コラム一覧

再エネコンシェルジュ

京都再エネコンシェルジュ

現在利用されている主要なエネルギー資源は石油・石炭を中心とした化石燃料です。
化石燃料には限りがあり枯渇が心配されているほか、温室効果ガスの排出による環境破壊が懸念されています。

自然環境を利用した再生可能エネルギーは温室効果ガスを発生させないクリーンなエネルギーです。
再生可能エネルギーは化石燃料に代わる新しいエネルギーとして注目を集めています。

再エネコンシェルジュは再生可能エネルギーを導入する企業や個人をサポートするサービスです。
京都再エネコンシェルジュは2016年に始まった取り組みで、京都府が行う研修を受けて試験に合格すると認証されます。
研修では環境、エネルギー、再エネ設備について詳しく学びます。

再エネ設備とは太陽光、風力、地熱、バイオマスなどを用いた発電設備です。
一般企業や個人が再エネ設備を整えて運用するには、事業計画や専門の知識が必要になります。
そのアドバイスをするのが再エネコンシェルジュの役割です。
事業の進め方や運用に関する相談に応じてくれたり、現場に適切な助言をしてくれます。

住まいの省エネと器具

家庭内のエネルギー消費の内訳は2013年のデータによると冷暖房28.9%、給油28.3%、
厨房8.1%、動力・照明などが34.7%です。
1965年と比較すると約50年間で消費量が2倍以上になりました。

住宅の中において消費エネルギーの6割以上を占めるのは冷暖房と照明・家電製品です。
省エネを遂行にするにあたって、住まいで使用する家電をはじめとする器具の見直しは大切です。
家電製品の性能は年々向上しています。

過去10年ほどで大型家電に必要な消費電力は従来の約30%ほどになりました。
テレビ、エアコン、冷蔵庫などの大型家電製品は高価で壊れにくいこともあり、
新型の商品を購入すると割高で損をするように感じられますが、
性能の良い家電製品に替える方が良いケースも考えられます。
使用電力量が少なくなることで省エネに貢献し、光熱費の節約にもつながる可能性があるからです。

電球についても同様のことが考えられます。
電球には白熱灯、蛍光灯、LEDがあります。
それぞれ特徴があり、白熱灯は黄色味のある温かい電球色をしています。
電球の寿命は短く、発熱量が多くて電気代が高くなる傾向にあります。

蛍光灯は昼光色、昼白色、電球色があります。
電球の寿命は長く、電気代は白熱灯より経済的です。

LEDも昼光色、昼白色、電球色があります。
電球自体の値段は白熱灯、蛍光灯より高めです。
LEDは長持ちで消費電力量が少なく、電気代も安く済みます。

電化製品や照明は商品の値段だけでなく、性能や消費電力のトータルバランスを見て選ぶと良いでしょう。
購入して年数が経過している電化製品は買い替えを検討する余地があります。

省エネの建築素材

家庭内の消費エネルギーの28.9%が冷暖房であると先ほどお話しましたが、
建築の際に省エネにこだわるなら冷暖房効果を高める建築材の選択が大切です。

建物で熱が放出、流入しやすい箇所はドアや窓などの開閉部分、天井です。
断熱効果を高めるためには建物の隙間を少なくし、熱の流入が多い箇所への対策が有効です。

断熱材に使用される材料は大別して3つあります。
木質繊維系、無機質繊維系、発砲プラスチック系です。
木質繊維系は軟質の木材を主原料にしています。
燃えやすく吸水性があります。
無機質繊維系は吸湿性を持ち、燃えにくい素材です。
ガラスを繊維状にしたグラスウール、玄武岩などを主原料にしたロックウールがあります。
発砲プラスチック系は水に強く、可燃性を持ちます。

これらの断熱材は使用箇所と用途に応じて使い分けられます。
建物全体の隙間をなくすには、ポリエチレンシートなどで包み家全体を断熱化する方法が有効です。

家の断熱化には、内断熱化と外断熱化があります。
内断熱化では、柱や梁などの隙間に断熱材を充填します。
この方法は建物の形状に関係なく施工しやすいところがメリットです。
デメリットは使用条件をあやまれば、内部結露を起こすことがあります。
外断熱化は、建物外壁を断熱材で覆います。
建物の構造体と断熱仕様により数値は異なりますが、高い断熱効果が期待できます。

次に建物の各部分の断熱対策です。
天井は内断熱化と外断熱化で断熱方法が変わります。
内断熱化では、断熱材を天井裏に敷きます。
外断熱化では、屋根下に断熱材を貼ります。

続いてドアと窓です。
ドアと窓は必然的に熱の出入りが多くなり、断熱化対策が欠かせません。
木製ガラス戸や窓ガラスには複合ガラスが必要です。
複合ガラスはガラスを2枚以上合わせたもので、熱の貫流率が下がります。
窓ガラスを支えるサッシの素材にも注目しましょう。

サッシの種類にはアルミサッシ、樹脂サッシ、複合サッシ、木製サッシがあります。
断熱サッシとして選ぶなら、熱が伝わりにくい素材を使ったもの選ぶと良いでしょう。
上記の中では熱伝導率の低い木製サッシが適しています。

住まいの再エネ

生活環境の利便性、快適さを追求した結果、エネルギー消費が増加して、
環境破壊や地球温暖化、資源枯渇などの問題に直面しています。
地球規模の問題ではありますが、他人事ではなく一人ひとりが意識して取り組まなくてはならない問題です。

日本の一般家庭でエネルギー消費の中心になっているのは冷暖房、給湯・キッチン、家電です。
消費エネルギーの増加要因には人口、世帯の増加、家電の普及なども関わっていますが、
2012年に省エネ基準が改正されて転換期を迎えています。

省エネ対策としてできることはエネルギーの消費を抑えることと新エネルギーへの転換です。
省エネを心がけることは個人でもできます。

身近ですぐに取り組める行動として省エネに配慮した電化製品、電灯の使用があげられます。
パッシブハウスやスマートハウス、エコハウスを選択することや省エネを意識した建築素材にこだわることも大切です。
新たに住まいをお考えであれば、再生可能エネルギーを使うで地球環境にやさしい家づくりが可能となります。

木質燃料とエネルギー

木質燃料にはどのようなものが使われている?

木質燃料とはバイオマスエネルギーの一種です。
バイオマスエネルギーは生物の塊を意味します。
石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料を除く再生可能な生物由来の有機資源で、エコなエネルギーとして注目されています。
国内でのバイオマスエネルギーの普及は進展過程にありますが、ポテンシャルが高く利用メリットが多いことから期待できます。
賦存量が豊富で、燃焼時に有害物質が出る可能性が低いほか、運搬・移動が可能です。

バイオマスとして利用される資源には家畜廃棄物、農業廃棄物、一般廃棄物(生ごみ)、食品産業廃棄物、木質系廃棄物があります。
木質系廃棄物とは使われない間伐材や建築材、木くず、おが粉、バーク(樹皮)のことです。

植物は光合成の際に大気中の二酸化炭素を取り入れて成長します。
木質燃料も燃焼時は二酸化炭素を発生しますが、成長時に二酸化炭素を吸収することから、最終的に二酸化炭素を増やしません。
このような性質をカーボンニュートラルと呼びます。
木質燃料には薪、ペレット、ブリケットなどがあります。
ストーブや暖炉の火を灯すほか、熱・電力にエネルギー化して使用することもできます。

ペレットは木くずやおが粉などを固めて成形したものです。
薪より少し高価ですが、1粒あたりの大きさが数ミリから1㎝程度で持ち運びが容易にできます。
ブリケットはペレットと同様に廃材を押し固めて作られた人工薪です。
オガライトと呼ばれることもあり、燃焼後の灰が少なくエコな木質燃料です。
身近な使用例ではアウトドアで使用する燃料として活用されます。

木質燃料の使われ方

日本は世界でも有数のエネルギー消費国ですが、エネルギー自給率は2016年度のデータでわずか8.3%です。
最低値を記録した2014年度の6%に比べると回復した数値ではありますが、消費エネルギーのほとんどを輸入に頼っているのが現状です。
消費エネルギーの9割は石油、石炭、天然ガスを中心とした化石燃料に依存しています。

再生可能エネルギーの利用割合は14.5%で、水力を除くとわずか6.9%です。
木質燃料は再生可能エネルギーの一つとして利用されています。
林業、製材工場、建設業、建物の解体などから発生する木材のうち、材料工場と建設業の廃材の9割以上は再利用されています。
木質燃料としての利用のほか、紙パルプ、家畜の寝床に敷くものなどが主な使用用途です。

森林の整備などで生じる間伐材は運搬コストがかかることからほとんど未使用のまま森林に放置されています。
バイオマス燃料の中で木質燃料は賦存量が最も多く、未利用材の運用方法次第で経済的価値をもたらせると期待できます。
木質燃料は熱、電気として主に使われます。

木質エネルギーは熱と電気に変換

バイオマス燃料は種類が多く、利用方法は様々です。
木質エネルギーの利用方法は熱と電気です。
木材を細かくしてペレット状にして、燃料させることでエネルギーに転換します。
変換効率が良く安定したエネルギー供給を行うために、直接燃焼方式か熱分解ガス化方式を採用していることがほとんどです。

直接燃焼方式は従来から使われている燃焼方法です。
燃焼効率に限界があり、焼却施設の近辺でエネルギーを活用することが推奨されます。

熱分解ガス化方式では、酸素が少ない環境で燃料を燃やしてガス化します。
ガス化することで成分にメタン、水素、一酸化炭素などが混合されて、天然ガスのように利用することができます。
長期保存や輸送にも向いています。
現在木質エネルギーは工場内の暖房やペレットストーブ、公共施設内でボイラー利用されています。

今後望まれる使用

木質燃料を含むバイオマス燃料を効果的に使用するためには、環境を整えなくてはなりません。
燃料として利用可能な資源を確保し、エネルギーに変換するための技術と設備が必要です。
エネルギーの変換後はエネルギーの活用方法がないと成り立ちません。

また、コストの運用も合わせて検討する余地があります。
人件費、間伐材の購入費用、運搬費などを考慮すると、発電効率、運営費用、立地条件が大切になります。
バイオマス構想タウンの1例として岡山県の真庭市では木質燃料を使ったバイオマス発電が行われています。

真庭市は町村の合併により2005年に誕生した新しい市です。
山間部に位置し、杉、ヒノキなどの森林資源が豊富で林業、製材業が栄えています。
真庭市は2015年4月に国内最大級の発電所を作りました。
廃材になったカンナくずや間伐材はペレットに加工して販売し、有効活用しています。

真庭市の再生可能エネルギーによる地域自給率は30%超です。
自治体、企業、住民が一体となって再生可能エネルギーを利用できる地域循環型でのバイオマスエネルギーの活用が期待されます。

住まいの屋根素材について

屋根材の使われ方(歴史的に)

最古の屋根は縄文時代よりも前から存在していたと言われます。
当時の屋根は茅葺きの屋根で、葦やススキ、萱などのイネ科の細長い植物が用いられてきました。

茅葺きの屋根は防火性に欠けますが、通気性と断熱性に優れています。
夏は涼しく、冬は温かく快適に過ごすことができます。

茅葺き屋根の次に登場したのが板葺き屋根です。
古墳時代あたりから使用されていたと推測されます。
クヌギ、トクサ、サクラ、エノキ、スギ、ヒノキなどが素材になりました。
板の厚さによって、杮葺き(こけらぶき)、木賊葺き(とくさぶき)、栩葺き(とちぶき)に分けられます。
一般的に板葺き屋根とは杮葺きを指し、歴史的建造物や文化財の修復はサワラ材の杮葺きで行われます。

飛鳥時代になると瓦屋根が流入します。
瓦屋根は高級で寺院や城などに用いられました。

江戸時代に入ると浅瓦が登場し、軽くて安価な瓦が庶民の民家にも取り入れられるようになります。
瓦屋根は粘土を焼成したもので、植物性の茅葺き屋根や板葺き屋根より耐火性があります。

金属板を用いた屋根も江戸時代に普及します。
当時の金属板は銅板で高価だったので、神社、武家、商家など限られた場所で使われました。
明治時代になると金属板の屋根が一般的に使用されるようになります。
鉄板を亜鉛でメッキしたトタン屋根で、防火性が高く丈夫な素材です。

昭和時代に入るとスレート屋根が広まります。
一時期問題になったアスベストを使用したスレート屋根は、1960年代初頭から1990年代まで販売されていました。
健康被害が出る石綿を用いたスレートは現在使われていません。
スレート自体は今も建築材として用いられ、天然石製のものや有害性の少ない合成素材のスレート屋根があります。

地域と屋根材

日本は縦長の形で北海道から沖縄まで約2500km離れています。
四季があり比較的温暖湿潤な気候に恵まれていますが、雨量や気温、湿度などは地域によって差があります。
北の地域は寒冷で厳冬を迎え、南の地域は多雨多湿で夏は酷暑です。

日本では地域の気候、風土に合わせた家づくりが行われています。
屋根材や屋根の形にも地域性が出ます。
積雪地方では勾配が急な切妻型の屋根が一般的です。
勾配を緩やかにすると雨漏りの心配があり、雪が積もったときにすがもれしやすくなります。
すがもれとは、屋根に積もった雪が解けて水が屋根の内部に入りこみ、雨漏りのような状態を引き起こすことです。

沿岸地方は風が強くなります。
風で屋根が吹き飛ばされないように軒を低く浅くします。
沿岸部は塩害もあるので、金属板は適していません。
環境に合わせた屋根の素材、形状を選択することは住まいづくりで大切なポイントです。

屋根の素材と特徴 瓦、スレート(天然、人工)、金属板、木板、藁、植物等

屋根には風雨や紫外線などの自然環境から家を守る役割があります。
素材は様々なものが使用され、瓦、スレート、金属板、木板、植物などがあります。
屋根は素材によって特徴があり、防火性や耐寒性、耐久性を持つものやデザイン性に優れた屋根もあります。
外観だけでなく気候・風土に合わせた選択、耐久年数を見込んだランニングコストの試算が大切です。
屋根に用いられる素材の特徴を少しご紹介します。

瓦には粘土瓦、いぶし瓦、陶器瓦があります。
粘土瓦は粘土を焼成して作った昔ながらの瓦です。
色は黒や灰色をしています。
愛知県の三州瓦、島根県の石州瓦、兵庫県の淡路瓦が日本の三大瓦として有名です。
いぶし瓦は粘土瓦の表面に灰色の炭素膜をつけたものです。
光沢のある灰色が特徴で、吸水性が少しあります。

陶器瓦は現在最も用いられている瓦です。
成形した粘土瓦を高温で焼成し釉薬をかけます。
釉薬をかけることで様々な色合いを楽しめて、吸水性を弱めたり、耐寒性と強度を出すことができます。
釉薬をかけない無釉薬瓦もあります。

スレート
天然スレートは玄昌石などの岩石を薄くそいだものです。
昔はよく使われていましたが、天然石のため非常に高価で、現在ではあまり見かけません。
スレートで一般的なのは人工スレートで、セメントを主原料に粘板岩の粒子を混ぜて固めています。
人工スレートは安価で工期が短く、複雑な形状の屋根を作り出すこともできます。
デメリットは褪色しやすく、耐久年数が瓦より短いことです。
人工スレートは定期的な補修が必要です。
金属板
金属板は防水性に富み、軽量で加工性が高い素材です。
カラー鉄板、ガルバリウム鋼板、フッ素樹脂塗装鋼板などがあります。
いずれの金属板も急勾配をつけることができ、デザイン性にも優れています。
軽量で割れにくく、耐震性があります。
断熱性や遮音性が低いので、断熱材や遮音材を屋根下に入れる必要があります。
木板
木板は歴史的建造物の屋根に多く使用されている素材です。
木を年輪に添って割り、薄い板にしたものを屋根にします。
板葺き屋根とも呼ばれ、耐水性と加工性の高いヒノキ、スギ、エノキなどが用いられます。
萱、藁などの植物
日本だけでなく、世界各地で古来より用いられてきた素材です。
萱や藁を乾燥させたり、煙に燻してから屋根として使用します。
萱や藁を用いた屋根は通気性と断熱性に優れますが、寿命が短く30年前後で取り換えが必要になります。

京都景観条例と屋根材

京都では美しき外観を守り、後世に引き継ぐために建築物の高さ、デザイン、屋外広告物などについて定めた京都景観条例が施工されています。
この条例には全ての地区に共通する共通基準と景観地区別の基準が設けられています。

屋根は材質、形状によって風貌が変わるため、素材やデザイン、色調などの意匠について決まりがあります。
昔ながらの建物は茅葺、板葺、銅葺の屋根が主流でしたが、近年では様々な建築材が流通しています。

日本瓦、銅板は歴史的建造物に用いられてきた建材として、全ての地区の屋根材として利用できます。
共通基準で銅板以外の金属板、その他の屋根材を使用する場合、光沢のないグレー、黒を使用するように定められています。
その他の屋根材とは、日本瓦と金属板以外で地域の風情に合った素材のことです。
平板状になったセメント瓦や粘土瓦、人工スレートなどが用いられます。
自然風景との調和、京都らしい町並みの保全に屋根(形状や素材)は深くかかわっています。

バウビオロギーについて

バウビオロギーとは

バウビオロギーはドイツ発祥で建築生態学を意味します。
bau(建築)bio(生物)logos(論理)を語源とした造語です。
第二次世界大戦後、ドイツは戦火で家屋を多く消失してしまい、早急な復旧が求められました。
当時日本も同様の状況でしたが、ドイツでも安価で手早く復興ができる手段として、セメント、コンクリート、化学建材を使用した住宅が普及しました。
スピーディーで大量な住宅供給は後に深刻な健康被害をもたらせます。
シックハウス症候群を代表とした呼吸疾患やアレルギーなどに悩まされる人が増えました。
その原因は建築材に含まれる有害物質による空気汚染やダニ、カビもよるものです。
健康被害を解決するために住む人の健康を最優先した建築が提唱されるようになり、1960年頃バウビオロギーが登場しました。

バウビオロギーでは健康な住まいと暮らしを実践できるように25の指針を示しました。
その内容は立地、気候条件、建築素材、人体・環境への影響などを考慮したものです。

バウビオロギーとエコロジー

エコロジーとは建築を取り巻く環境を配慮した考え方です。
略してエコとも呼ばれ、環境共生建築学と訳されます。
バウビオロギーでは人を中心に健全な住まいづくりを目指しましたが、
エコロジーは人、生物、環境など地球全体の生態系の調和、環境への負荷の軽減を実現する建築を目的とします。
エコロジーはバウビオロギーと類似する点もありますが、環境全体を含めて配慮した建築学と言えます。
エコロジーの趣旨は地球環境全体へのマクロ的視点と地域環境へのミクロ的視点、人間の快適な住環境の3つでしょう。
まず、地球環境全体への配慮として地球温暖化防止や森林資源の保護などが挙げられます。
建築にも深く関わりがある分野で、二酸化炭素やフロンガスの増加を抑制する働きかけが世界規模で必要です。

また、建物に使用される木材の多くは輸入に頼っています。
日本には豊富な森林資源があるので、国産木材の積極的な活用が望まれます。

次に地域環境への影響として、地域の生態系の保護、環境の保全・再生、産業廃棄物が問題になります。
環境に優しく廃材をできるだけ出さない住まいづくりが求められます。
3つ目の人間の快適な住環境はバウビオロギーのことです。
人の生活環境は健康を阻害する汚染された空気、有害物質、アレルゲンなどに囲まれています。

生活の拠点となる住まいも健康を損なう要因の一つです。
バウビオロギーでは景観をメインとした美しいだけの建築ではなく、人体と精神に負荷をかけない建築が目指されています。
エコロジーの実践にあたってバウビオロギーは欠かせないテーマです。

バウビオロギーの素材は

バウビオロギーを活かした建築は身体に優しく健康に害のない素材が中心です。
健康に被害が出る素材とは、発砲剤、人工木材、保護剤、フロン、ポリウレタン、鉱物性繊維、ポリ塩化ビニル、接着剤、溶剤、塗料などです。
化学建材は安価で均質の取れた素材で便利ですが、人体への悪影響が懸念され環境への負荷もかかります。

バウビオロギーで用いられる素材は自然素材です。
杉、ヒノキ、アカシアなどの木材や竹、粘土、火山灰、石灰岩、石、紙などを用います。
建築に欠かせないとされる保護剤は毒性の強いクロム、フッ素が多く含まれています。
木材の防虫、防腐の効果がありますが、人体に直接触れると危険で取り扱いする作業者にも健康面に影響が出ると言われています。
保護剤や接着剤は建築に必要な素材とされますが、工法を工夫することで使用を控えたり、使用量を少なくすることが可能です。
また、自然素材を用いた保護剤、接着剤、塗料も登場しています。

バウビオロギーは現在どのように活用されている

バウビオロギーの具体的な完成形は定まっていません。
提唱されている25の指針を全て守る必要はなく、人が健康に生活でき、環境に適した住まいづくりをすることがバウビオロギーの意義です。

バウビオロギーは地域性を活かした伝統的な日本の民家に類似しています。
昔ながらの住まいの良さは景観だけではありません。
土塗りの壁や漆喰塗り、無垢材を用いた建築は環境に適した健康的な住まいでバウビオロギーを実践した一例と言えます。
現在の日本の住まいは化学建材が用いられ、高気密化が進んでいます。
その弊害として呼吸器疾患やアレルギーが生じています。

健康被害を引き起こさない住まいづくりはバウビオロギーの有効な活用法です。
気候と暮らしに合わせた建物は、風通しが良く換気がしやすいためダニやカビの発生を予防します。
ソーラーシステムを使った冷暖房も環境だけでなく、人体に優しいエコシステムです。
バウビオロギーはエコロジーの推進の一環として暮らしに取り入れることが注目されています。

ZEH(ゼロエネルギーハウス)について

ZEHとは

最近ニュースなどで耳にするようになった「ZEH(ゼッチ)」ですが、言葉だけで何のことなのか理解されていないもおいでになるかもしれません。
ZEHとはNet Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略語です。
その意味は「エネルギー消費量が正味ゼロの住宅」のことを指しています。
もちろん、人が生活する上でエネルギーゼロの住宅なんて現実的ではありません。
ZEHはあくまで「正味ゼロ」であって完全にゼロではないことを理解しましょう。
要はプラスマイナスゼロという住宅なのです。
省エネがしっかりできる住宅であり、その上で必要なエネルギーを自ら生み出すことのできる住宅こそがZEHです。
一般家庭においてエネルギーを自ら生み出すことのできるものと言えば「太陽光発電システム」や「エネファーム」です。
このような自らエネルギーを生み出すことのできるシステムや設備が必ずついているのがZEHです。
現在政府が一丸となってZEHを普及させようとPRをして実行を促しています。

省エネ設備機器について

ZEH(ゼッチ)におすすめの省エネ設備機器はどのようなものがあるのかを紹介したいと思います。

太陽光発電&蓄電池
太陽光発電により発電した電気は、電力会社に売ることが可能です。
また、蓄電池を設置することにより、停電時も電力を効果的に活用することができます。
コージェネレーション
家庭用燃料電池「エネファーム」は、燃料電池によって、ガスから取り出した水素を空気と反応させて発電します。
発電時に出る排熱でお湯を沸かすことも可能です。
小型ガスエンジン「エコウィル」は、小型ガスエンジンの動力で発電機を回し、電気をつくります。
エネファーム同様、排ガスの排熱を利用して効率よくお湯を沸かすことも可能です。
高効率給湯器
高効率給湯器と言えば「エコキュート」や「エコジョーズ」です。
エコキュートは空気の熱を利用してお湯を沸かすヒートポンプ式の給湯機です。
消費電力に対し約3倍もの熱をつくることが可能です。
エコジョーズは、余った排熱を有効利用し、少ないガス量で効率よくお湯を沸かします。

省エネ設備機器とはちょっと違いますが、住宅を建てる際に「断熱窓」や「断熱材」を導入し熱損失を少なくする事が省エネに繋がります。

建物の省エネ

設備機器以外にも建物の省エネに繋がるものを紹介して行きたいと思います。

断熱材
断熱材は室内の空気が外に出ることを防ぎます。
建物を建てる上で断熱材はとても重要なものです。
夏は涼しく、冬は暖かくを実現するために必要不可欠です。
現在一般的に使用されている断熱材は主に2種類です。
「繊維系」は細かな繊維の隙間に空気を閉じ込めて断熱するタイプの断熱材で、無機繊維系と木質繊維系があります。
「発泡プラスチック系」は無数の気泡の中に空気を閉じ込めて断熱するタイプの断熱材です。
このような断熱材を建物全体に使用することで高い省エネ効果を得ることができます。
断熱窓
建物の壁には断熱材は入っているため、壁は熱が伝わりにくいのですが、熱損失が多いのがガラス面ももつ「窓」です。
ガラスやサッシ枠から熱や冷気が進入することが圧倒的に多く、断熱材だけでは省エネは十分ではありません。
そこでおすすめなのが「断熱窓」の導入です。
断熱サッシと高機能ガラスにより断熱性を高めることで、窓から外気の進入を防ぎます。
高機能ガラスは、ペアガラスが一般的ですが、近年遮熱を目的にLOW複層ガラスの使用も増えてきています。
そして日射をコントロールをするための庇や外付けブラインド等もこれから増えてきそうです。

今後の動向

今後2020年までに政府は「標準的な新築住宅でZEHの実現を目指す」としています。
また、2030年までには「新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」ことを名言しています。
今後建てられる新築住宅はZEHが当たり前となってくると考えられます。
そのために、政府はZEH支援事業として、対象の住宅に最大150万円の補助金を出すこと、
そして蓄電システムなどの設備において最大50万円の補助金を出すことを明らかにしています。
こういった政府ぐるみの政策ZEHは、地球環境問題を解消することに繋がるほか、
家庭においてもランニングコストの削減に大きく影響するものです。

エネルギー消費量が正味ゼロならば、光熱費も正味ゼロになる可能性が高いと言えます。
生活する上で光熱費がかからないのは家計に非常に大きく影響するのではないでしょうか。
また、太陽光発電システムを設置すれば、売電気収入を得ることもできます。
光熱費がほぼかからない上、収支がプラスになるなんて嬉しい限りです。
欧州では、日本の「ZEH」よりもさらに進んだプラスエネルギー住宅が多く建設されてきています。