千年家(古民家)について

千年家(せんねんや)は、日本独自の言葉であり、古い民家(古民家)を指しています。
千年も前から建っているような古さの建物(室町時代)という意味で「千年家」と名付けられています。
千年家で有名なのが、兵庫県神戸市にある『箱木家住宅』、同じく神戸市にある『内田家住宅』そして兵庫県姫路市にある『旧古井家住宅』です。
箱木家住宅は鎌倉時代から南北朝時代に建築されたと見られているとても古い古民家です。
日本最古とも言われている千年家であり、非常に貴重な建物となっています。
内田家住宅に関しては、千年家の中でも比較的新しい江戸時代中期頃の建築されたと見られています。
そして旧古井家住宅は、室町時代後期に建築されたと見られています。
箱木家住宅、内田家住宅、旧古井家住宅はどれも国の重要文化財に指定されており、見学することができるものもあります。

~箱木家住宅の特徴~

江戸時代には既に千年家と呼ばれていた日本で最も古い古民家です。
箱木家は、村の有力農家の家であり、茅葺きの一軒家です。
建物自体はとてもシンプルなものなのですが、人が暮らすための性能が高いため、快適に暮らしていたと言われています。
広さは約30坪。
茅葺き屋根の厚みは驚くことに40センチ以上もあります。
床板は全て蛤刃手斧で仕上げられているため、見た目はぼこぼこしているのですが、逆に足ざわりがとても良いものです。
昔は大鋸(おが)で製材をし、鉋がなかったので手をかけて手斧(ちょうな)で仕上げていました。
小さな窓があるが少ないことや、柱がむき出しになっていない大壁であることも特徴です。
建物構成は、「おもや」と「はなれ」そして「くら」から成っています。

~旧古井家住宅の特徴~

入母屋造り、茅葺き屋根の農家の家だったもので、建物内部に(玄関入口横手に)馬屋があります。
(昔の人は、農耕用の牛馬をいかに大切にしていたかがわかります)
建物の小屋組は、扠首(さす)とうだちの併用であることから、日本の伝統民家の原型であることが分かります。
建物の四方はほぼ土壁で塗り込められており、窓が少ないのが特徴です。
こちらも箱木家住宅同様、床板が蛤刃手斧で仕上げられています。
堅くて腐りにくいといわれている栗材を用いた柱は合計21本使用されています。
家の中に入ると地面が露出したままになっていることから、竪穴式住居の流れを汲んでいるようです。

~内田家住宅の特徴~

建物の規模が大きく、当時の豪邸を伺わせる千年家が内田家住宅です。
柱も面取りが多く、立派な大黒柱があります。
外回りで使用されているのはやはり栗材であり、2階には養蚕に使用できるようになっています。

千年家は歴史と風格を感じることのできる古民家であり、当時の人々の生活を垣間見ることができます。
時を経てなおも気丈に佇んでいる古民家は非常に貴重なものです。
千年家、つまり古民家はかつての日本の住宅の原型でありこれらを知ることが、その良さを現代建築に活かすことができます。
まさに「温故知新」ですね。