木の住まいと防火について

火に強い構造は

一般的に木造建築の防火性が低いように感じてしまうのは「木」という材質が燃えやすいものだからだと思います。
しかし、木造の建物は意外にも火に強いことをご存知でしょうか。
木材は燃えると表層部が炭化するので、延焼をストップしてくれます。
つまり外側は燃えたとしても、中心部まで燃え拡がらないので、一定の強度を保つことができます。

特に最近の木造建築では防火に対応する耐火木造の新工法ができてきています。
そして又、下地を不燃化することにより耐火性に優れた住宅を建てることが可能となっています。

防火の基準は

木造建物には防火・耐火基準が定められています。
それらは「建築基準法」で定められており、その中の「防火構造」基準については、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるのもであるか、
国道交通大臣の認定を受けたものとされています。
建築基準法で定められている木造住宅の防火基準は以下の通りです。

  • 外壁や軒裏を防火構造にする
  • 屋根には不燃材料を使用する
  • 室内側(天井や壁)は15分の耐火性能が必要
  • 木造住宅を建てる際はその他防火上の工夫をすること

木は火に強い(弱くない)

木はキャンプファイヤーなど燃やすために使用されることも多く、燃えやすいイメージがあるはずです。
しかし、木材は実は火に弱くないのです。
火災が起きた時、確かに木は燃えてしまいます。

しかし、燃えるのは表面部分だけです。
木の表面だけが燃えて「炭化層」を作ります。
つまりは炭です。
木が炭化層を作ることでそれ以上燃えにくくなるのです。
木造の建物は火災が起きたとしても、燃え尽きるまで時間がかかるので、鎮火作業をスムーズにおこなえば内部まで燃えることがありません。

では鉄はどうでしょうか。
鉄骨の建物は火災に強いイメージがあるかと思います。
しかし、鉄は一定の温度を超えてしまうと形が変形し曲がってしまいます。
(鉄の融解温度は1,500°です)
そうなると強度が失われ建物が一気に崩れ落ちてしまいます。
鉄は火に対して強いようで強くないのです。

木造建築と防火構造

木造建築において必要なのが「防火構造」です。
建物が密集している場所で火災が起きた際に、延焼を防ぐことのできる構造をしている建物を防火構造と言います。
特に木造住宅が密集している地域で火災が起こると、大災害を招く可能性が否めません。
防火構造の建物があれば、大災害を防ぐことができると言えるでしょう。

では防火構造にするにはどうしたら良いか。
それは、外壁や屋根、軒先を防火性能の高いものを使用すれば良いのです。
防火性能を持つ材質や塗料を使用することで、火災を最小限に押さえることができます。
只木材の不燃化処理は、コストが高いのであまり一般的ではありません。

木材については「燃えしろ設計」ー木部の炭化で酸素が供給できなくなり、結果延焼をくい止めて残った部材で建物を支えるように設計をする手法があります。
燃えしろ分の部材の断面寸法を大きくすることによることから「燃えしろ設計」といわれます。
そして使用木材の木部の下地を不燃材で作ること等でも防火の対応できるようになりました。
又、地域での消火活動がスムーズ行なえるように自主防災組織等が設置されている地域であればこの限りでありません。

これらにより都市部の防火地域や準防火地域においても京町家が現況の姿や形を踏襲して改修することもできるようになりました。
又、私たちの家づくりにおいて特徴である外壁、軒裏にも木材を使った住宅が、防火に対していろんな工夫をすることで、地域を問わずに新築でも建設することができます。