コラム一覧

コンクリート打ち放し

コンクリート打ち放しの歴史

コンクリート打ち放しを建築デザインとして用いたのはフランスの建築家オーギュスト・ペレが起源です。
鉄筋コンクリートをレンガ壁に結合するコタンサンの工法を応用してパリでアパートや劇場を建てたのち、
1923年にル・ナンシーの教会の柱部分にコンクリート打ち放しの工法を施しました。
壁体としてコンクリート打ち放しが初めて使われたのは、その翌年の1924年のことです。
日本でアントニン・レーモンドが自邸を建てたのが世界初と言われています。
一時はコンクリート打ち放しに期待が寄せられましたが、当初は直線的な作風に人気が集まり、コンクリート打ち放しの趣向はあまり浸透しませんでした。

コンクリート打ち放しの意匠が認められ始めたのは、第二次世界大戦以降です。
コンクリートは本来、可塑性が高く自由な建築表現をできる素材です。
ル・コルビュジエやルイス・I・カーンなどの巨匠たちがダイナミックな表現性を示し、その可能性を高めました。

日本では丹下健三、前川国男らが影響を受けて、コンクリート打ち放しの建造物が浸透します。
丹下健三は戦後から高度経済成長期にかけて活躍した建築家で、「世界のタンゲ」と呼ばれています。
広島ピースセンター、倉敷市庁舎、香川県庁舎、旧東京都庁など数多くの建築物を手掛けました。
広島平和記念資料館の設計も丹下健三によるもので、戦争からの復興に対する力強さと思いがデザインに表現されています。
近年コンクリート打ち放しは一般住宅やデザイナーズマンションなどでも需要が高まっています。

コンクリート建物の歴史

コンクリートは現代の建築になくてはならない素材の1つです。
その歴史は古くからあり、最古は紀元前7000年前後だと言われています。
イスラエルの要塞都市でコンクリートでできた床が発見されました。
紀元1世紀には古代ローマでコンクリートが通常の建材として使われています。
ヴェスビオス火山の近くで採れた火山灰、石灰、軽石などを混ぜたものを水中で硬化させる製法で作り、パンテオン、コロッセオの基礎などとして使用していました。
現在のコンクリートとは異なるものですが、当時の建造物が今も残っていることから、耐久性に優れた素材であることが分かります。
今日のようなコンクリートが使われ始めたのは18世紀末頃のことです。
イギリスのジョン・スミートンがコンクリートに水硬性石灰を用いることを発案し、改良が加えられることで現在の形へと変移をたどりました。

日本でのコンクリートの歴史はまだ浅く約100年です。
コンクリートが日本に入ってきたのは明治時代と言われています。
石灰石が産出する鉱山資源に恵まれていることから、自給自足でコンクリートを生成することができました。
戦後から高度経済成長の時期にかけてコンクリート建物が多く普及し、現在もコンクリートは欠かせない素材になっています。

日本の建築家・安藤忠雄が設計する建物

日本の建築家・安藤忠雄は打ち放しコンクリートを基調とする建築物を多く手がけてきました。
安藤忠雄はプロボクサーという経歴を持ちながらも、ル・コルビュジエ、ルイス・I・カーンの影響を受けて独学で建築を学びました。
インテリア・建築に携わる仕事と度々の海外渡航で培われた経験をもとに、ストイックにコンクリート建築と向かい合い取り組んできた特異な建築家です。
一般的にコンクリートは美しさがなく、安価で建物の基礎として目立たない裏方のような存在として扱われています。
安藤忠雄はコンクリートが秘めた可能性に気づき、コンクリート建築を通じて創造力の限界を常に求めてきました。
無機質でありながら自由に造形でき、多種多様で豊かな表現を見せるコンクリートは建築造形の本質であり、建築家の挑戦精神を揺さぶるものです。

コンクリートは製造過程で品質が変わり、建築家の作風が表せる素材でもあります。
安藤忠雄は現代建築の素材としてコンクリートを用いながら日本人の感性に添える建築を目指しました。
住吉の長屋を始めとして光の教会、水の教会、姫路文学館などの設計にも携わっています。
ファッションデザイナーで有名なコシノヒロコ氏の邸宅を手がけたことでも一躍有名になりました。
国外でも活躍があり、アメリカのフォートワース現代美術館、ドイツのランゲン美術館も設計しています。

現代のRC造の建物の特徴

RC造とはReinforced Concrete Constructionの略称で、鉄筋コンクリート構造を意味します。
1867年フランスの造園家ジョセフ・モニエが発明しました。
モニエが植木鉢を作る際に鉄筋とコンクリートを用いたところ、強固で頑丈な素材になったことを発見したのが起源です。
日本に現存する最古の鉄筋コンクリートの建造物は、1911年に建てられた三井物産横浜ビルです。
鉄筋コンクリートはコンクリートと鉄筋の短所を互いに補完しあっているため、強度としなやかさを持ち合わせています。
鉄筋コンクリートは優れている点が多く、デザイン性が高く建築物の可能性を広げる素材です。
防火性と遮音性が高いところも魅力的です。
耐用年数は約60年で長期建築物にも適しています。

RC造の弱点は重量とクラックです。
鉄筋コンクリートはどうしても重くなるため、地盤が弱い場所での建築に適していません。
また、施工時に不備があったり、地震などの外部的な要因があるとひび割れを起こしやすくなります。
鉄筋コンクリートは高層建築や大規模な設計には適していませんが、一般住宅や階数が少ない小規模なマンションの建設に厚い信頼をおける素材です。

住宅の外装材について(焼杉板等)

外壁には紫外線や雨風、暑さ、寒さなどの外部環境から住まいと暮らしを守るはたらきがあります。
耐久性、遮音性、断熱性などの機能性を兼ね備えているほか、外壁は建築物の外観を決める大切な要素にもなります。
昔は外装材に自然素材が使われてきましたが、今では様々な素材が用いられています。

外装材を決めるときは用途だけでなく、外観のデザインや景観との調和も考慮して取り入れることが大切です。
外装材の施工方法は主に乾式と湿式があり、その他にも様々な方法があります。
この記事では工法と外装材の種類の特徴をご紹介します。

外装材のいろいろ・乾式(鉄板型、窯業系)

乾式は水を使わずにサイディングを用いる工法です。
サイディングは工場で生産されだボードやパネルを組み立てることで外壁を作ります。
合板に防水シートを貼り、胴線を打ち付け、金物でサイディングをかけたり、釘で打ち付けたりします。
工材が工場で生産されるため品質が一定でなので、工期が短いところがメリットとして、多くの住宅に取り入れられています。

乾式にはアルミやステンレスなどの金属を使った鉄板型とセメントを用いた窯業系などがあります。
鉄板型のサイディングは金属板と断熱材や遮音材を組み合わせたものです。
他の外装材よりも軽量で建物に負担がかかりにくくなっています。
シャープでモダンなデザインのものが増え、曲げ折り加工を施すこともできます。

窯業系はセメントを主原料として高圧形成したものです。
色合いやデザインは様々で、レンガやタイルのような外観のものや割石風があります。
窯業系は重量感があり、防火性と耐久性に優れています。
弱点は水で裏から雨水などが入るとサイディングに亀裂が入る畏れがあるため、防水対策が必要です。
窯業系に類似したサイディングにセラミック系サイディングもあります。
自然の土を約1300℃で焼成して作る陶磁器タイルを使います。
セラミック系サイディングは性能が高く、色あせが少ない外装材です。

外装材のいろいろ・湿式(シックイ等)

湿式は水を混ぜた材料を塗りつける工法です。
日本建築の伝統的な壁仕上げは湿式で、表現力が高く高級感のある外観になります。
色を選べて造形の自由度があり、融通が利きやすいところが利点です。
模様をつけたり、吹き付け仕上げをすることで、意匠を凝らすことができます。
モルタルを下地にして、左官材を塗ったり、タイルやレンガなどを貼り付けます。

伝統的な漆喰は消石灰が主原料で、砂や藁をつなぎとし、のりと水を混ぜて練ることで作られます。
表面が滑らかでヒビ、亀裂が入りにくい仕上がりになります。
水や湿気に弱いところが難点で、雨がかかりにくいところや軒下の外装材に適しています。
また、乾式と比べるとどうしても工期が長くなり、費用もやや高めです。

外装材のいろいろ・板張り

京都では昔ながらの檜や杉などの無垢材を使用した外壁が増えています。
防火上の制限があるため、全て板張りにすることは難しく、上壁を漆喰壁などにして腰壁を板張りにされたりしています。
木材は暖かみのある表情を楽しむことができ、時間の経過とともに風合いが増します。
外装材の劣化が起こったとき、取り換えしやすいところも利点です。

他の外装材で張替えを行う場合、素材が廃盤になっていることがあります。
同じ素材がないと類似品を探すことになり、継ぎはぎになってしまうと外観が良くありません。
板張りは天然素材で廃盤になる畏れがないため、修復しやすい点がメリットです。
また、外装材によっては修繕の際に全て取りはずしが必要なこともあります。
外壁の張替えを全体的におこなうと、数百万円を要することもあり非常に高額です。
板張りは部分交換できる外装材なので、メンテナンスコストが安く済みます。

外装材のいろいろ・焼杉板(近年見直されてきている)

板張りの素材の中でも近年焼杉板の人気が高まっています。
焼杉板は滋賀県以西の地域で普及した伝統的な技法で、西日本や瀬戸内沿岸地域で多く見られます。

焼杉板は杉板の表面をバーナーで焼いて作成し、黒っぽい色をしています。
表面が炭化しているため、耐久性と耐候性に優れています。
炭化部が層になることで断熱効果と防虫効果もあります。
深みのある黒色がモダンな和風建築に馴染みやすく、焼杉板は外装材として用いられることが増えています。

そよ風(屋根集熱型ソーラー)

ソーラー設備機器の色々(給湯器型、電気変換型、蓄熱型、床暖房)

化石燃料に代わるエコでクリーンな新エネルギーが近年注目されています。
太陽エネルギーもその1つで、その利用方法は大別して2つあります。
太陽光発電と太陽熱利用です。

太陽光発電は電気変換型とも呼ばれます。
熱を電気に変換することで、通常の電力と同じように使用できます。
変換効率はやや低く、太陽エネルギーの15~20%が電力になります。
電気変換型を利用する場合、P型とN型の2種類の半導体が取り付けられています。
P型はプラスの電子を引き付け、N型はマイナスの電子を集めます。
半導体に光が当たることで電子が発生し、P型とN型の半導体に電子が集まり、電池のようにプラス極とマイナス極の役割を果たします。
この仕組みでは直流になるため、パワーコンディショナーなどで電気を交流に変換して電力利用します。

続いて太陽熱利用は、熱をそのまま利用する仕組みで、太陽エネルギーの約40%を活用することができます。
太陽熱を利用したシステムには、太陽熱温水器とソーラーシステムがあります。
太陽熱温水器は集熱部とタンクが一緒になった簡単なシステムです。
ソーラーシステムはさらに液体式と空気式に分けられます。
液体式は屋根上にあるパネルに細い銅管が走っていて、不凍液が流れています。
太陽で熱せられた不凍液がポンプの力で地上に設置された蓄熱層のタンクへ移動します。
蓄熱層では熱が蓄えられ、その熱でお湯を沸かして給湯器から暖かいお湯が出ます。
空気式は屋根に設置したパネルが高温に達し、暖められた空気が屋根裏にある送風機で床下に送り込まれます。
冬の床暖房や給湯に使われます。

ソーラーハウスのいろいろ

ソーラーハウスとは、太陽熱を利用できるシステムを兼ね備えた家のことを指します。
ソーラーハウスにはパッシブソーラーハウスとアクティブソーラーハウスがあります。
パッシブソーラーハウスはpassiveという名前の通り、受け身で太陽熱を最大限に取り入れて逃さない構造になっています。
広く大きな家に向いていて、家の中の熱容量を大きくすることで太陽熱を保存します。
パッシブソーラーハウスを建てるには窓ガラスを大きくするほか、家を南向きの場所にすることが必要です。
また、窓ガラスを波長選択性のあるガラスにしたり、熱が逃げないように樹脂や木材を用いた建築材料を選ぶ工夫が求められます。
悪天候や日照がない場合は補助暖房装置を利用します。

次にアクティブソーラーハウスです。
アクティブソーラーハウスは屋外に集熱装置を設置します。
太陽光の熱を集めて蓄えることで利用できます。
パッシブソーラーハウスは家の広さと南向きの立地が必要でしたが、アクティブソーラーハウスは小規模な家でも実現でき、立地を気にしなくても良い点がメリットです。

そよ風とは(システム)

そよ風とは太陽エネルギーを利用したソーラーシステムの1つです。
屋根で集熱をおこなう点では、太陽光発電と似ています。
そよ風は金属屋根で空気を温めたり冷やすことで室内に空気を取り入れます。
冬は床暖房になり、夏は冷たい空気を送り出すため、1年を通して快適に過ごすことができます。
日本の気候と木造建築の技術を活かしたシステムで、自然の力を最大限に使って室内の温度環境を整えます。

そよ風は外気が取り入れられて空気が流動的なため、新鮮な空気を送ることができます。
夏の日中は屋根上が高温になりますが、排気熱が室内に入り込まないようにダンパー板が閉じています。
屋根上では排気ファンで排熱がおこなわれています。
夏の夜は日が落ちて涼しくなり、金属屋根が冷たくなります。
そよ風は放射冷却現象を利用して、冷たくなった外気を室内に取り入れます。
爽やかで心地良い風です。
冬になると朝から日中にかけて、日差しで金属屋根が暖められます。
温度が高くなると温風が取り入れられて床下に蓄熱されるため、家の中を隅々まで暖めることができます。

そよ風の利点

そよ風の良いところは、日本の建築様式と気候に適したソーラーシステムであることです。
住宅の密閉性を高めて室内を冷却し、保温するだけであれば、そよ風を使わなくても簡単に実現できます。
気密性・断熱性の高い新建材を用いて家を作ればローコストで良いのではないかと思う方もいらっしゃることでしょう。

しかし、新素材や塗料、接着剤には化学物質がたくさん使用されているため、室内の空気が汚染されて滞留しやすくなり、シックハウス症候群を起こすことがあります。
その点でそよ風は自然素材を用いた住宅に適していて健康的です。
外気を取り入れて空気が循環しているため、風通しが良くなり湿気やカビなどを予防することもできます。
また、そよ風は二酸化炭素の排出量も少ないため、自然環境にも優しいシステムです。
さらに冬になると通常住宅内で寒暖差が出てきます。

日本では冬にヒートショック現象を起こし、命を落とす人が高齢者を中心に1万人以上います。
ヒートショック現象とは、気温差がある場所に移動することで急に血圧が変動して身体に起こる影響のことです。
高血圧や動脈硬化などの症状があると脳卒中や心筋梗塞などを引き起こしやすくなります。

そよ風は床下から家の隅々まで暖めるため、陽当たりの良くない北側の部屋やトイレ、脱衣所など冷えやすい場所でも快適に過ごすことができます。
そよ風は環境を配慮した日本の暮らしに適したエコなソーラーシステムであると言えます。

(住宅の)プレファブリケ―ション

プレファブリケ―ションとは

戦国時代に木下藤吉郎(後の豊臣秀吉)が、岐阜長良川の墨俣に築いた墨俣城(別名一夜城)をご存知でしょうか。
長良川に突如としてあらわれた(築かれた)一夜城が墨俣城です。
これもプレファブリケーションで造られたというのは有名な逸話です。

プレファブリケーションとは、建物の部材をあらかじめ工場で製作・加工し、建築現場でその部材を組み立てて建物をつくることです。
「プレハブ」という略称で呼ばれることもあります。
プレファブリケーションの歴史は18世紀の植民地時代に始まり、植民地に住宅や公共性の高い建物を建てるためにヨーロッパ各地で広まりました。

当時のプレファブリケーションは、木材をカットしたものを船で植民地まで輸送し、組み立てていました。
日本へプレハブ建築が流入したのはそれからもっと先の1940年頃です。
ドイツの乾式組立構造の影響を受けて、日本の建築家が設計に取り組みました。
木製のパネル材を作り、基礎工事をした上につなぎ材を置いて、床パネル、壁パネルなどの木製パネルを組み立てるものでした。
その時期はちょうど戦後で住宅不足を解消するために大量生産化が進み、建材を工場生産するようになりました。
戦争の影響を受けて建物の耐久性や不燃性を追求したコンクリートのプレハブの開発も合わせて進みました。
本格的にプレハブ建築がしたのはそれから約20年後の1960年以降です。

プレハブと言えば、仮設住宅や仮設事務所など臨時用の建物を想像される方も多いと思いますが、工場、住宅、学校、倉庫、飲食店などにもプレハブは起用されています。
2017年に建てられた新築住宅は約96万戸で、そのうちの約14万戸はプレハブ住宅で、全体の14.4%のシェアを占めています。
新しく建てられた住宅の7戸に1戸がプレハブ住宅で、プレファブリケーションは私たちの生活に欠かせない存在です。

プレファブリケーションの利点、欠点

プレファブリケーションは通常の建築物と同様に利点と欠点があります。
まず、利点からお話しすると、プレファブリケーションは構築システムそのものに無駄が少ないことが挙げられます。
プレファブリケーションはあらかじめ工場で建材が加工されて、小規模な組立てを行った状態で施工されます。
そのため、建材の品質にばらつきがなく安定しています。
部品を組立てて必要な加工をおこなうだけなので工期も短く済みます。

伝統的な建築では建物の良し悪しは職人さんの技術に大きく影響されますが、プレファブリケーションの場合、
技術力はさほど問われないため、精度が高い建物に仕上がるところもメリットです。
工期の日数が短期間で建材のコストも明確なので、費用面も安く収まります。
また、近隣の人が工事の騒音などに悩まされることもほとんどありません。

プレファブリケーションの唯一の欠点は融通があまり利かないことです。
建材が規格化されているため、建物の外観や内装、間取りなどを自由にデザインすることができません。
建築にこだわりを持たれる方には不向きです。
また、このような理由でリフォームや増改築も思い通りにできない点もデメリットとして挙げられます。

住宅におけるプレハブ化

日本のプレハブ住宅は1940年頃から設計の取組みが始まり、1960年あたりに普及し始めました。
プレハブとひとことで言っても、工法や建材は様々です。
戸建て住宅向けのプレハブは構造と建材で大きく分けると4種類あり、木質系プレハブ住宅、鉄鋼系プレハブ住宅、ユニット系プレハブ住宅、コンクリート系プレハブ住宅に大別することができます。
どのプレハブも建材を工場生産し、現場に運搬して施工する過程は同じです。
それぞれ特徴やメリットが異なるので簡単にご紹介します。

  1. 木質系プレハブ住宅
    壁、床、柱、梁(はり)など主要な構造部分が木材パネルで作られています。
    梁とは床や屋根の荷重を柱に伝える横架材です。
    材質が木のため、防腐加工や白蟻予防をして組み立てられます。

  2. 鉄鋼系プレハブ住宅
    鉄鋼系プレハブは軽量鉄骨で作られた壁パネルや柱、梁などを組み立てて作る住宅です。
    工場で鋼材をカット・穴あけした建材に防錆加工を施しています。
    断熱効果や遮音性が高く、耐震性もあります。

  3. ユニット系プレハブ住宅
    ユニット系プレハブ住宅では建材の作成だけでなく、床、壁、天井、キッチン、浴室、トイレなどの取り付けまで工場でおこないます。
    ほとんど工場で作業をおこない、大型トラックで現場まで建材を運搬します。
    組み立てがスムーズで、基礎工事を除くと工事が1日ほどで済むこともあります。

  4. コンクリート系プレハブ
    工場で生産されたコンクリートパネルが主要な建材です。
    基礎工事をした後にコンクリ―トパネルの床、壁、屋根などを組み立てます。
    コンクリート系プレハブは耐久性、耐火性があります。
    このコンクリートパネルを用いたプレハブは、戸建てだけでなく、公営住宅や民間マンションにも応用されています。

プレハブ化の未来(今後)

プレハブ住宅は過去10年の新築住宅うち十数パーセントのシェアを占めています。
プレハブ住宅は品質が高く施工期間が短いことから、いろんな用途にも使われています。
遮音性と耐久性もあり、多様なライフスタイルに合わせた居住環境を提供することが期待されます。
また、プレハブのデザイン性についても様々な試みがおこなわれています。
モダンなスタイルや和風建築、リフォームに対応できるプレハブなど既存のイメージを覆すものが少しずつ増えています。

住まいと灯り

日本の灯りと歴史

昔日本には今のような電灯や照明がありませんでした。
灯りの最古の歴史は縄文時代に遡り、木をこすり合わせたり、石を打ち合わせて火を起こしたものを灯りにするところから始まります。
そして、原始的な火おこしから油、松やになどの自然素材を使った灯り、ろうそく、ガス灯、照明の灯りへと次第に移り変わっていきます。
日本の灯りの歴史は諸外国に比べると進展が遅く、大和時代に魚油を使って火をともす灯りが登場しました。
当時火の灯りは貴重であり、神事で特別に使用されるものでした。

奈良時代に入ると、仏教の伝来とともに外国の文化が流入してきました。
油で火を灯すほか、ろうそくを用いるようになりました。
平安時代になると、荏胡麻(えごま)の油も使用されるようになります。
街灯が出てきたのは江戸時代からです。
日没後にも出歩く人が増え、旅人が迷わないようにするために、木灯籠や石灯籠が設置されるようになりました。
植物油を用いた行灯やろうそくなども室内や持ち運び用の灯りとして使われました。
1860年以降は石油ランプも徐々に広まりをみせます。

明治時代になると都市に街灯が置かれるようになり、初めてガス灯が普及しました。
1871年に大阪市の造幣局に日本で初めてのガス灯が点灯し、翌年の1872年には横浜市でもガス灯が作られています。
また、明治維新により欧米の技術が取り入れられるようになり、大正時代には白熱電灯、蛍光灯が使われるようになり、ガス灯は次第に姿を消すようになりました。

昭和時代にさしかかると、現在と変わらない電気事情になります。
LEDの実用化は1990年代以降となりますが、安定して電力供給がある環境になり、非常に便利になりました。

世界の灯りと歴史

続いて世界の灯りの歴史です。
日本と同じように、木や油などの自然素材、ろうそくを用いた後、ガス灯、照明が普及しましたが、日本の灯りの歴史より早い発展を遂げます。
ろうそくは紀元前1500年代の古代エジプトですでに使われていました。
ツタンカーメン王の王墓からは燭台が出土しています。
古代から中世にかけては魚油や植物油などを陶器の器に注ぎ、灯芯を載せて火を灯していました。
捕鯨する地域ではクジラの油も使われています。

1800年代になると目まぐるしく灯りの在り方が変わります。
まずはガス灯の登場です。
1792年にスコットランド人のウィリアム・マードックが石炭を蒸し焼きにすることでガスを発生させてガス灯を発明しました。
当初ガス灯は上流貴族の間でしか普及せず、一般的にろうそくが主流でしたが、1812年に世界初のガス会社がイギリスのロンドンに設立されて欧米にガス灯が広まりました。
それから、1879年にトーマス・エジソンがフィラメントを発明したことにより、白熱電球が実用化しました。
このフィラメントの実用化には日本で馴染みのある素材が大きく貢献しています。
当時、フィラメントは炭化した紙が用いられて、1分程度しか持続しませんでした。
そこで、エジソンはフィラメントとして長時間耐えられる素材を探したところ、竹が適していることに気が付き、京都の八幡男山近隣の竹を使って実験したそうです。
また、エジソンは発電・送電システムの発展にも寄与しました。
続いて1900年代になると蛍光灯が発明されます。
1856年にドイツのハインリッヒ・ガイスラーが蛍光灯の起源を生み出し、1926年にエトムント・ゲルマーが応用して蛍光灯の発明をしました。
1930年にアメリカのゼネラル・エレクトリックがゲルマーの発明の特許を買取り、蛍光灯の発売を開始し、世界中に広まりました。

灯り(照明)の計画

日本と世界の灯りの歴史を辿ってきましたが、現在は白熱灯、蛍光灯、LEDが主に使われています。
住まいやテナントを構え、照明のプランニングする際はそれぞれの特徴を知っておくと便利です。
そこで、白熱灯、蛍光灯、LEDの特徴を紹介します。

白熱灯
黄色味のある温かい電球色です。
電球の寿命は短く、発熱量が多くて電気代が高くなる傾向にあります。
蛍光灯
色は昼光色、昼白色、電球色があります。
電球の寿命は長く、電気代は白熱灯に比べて経済的です。
冬などの低温時になると、明るくなるまでに時間がかかることが欠点です。
LED
色は昼光色、昼白色、電球色があります。
寿命がとても長く、白熱灯の約20倍も持ちます。
電球自体の価格は高めですが、電気代はあまりかかりません。
また、電球が急に切れたり、チカチカと点灯することがなく徐々に暗くなるので、取り換え時期が分かりやすいのも良いところです。
LEDは赤外線や紫外線が含まれていないため、照明で照らされる対象物が傷みにくいメリットもあります。
家屋やインテリアの変色や色褪せを防ぎたいときに適しています。

自然光と人工の灯り

ここまで人工的な灯りについてお話してきました。
しかしながら、自然光もとても重要な役割を果たしています。
建物の場合、日の光がないと湿気がこもってしまい、カビが生えやすくなってジメジメします。
人は日の光を浴びることで、睡眠サイクルを作ったり、メンタルを保つことができます。
太陽の光を浴びないと、気分が晴れずうつ病などにもかかりやすくなります。
自然光は生活リズムを整えて心身ともに健康的に暮らすために大切です。
住まいづくりをするときは陽当たりや採光を意識して、間取りを決めることが重要になります。
自然光が入りにくいときは吹き抜けを作ったり、光を通しやすい白色の壁を取り入れることで工夫できます。
また、人工の灯りも生活に欠かせない存在となってきました。
先ほど灯りの計画で出てきた白熱灯、蛍光灯、LEDを使い分けるほかに、電球の色を効果的に使うことが大切です。
電球の色は主に昼光色、昼白色、電球色があります。
昼光色は寒色で青みのある光で、色温度が高いです。
色温度が高いと活動的な印象を与えます。

昼光色は集中したいときに使いたい色で、勉強部屋や作業部屋にふさわしい色です。
昼白色は3色の中で一番自然光に近い色になります。
肌の色が自然の状態で見えるので、メイクをする洗面室などに適しています。
電球色は温かみがあるオレンジがかった色で、安らぎを与えます。
家族で団らんするリビングや食事をするダイニングに取り入れたい色です。
それぞれ用途に応じて使い分けると有効的ですが、お部屋を様々な場面で使用することもあるでしょう。
その場合、調色機能がついた照明器具を使うと明度を調節できて便利です。
自然光、人工の灯りはいずれも私たちの生活に必要不可欠なので、上手く取り入れられるようにしましょう。