の階段をご覧になった事はありますか。

古い住宅でも見られますが、京町家の階段はとても急なものが多いのが特徴です。
京町家はうなぎの寝床とも表現されている通り、通りから奥に細長い建物となっています。
そのため、階段は隅に追いやられる存在でした。

急勾配はもちろんのこと、幅も狭く、中には押入れなどの中に隠されていることもあります。
壁と一体型になっているものや収納と一体になった階段、箱階段もあります。

うなぎの寝床の平面を持つ京都の住まいの中ではの工夫と言って良いでしょう。

京町家の箱階段・意匠の美と、実用の美がある

京町家でよく見られる階段が「箱階段」です。
開き戸や引き戸などを用い、戸棚が仕込まれた階段のことをそう呼んでいます。

箱階段は江戸時代初期に登場しました。
収納と階段と二通りの利用方法を兼ね備えた実用性のある箱階段は先人達の知恵がしのばれています。

また、箱階段の扉には彫刻が掘られていたり、さまざまなデザイン性のあるものもあります。
意匠の美と実用性の美、それが一体となっています。

現在では階段下収納が主流となっていますが、「和」の家には階段下収納よりも見せる箱階段がとても良く似合います。

水屋箪笥も京町家の意匠の一つ

京町家の意匠は箱階段だけではありません。
「水屋箪笥」もまた京町家の意匠の一つです。

水屋箪笥とは食器棚のことです。
京町家の台所は通り庭と呼ばれる土間にあることが多く、水屋箪笥はその周辺に置かれていることが多いものです。

水屋箪笥は長い年月、暮らしの中で使い磨かれながら大切にされてきました。
京町家の一空間を引き締めるその雰囲気は作り手である職人の思いが込められているものです。

水屋箪笥の構造は、角材の組枠「框組(かまちぐみ)」に板を張って用いられています。
背の高いものは、上下2段に分離できるものもあります。
今も町家の大事な一品として存在感を増しています。

京町家の新築でも箱階段や水屋箪笥がなくてはならない意匠

箱階段や水屋箪笥は京町家でずっと使われてきたものであり、京町家の意匠としてもになくてはならない存在であり、京町家の歴史と文化を後世に伝えるものです。
昔の人々の知恵と職人の技術により誕生した箱階段や水屋箪笥は、京町家では現在も健在です。

京町家を訪れると今でも箱階段や水屋箪笥が残されています。
完全にリノベーションされて残されていない場合もありますが、京の伝統文化を伝えるものとして今でも大切にされています。

また、実際に京町家で使われていた箱階段や水屋箪笥が販売されていることもあります。
新築の家にあえてそれらを置きたい、そう考える方も増えているようです。

最近では京町家が宿泊施設(ゲストハウス)として利用されているところも多く、箱階段や水屋箪笥は京都の町家の住文化や生活を知る上で、観光客にも人気となっているようです。

木の家のアクセサリー

木の家に合うアクセサリー

無垢の木を使って作りあげられた木の住まい。
そんな木の家には、やはり工業製品のようなものではなく、手造り感のあるものが似あいます。

例えば栗の無垢のフローリングの上におかれたテーブルを考えてみてください。
プラスチックのような無機質なテーブル等を置いてしまうと、どうしてもそこだけ浮いてしまいます。
その家のために作られたニッチや木棚等木のアクセサリーは、とても良く似合います。

テーブルやベンチ、椅子、カウンターなどは大工さんにお願いして作ってもらう事ができますが、時計やその他ちょっとしたアクセサリーも
家の雰囲気に合わせたものを選び飾れば木の住まいも上質なものになるでしょう。

無垢の木のテーブルカウンタ―やベンチ、長椅子、上框やニッチ板

無垢の木で作られたテーブルやカウンターなどは目で見て楽しみ、木の肌の触感や木の良い香りが家族を包んでくれます。

木の温もりあるインテリアは本当に良いものです。

特に無垢の木で作れば、年月とともに表情も変わっていくので、変化を楽しむインテリアとなるに違いありません。

無垢の木のテーブルカウンター、ベンチ、長椅子、上框やニッチ板は、家族が毎日触れるものです。
さわり心地の良い無垢の木で作り上げられたそれらは、この先何年、何十年と家族をやさしく見守ってくれるでしょう。

既製品とは違うため、無垢の木で作り上げる家具はコスト的に少々高いですが、耐久性に優れていることや末長く使用できる事を考えれば安いのではないかと思います。

まきストーブや、ステンドグラス、ロートアイアン等手造りのもの

最近人気が高まりつつあるのが、まきストーブやステンドグラス、ロートアイアンなど手造りのものです。

手造りの物は、既製品のものに比べ、表情が柔らかく、家の雰囲気を格別なものにします。
雰囲気のあるまきストーブのある家、とても温かいイメージです。

まきストーブは柔らかな暖かさがあり、鍋をおいて料理をつくるのも一興です。

ステンドグラスは柔らかで美しい光を演出してくれます。
ステンドグラスづくりを習って自身で作られ、住まいの中にはめ込んで楽しまれる方も少なくありません。

ロートアイアンはどこか大正モダンな雰囲気を演出してくれるので、幅広い世代に人気です。
元は洋物ですが、和モダンな家にもおすすめです。

これから家作りをされる方は是非こういった手造りの物を取り入れてみてはいかがでしょうか。

住まいの手のライフスタイルが住まいを形つくる

家を建てるのは大工さんかもしれませんが、家族がくつろげる空間を作り上げるのは住まい手です。
住まい手の考え方やライフスタイルが住まいを形づくります。

人はそれぞれ家に対する考え方を持ち、ライフスタイルをもっています。

家族構成も違いますし、それぞれの住まい手の想いやライフスタイル、それらに合わせた家具や小物、趣味をいかしたものを取り入れることで、個性ある住まい、快適な住まいが完成するのではないでしょうか。

京町家とごろんぼ

町家や民家にはゴロンボ(松材の太鼓梁)が使われている

「ゴロンボ」という言葉を聞いたことはありますか。

ゴロンボとは、丸太状の松材の両側を切り落とし太鼓のように加工したもので、太鼓梁と呼ばれています。
屋根の荷重を支える構造の役目を持つ梁の事です。
町家や民家の小屋裏にはその松材の太鼓梁があります。

伝統型住宅はゴロンボが大きな意味を持っています。
家の屋根や棟を支える梁。民家で使われる牛梁といわれる梁もその用途で使われています。
それらは建物の構造耐久力や、そして建物が持つ構造の美つくしさを表しています。

意匠的にも曲がって太く存在感のある松丸太は、自然と力強さをあらわす住まいの中の構造美の一つでしょう。
天井が吹き抜けになっている町家や民家を見上げると、太い太鼓梁を確認することができます。

京町家の場合は火袋には化粧梁としてごろんぼが見受けられますが、部屋の小屋裏にも天井が貼られているので見えないのですが、数本のゴロンボが使われています。

リノベーションで小屋裏を見せる事が望まれている(勾配天井と)

伝統型住宅の小屋裏はとても魅力的です。

小屋裏には何があるのか。

それは水平のゴロンボ(松材の太鼓梁)と、それらを繋ぐ母屋や垂直に建つ束、そして屋根の形に相似する勾配天井です。
屋根を支える小屋裏の梁の架構が、建物の構造を表すものとしてそこに隠れています。

リノベーションされた京町家では、あえて天井を解体し、その建物の構造を表す小屋裏と配天井を見せることを選択されているところが多いです。
天井をめくり、小屋裏を見せることで、天井が高くなり、開放的な空間が完成します。
その開放的な勾配天井の空間にゴロンボは、現在では和のシンボルとして勾配天井の拡がった空間の中で一段と存在感を増しています。

今ではインテリアの一つの大きな要素として和風モダンな雰囲気を醸し出してくれます。
新たに建てられる家にも太鼓梁が人気となっていますが、そこでは新しい材だけではなく古材も使用されています。

京町家でも、このように、小屋裏をあえて見せるリノベーションがなされています。
それらは、京町家に隠されていた建物の構造の美しさを表に出す絶好の機会となります。

古さと新しさを混合した京町家や古民家のリノベーション。
それらの場所でゴロンボが圧倒的な存在感を示しています。