京都府産木材(認証制度)とクリーンウッド法

クリーンウッド法とは

クリーンウッド法は2017年5月に施工された法律で、合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律とも呼ばれます。
違法伐採対策の一環として木材の製造・販売者、建築業、木質バイオマス事業を対象に制定されました。
違法伐採を行うと環境破壊、稀少生物の絶滅、地球温暖化を助長する可能性があり、不当な安い金額で木材を取引される畏れもあります。

クリーンウッド法では禁止区域からの伐採を行わず、許可された木材種を正規の量、サイズで伐採します。
森林には伐採が適していない森林と整備が必要な森林があります。
一見何もせずに木を増やし続けるのが善策に見えますが、手入れが行き届かない森林は荒廃します。
木が密集しすぎると温暖化防止機能が低下し、災害時に土砂災害を起こす危険性もあります。
日本の森林整備は脆弱で十分な管理ができずに荒地になっている箇所が多くあります。
植林、育成、伐採のサイクルを繰り返し行うことで、森林の生育環境は健全に保たれます。
適切な方法で伐採を行うと森林が整備されるほか、環境保全と地球温暖化の防止、木材の公正な取引が期待されます。

森林の違法伐採は世界規模で深刻になっています。
諸外国でも違法伐採を取り締まる法律が整備され、アメリカではレイシー法、EUはEU木材規則、欧州では違法伐採禁止法が制定されました。

日本のクリーンウッド法が諸外国と異なる点は、任意規定で罰則がないことです。
厳罰化を呼びかける声も一部ありますが、現状のクリーンウッド法の位置づけは恩恵を与えることで、順守を促している側面があります。
クリーンウッド法に従って適切に伐採された木材を使用することで補助を受けられる制度も徐々に整備されています。

森林認証制度について

森林認証制度は、持続可能性を配慮した木材・木材製品にラベリングを行う制度です。
独立した第三者機関が一定の基準で評価・認証した森林、企業の木材を対象にしています。
森林認証制度は複数の制度があり、FSC、PEFC、SGECの3つが主な制度になります。

FSCは森林認証の先駆的な制度で1993年にドイツで創設されました。
10原則56基準にしたがって独立した認証機関で審査されます。
FSCは認証発行数が最多で信頼度が高く、世界規模で認証が行われています。

PEFCは1999年に成立した森林認証制度で、当初はヨーロッパを対象にしていました。
非ヨーロッパ国の認証も行うことから2003年に改称が行われて、世界規模で森林認証を行っています。
PEFCは各国の森林認証制度を相互認証する役割があります。

SGECは2003年に発足し、日本の森林状況に適応した森林認証制度です。
2016年にPEFCとの相互認証が認められました。
日本でSGEC認証を受けた木材はPEFC認証材としても流通させることができます。

京都府産木材(認証制度)とは

京都府産木材認証制度は、京都府で採れた木材の利用と地球温暖化対策を推進する制度です。
認証には条件があり、木の生産地と流通経路を明確にすることが求められます。
木材は京都府内の森林で合法的に伐採されなくてはなりません。

木材の販売、加工、流通に関わる企業は取扱い事業者として緑の工務店の認証を受けることが必要です。
地場産の木材を使用するとウッドマイレージCO2の削減に貢献します。
ウッドマイレージCO2とは、木材の量と輸送距離、輸送手段から産出される二酸化炭素の排出量です。
日本は使用木材の大半を輸入に頼っています。
輸入木材は量が多いため搬送コストがかかり、ウッドマイレージCO2の量も多くなります。
日本は世界有数の森林保有国である一方、森林の適切な管理ができていません。
地産の木材を使用することはウッドマイレージCO2を減少させるだけでなく、森林の保持に寄与し林業を盛んにします。

木材は住環境に優しい素材で、同じ地域の気候風土で育った建材は長持ちすることが期待されます。
木材の品質を保証する制度ではJAS制度が有名ですが、中小企業では取得が困難な認証の1つです。
京都府産木材認証制度は、申請にかかる費用負担が少なく、企業の規模を問わず加入しやすい点がメリットです。
新事業の京都の木のまち拡大事業の補助申請にも京都府産木材認証制度の活用が期待されます。

京都府産木材(認証制度)と補助金

京都府産木材認証制度とは、先に述べたとおり、京都府産の木材を利用して、地球温暖化対策を推進する制度であり、
また、京都府産の木材を使用した新築・増改築の建造物に補助金が交付される制度です。
対象の建築物は住宅、店舗、事務所、保育園・幼稚園などの児童福祉施設です。
公的機関の建造物や仮テナントなどには適用されません。

補助金の上限は40万円で、緑の工務店と建築事業者に公布されます。
交付の条件は京都府産木材を一定体積(面積)分使用することです。
構造材の使用は新築5立方メートル以上、増改築1立方メートル以上、内装材の使用は新築・増改築ともに10㎡以上必要です。

交付にあたっては所定の手続きがあります。
緑の工務店と建築事業者は事業計画書を振興局に提出して承認をもらわなくてはなりません。
事業計画書の承認後は交付申請を行い、交付の有無と交付額が決定されます。

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最終更新日:2020年3月4日投稿日:2019年6月7日