屋根のある木の橋

屋根のある木の橋

木造で作られた橋は、雨が降った時に滑りやすくなりますよね。
それを防ぐために造られたのが屋根付橋です。
屋根のある橋には、雨風を防いで端に使われた素材の劣化をしにくくする働きがあります。
このような屋根付き橋には、実は日本だけではなく、世界中に存在しています。
今回は、木造の屋根付き橋についてのお話です。

橋の目的は?

橋はそもそも、何のために造られるのでしょうか。
ここからは、橋を建設する目的について、代表的な例の一部をご紹介していきます。

川を渡る(徒歩、車、電車など)

一番代表的な目的がこれです。
川がある場所で橋がない時には、船や泳ぎなどで渡らなければなりませんが、
橋を作ってしまえば、徒歩だけではなく車までが川向うに移動ができるようになります。
電車が走る橋は鉄道橋と呼び、一般人が侵入できないようにフェンスなどで頑丈に囲われていることもあります。

渋滞を解消する

地上にある橋として代表的なものが高架橋です。
高速道路に利用されている橋で、地上での渋滞解消目的で用いられています。

水を引く

上流にある川から都市へと水を引くために利用されるのが水道橋です。
特に古代ローマでは、数多くの水道橋が建設されていました。
ローマの水道工事は、土木建設の歴史の中でも偉大な業績として知られていますが、
それには水道橋が大きな影響を与えていたのです。

木の素材でつくられた橋

日本で橋を造るとなると、戦前までは木の素材を取り扱うことが当たり前のことでした。
その後、急激に日本経済が発展するに伴って、鋼橋やコンクリート橋へと変化していきました。
アメリカやヨーロッパなどの諸外国に目を向けると、
1970年代には自然な景観を求めて近代的な木造橋が建設され始めました。

このようにして、木の素材が持つ暖かみと自然と調和しやすい手触りは、
日本だけではなく世界中で利用されるようになりました。
近年では、高い安全性が求められるようなインフラ設備に関係する橋にも
取り入れられるようになったのです。

屋根のある橋

それでは、屋根のある橋にはどのような使用目的があるのでしょうか。
通常の橋で利用される目的に加えて、さらに特徴的な点についてまとめてみました。

雨や風の影響を受けにくい

屋根があることで、物理的に外部からの影響を受けにくくなります。
数十年・数百年を経過しても問題のない耐久性にするためには、
雨や風などの影響を少なくする必要があります。

住民の憩いの場となる

特に日本に残っている屋根付き橋は、地域住民の憩いの場として利用されている場合があります。
橋の途中にベンチを置いて、川のせせらぎや野鳥の音などを聞いていると、穏やかな気持ちになることでしょう。

保存庫として利用できる

牧草地など農畜産物に近い場所にある屋根付き橋は、一時的な保存庫としても利用されることがあります。
大きな倉庫に運ぶまでに仮置き場として利用することで、効率的な生産が可能になっています。

屋根のある橋いろいろ

現在も残存しているヨーロッパでも最古・最長の橋が、スイスにあるカペル橋です。
1367年に造られて以来、中世の面影を残している街並みや湖水が美しいとして、
現在では観光スポットとして人気を集めています。

ベトナムの来遠橋(日本橋)は、1953年に日本人の手によって造られました。
当時のベトナムは貿易港として栄えており、外国の商人たちが集まって暮らしていました。
川を挟んで日本人町と中国人町があり、その移動手段として活用されており、
現在ではベトナムの紙幣にも使われている有名な観光スポットです。
周囲の景観とマッチしていて、ノスタルジーな雰囲気のある橋です。

アメリカのマディソン郡は、多くの屋根付き橋がある場所として有名です。
小説や映画では、「マディソン郡の橋」というタイトルで知られています。
マディソン郡では、シーダー橋やホリウェル橋などの6つの橋が残っており、
小説や映画の舞台となった場所を目当てにして日々観光客が訪れています。

このように、橋を造る時には安全性や強度はもちろん、
周囲にある景観との調和についても考えていかなくてはなりません。
自然や風景に溶け込み利用する人達から愛される橋がもっと増えればより良い住環境になるでしょう。

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最終更新日:2020年10月13日投稿日:2020年1月30日