縦ログ工法

ログ工法とは(ログハウス・歴史も)

ログハウスの起源は諸説がありますが、紀元前から存在していたと言われます。
ログとは木材を意味し、9世紀頃にフィンランドで広まりました。
フィンランドは針葉樹林に恵まれている国で、海賊船の造船技術を建築に応用したと推測されています。
現在もフィンランドではログハウスが普及しています。

ログハウスは一般住宅の8~10倍の木材が使用されているため、木が本来持つ効果を発揮しやすい建築です。
ログハウスの特徴には調湿機能、保温効果、殺菌作用があります。
調湿機能は夏に高温多雨で冬に乾燥しやすい日本の気候には最適です。
雨が降ると木材は湿気を吸収し、晴れると水分を放出して乾燥します。
結露に強く、カビ・ダニの繁殖を防ぐことができます。

ログハウスはぬくもりがあると言われます。
木の内部には空洞があり、断熱効果はコンクリートの約10倍です。
熱伝導率の低い木材を使用するログハウスは保温効果に優れています。
殺菌作用は木に含まれるフィトンチッドと呼ばれる物質によるものです。
フィトンチッドは防虫・殺菌作用があり、伐採されて木材に加工されてもその効果は持続します。

横ログは

ログハウスは一般的に丸太を横に組むことで作られます。
横ログ、丸太組立法と呼ばれ、ログにノッチを交差させて積み上げます。
奈良時代に東大寺の正倉として宝物を収蔵してきた正倉院もこの手法で建てられています。

横ログで組み立てられた建物は先ほどあげた調湿機能、保温効果、殺菌作用に優れていますが、定期的なメンテナンスが不可欠です。
横ログのログハウスはセトリング対策と外壁・内装の塗装が必要になります。

セトリングとは木材が乾燥して収縮することによって生じる不具合のことです。
住み始めて年月を経ると建材が沈んで窓枠が圧迫されたり、壁に隙間ができることがあります。

ログハウスは木材を主体として組み立てられた住宅です。
木には吸水性があり、建物に使用された木材の乾燥は徐々に進みます。
セトリングを避けることはできませんが、予めよく乾燥させた木材を使用し、建て付けに信頼をおける業者に施工を依頼することで、セトリングの影響を最小限に抑えることが可能です。
定期的にボルトを締めると隙間・緩み予防にもなります。
セトリングが起こる時期は使用建材の状態によって異なりますが、住み始めて4~5年ほどで収まります。

ログハウスの外壁・内装は建築後に定期的なメンテナンスが必要となります。
外壁の塗装は外観を保つだけでなく、風雨を凌ぎ紫外線で傷んだ木材をメンテナンスする役割があります。
害虫や腐食の予防にも効果的で、塗装を施すことで家が長持ちします。
建物の内部は自然塗料で塗装すると良いでしょう。

縦ログは

従来のログハウスは横に木材を組み立てる横ログ工法です。
ログハウスには木材を縦方向に組み立てる縦ログ工法もあります。
木材を繊維方向に立てたパネルを作製し、ビスで固定して組み上げます。
縦ログのログハウスはスタイリッシュな建築が多く、木材の打ちっぱなし空間を演出できます。

縦ログの良い所はパネルの組み立てをして持ち運びができることです。
森林資源が豊富な地域では、木材を加工して建材に利用できます。
木材を大量に使用するため、間伐材を有効活用でき地産地消につながります。
運送コストの削減、地域での雇用促進、産業の活性化にも貢献が期待されます。

縦ログのログハウスは横ログと同様に木材を主体にしているため、メンテナンスが必要になります。
建物を長持ちさせるためには定期的に外壁・内装を塗装しましょう。

新しい縦ログ工法

国内の木造建築の割合は全体の約半数です。
ログハウスは日本の気候にあった建築で、調湿機能、保温効果、殺菌作用などのメリットがあります。
横ログではセトリングの対策が必要で、縦ログも定期的なメンテナンスが求められますが、どの住宅もリフォーム、改築、メンテナンスは建物の維持のために必要です。

現在ログハウスを販売するハウスメーカー、工務店の数は増えていますが、木材は輸入建材を使用することがほとんどです。
輸入建材は運送コストがかかり、木材の質と加工技術が問われます。
2013年にJAS制度でCLT材の規格が制定されました。

CLT材は直行集成板とも呼ばれ、JAS規格をクリアすることで建材の主要部分に使用することが可能です。
CLT材はひき板を張り合わせたもので、軽量で強度の高い素材です。
これまで建材に不向きとされてきた間伐材を有効活用できるようになりました。

CLT材は中小工場でパネル化して持ち運びでき、現場の作業は組み立てが中心となり工期が短くなります。
森林資源が豊富な地域で地産地消の建築を実現でき、新しい縦ログ工法として期待されています。

CLT材は資材の再利用が可能で耐久性が高く、改築にも応用できます。
木目を意識することでデザイン性の高い建築物を建てることも可能です。
新しい縦ログ工法は環境負荷が少なく、機能性の高い建築として注目が集まっています。