「京都の木の家」「注文住宅」の竹内工務店ブログです。
京都市左京区で進行中の「北白川の家」では、先日建て方が行われました。
9月になっても秋の気配は遠く、連日真夏の暑さが続く中での建て方となりました。
外に立っているだけで汗が滴るような気温のなか、大工さんをはじめ、材木屋さん、監督さん、レッカーの運転手さん、ガードマンさん、建て方の日は、たくさんの職人さんたちが現場に集まります。
「北白川の家」の計画地はメイン道路から少し入った所にあり前面道路が少し狭くなっています。
そのため隣家や電線が近く、クレーンで木材を吊り上げるときには細心の注意を払う必要があります。
ロープが「ミシミシ…」と音を立てながら木材が浮き上がる瞬間、
その重さと緊張感が伝わってきます。
木材をぐんと高く持ち上げ、電線をまたぐようにかわしてから現場へ下ろしていく
その光景は、見ているだけで迫力があります。
京都の街中は、道路や隣家との距離が限られている現場も多いため、材料の搬入ひとつとっても細やかな気配りが大切になります。
大工さんや監督さんが声を掛け合い、タイミングを合わせながら、木材を所定の位置へ誘導していきます。
レッカーの駆動音、掛け声、カケヤで木材を打ち込む音、
さまざまな音が交差しながら、一本ずつ木材が組み上がっていきます。
構造材は、和歌山県の材木屋・山長商店さんによる紀州材です。
梁などの成の大きな横架材にも杉を用いており、木の美しさと力強さが感じられます。
梁や登り梁の一部は、完成後も室内にそのまま見えてきます。
そのため、作業中も傷や汚れに注意を払いながら、一本ずつ丁寧に組み上げていきます。
同じ杉でも木目や色合いには表情の違いがあり、光を浴びた時の雰囲気もまたそれぞれ異なります。
大工さんの手で大切に組まれた木材が、この家の個性を形づくっていきます。
養生された木材は、直径21センチの杉の丸太柱です。
その丸太柱に、大きな梁や登り梁を一つずつ掛けていきます。
高所での作業が続くため、緊張感は途切れません。
現場内で可愛らしい落書きを発見!
こちらはプレカット工場の見学時にお子さんが描いたものです。
完成後には壁の中に隠れて見えなくなりますが、家族の大切な思い出が確かに刻まれていることを感じられる一場面に、ふっと心が和みます。
上棟の後はすぐに屋根工事に進むため、この木組みをじっくり見られるのはわずかな期間だけです。
建て方は木の家ならではの醍醐味を感じられる貴重なひとときです。
今回は2日間で無事に上棟を迎えることができました。
この度はまことにおめでとうございます
今後も「北白川の家」の工事の様子をブログでご紹介してまいりますので、どうぞお楽しみに!
設計監理はトヨダヤスシ建築設計事務所さまです。
これまでの現場ブログはこちらをご確認下さい。
京都市左京区「北白川の家」地鎮祭を行いました。
今回のブログに関連するコラムはこちらをご覧ください。
日本の樹、杉
最終更新日:2025年9月5日投稿日:2025年9月5日