京都景観法

京都景観法の制定された背景

国内外を問わず、人気の観光地として知られている京都。
その人気の理由は歴史的文化が色濃く残る町並み、建造物、そしてそれらを育んできた魅力ある京の文化を感じる事ができるからではないでしょうか。
そんな京都では「京都景観法」が平成16年に公布されました。
これは日本伝統の景観美を守るため、そして日本の都市や農山漁村などにおける良好な景観の形成を促進するためです。
このように京都や奈良など、歴史的文化財が多く残された地域では、景観を重視した街づくりがおこなわれています。

京都は1200年を超える歴史ある地域です。
数多くの歴史的資産や、日本情緒溢れる町並み、そして豊かな自然。
それらが融合することで京都らしい独特の景観を創り出しています。
自然的景観や重要な歴史的景観に影響を与えかねない事例が発生していることを踏まえ
それを壊してはならないと、京都市が平成17年12月に京都景観計画を策定しました。

京都景観法の制定内容(建築物の高さ規定と看板の規定)

京都の景観を守るため平成17年12月に制定された京都景観法は、平成19年に大幅改正されました。
市を21地域に分け、規制区域ごとに看板の大きさや色などをこと細かく規制しました。
また市内全域で屋上広告や点滅式照明のついた広告を禁止しています。

京都市では、屋外広告物を景観をかたちづくる重要な要素とし、屋外広告物を表示する際に市長の許可を義務付けています。
全所区的な企業の広告物であっても、京都にふさわしいデザインに変えるよう指導しています。
そして建築物の高さやデザインも規制されています。
10m、12m、15m、20m、25m、31mと6段階に設定し、それぞれの市街地の特性に応じて、建物の高さを規制しています。
なぜ建物の高さまで規制するのかというと、歴史的な県庁物や京町家との調和を図るため、隣合う建物同士の高さの調整を図るためです。

京都では比較的広い範囲で建物の高さを制定し、美しい町並みを保っています。
建物のデザインに関しても、それぞれの地域の特性に合わせたデザイン基準を定め、京都の景観の保全・形成を図っています。

京都景観法の影響

京都景観法により、建物の高さやデザイン、看板や広告物に関しても規定を設けました。
景観に対する京都府民の意識や関心が高まり、自分達の住む街を守ろうという意識が強くなりました。
京都ではこれまで高度地区制度などを活用し、市街地の大半で建物の高さを規制してきました。

しかし、建築基準法の規制緩和を背景に、高層建築物の建設が進みました。
このままでは京都らしい景観が破壊されるとの危機感から、京都景観法を制定しました。
そんな京都景観法による影響として第一に挙げられるのが「地価相場の上昇」です。
京都景観法により、調和のとれた町並みになるにつれ、地価相場が上昇傾向にあります。
他にも京都景観法による影響があります。

【京都景観法の影響 プラス面】

  • 良好な景観が保全・形成される
  • 調和のとれた町並みが形成される
  • 日照・通風が良好になる
  • 圧迫感のある高層ビルや高い建物が建たない
  • 京都の景観や町並みが確保される
  • 観光収益の効果が期待される

【京都景観法の影響 マイナス面】

  • 建物建築の自由度の減少
  • 建築コストの増加
  • 地域の経済活動が制約される恐れがある

京都景観法その後

京都は日本でも独自の文化を築づいてきた地域です。
古都京都との代名詞があるように、さまざまな歴史的建造物や古い町並みが残されています。
それら歴史的な価値を持つものは美しく、日本人が心のよりどころとするものではないかと思います。
そんな京都の町並みを守るために制定された京都景観法により、市民の意識の向上とともにさらに美しい景観となっています。
京都に求められる美しい景観を残すことにより、これからも観光客が途絶えることはないでしょう。

京都を代表する建物「京町家」は、取り壊され年々減少する傾向にあります。
その理由は老朽化と新しい建物を建設するためです。

しかし、京都景観法が制定されからは、地域ぐるみで住民とともに京町家を守ろうとしています。
現在京町家を残すために京町家の解体の届出が義務づけされる等、又世界遺産を始めとする寺社等とその周辺の景観を保全するために
さらなる京都の景観を守る取組みがおこなわれています。