漆塗り

漆とは

チャイナと言えば中国のことですが、一方陶器の事を指します。
ジャパンというと漆器のことをいいます。
この日本の伝統工芸の漆器に欠かすことのできない「漆」の素材は、漆の木から採取する樹液です。
日本では昔から用いられてきた塗料であり、器や民芸品や工芸品などに塗られてきました。

漆が塗られた漆器は、独特の美しさがあります。
見た目だけでなく、熱や湿気に強いという特性もあります。

現在も、日本各地の伝統工芸品に用いられており、漆器の産地では漆塗り専門の職人さんがいます。
漆器は昔は実用品として使われたり、一部の金箔や象眼等を施した漆器等は高級品として使われその地位を築いてきました。

現在も、外国人観光客にも人気の伝統工芸品として造られています。

国産と中国産の漆との違い

漆の木は日本だけでなく、タイやベトナムといった東南アジア、中国にもたくさん分布しています。
東南アジアで採れる漆は日本や中国とは種類が違います。

日本や中国で取れる漆は「ウルシオール」が主成分となっています。
現在、日本でも中国産の漆を使っている職人さんもいるのですが、その質は国産とは比べ物になりません。

国産漆は艶、潤いが美しく日本伝統の漆器には国産漆が欠かせません。
また、国産漆は水っぽく、固まると硬い性質を持っています。
国産漆で塗られたものは、薄くて硬い表面になります。
それに対し中国産漆は最初からぼてっとしているので、どこか厚みのある仕上がりになります。

なぜ同じ漆でそのような違いが出るのかと言うと「ゴム質の含有率」に違いがあるからです。
中国産の漆はゴム質が多いため、厚く、光沢が少ない、そして劣化が早いのです。
漆の素材の値段も中国産に比べて国産の漆は非常に高価です。

漆の特徴と使われ方

漆の塗膜は硬いだけでなくとても柔軟な性質を持っています。
アルカリ、酸、塩分、アルコールなど漆器に盛られる食材の成分にも強く、断熱性、防腐性、耐水性にも優れています。
ただ、漆は紫外線に弱いとされているので、直射日光を避けて保管するのが一般的です。

漆は塗料としてだけでなく、接着剤としても用いることがよくありました。
陶器に金継ぎという手法で作られた陶器がありますが、割れた陶器を接着するのに使われています。

又、漆の新芽を天ぷらや味噌汁などにして食べることもあります。
漆は、器や伝統工芸品だけでなく、私たちの生活において身の回りのものに用いられています。

漆は身の回りの雑器や住宅のなかでも使われています。
漆の産地では、住まいの木材の化粧部分に漆塗りで塗られた建物を見る事ができます。
近年においてもその漆の特性が見直されてきており、住宅の内装においては、近年又フローリングやテーブルなど木材の仕上げで一部で使われてきています。

漆塗りの活用 京町家に似合う素材 漆和紙、漆塗りの床框、天板等

漆は民家や町家に似合う素材として昔から親しまれてきました。
漆そのものを塗ることもありますが、漆を塗って加工された「漆和紙」や「漆塗りの床框」「漆塗りの天板」などが
渋くて風合良く、色も濃色なので歴史を感じさせる素材としても良く似合います。
又、漆和紙を壁や天井に貼ることで京都らしい和モダンな内装が完成します。

漆の和紙はとても丈夫で使いこむほど風合いがでます。
また、漆の特徴から防水性に優れているので水回りにも適しています。
そして床框は、床畳や床地板とを区別するものです。
座敷の格を表現するもので京町家の住まいに欠かすことができないものです。

漆塗りの面皮の床框等は、京町家にとても良く似合います。
天板も同じく、漆で塗られたものは新しい京町家にも良く似合うものです。

京町家は歴史ある建造物が多いため、修復が必要なものがたくさんあります。
歴史的な伝統建築の修復には、漆の素材が必要なのはいうまでもありません。