三条町家改修 三条商店街近くにある町家の改修工事がほぼ完成に近づいてきました。この建物は比較的に小さな建物ですが、使われている材等もしっかりとしていて又痛み具合も少なくてすみました。床のレベルが少し下がっている部分がありましたが、部分調整をして水平を合わせています。内部のジュラク壁塗り部分を漆喰に仕上げています。吹抜けの部分が、足場を取り払われると既存天窓から差し込む光が漆喰壁を反射して白く照らして昼間の照明が不要なくらいです。



三条町家改修 三条商店街近くにある町家の改修工事がほぼ完成に近づいてきました。この建物は比較的に小さな建物ですが、使われている材等もしっかりとしていて又痛み具合も少なくてすみました。床のレベルが少し下がっている部分がありましたが、部分調整をして水平を合わせています。内部のジュラク壁塗り部分を漆喰に仕上げています。吹抜けの部分が、足場を取り払われると既存天窓から差し込む光が漆喰壁を反射して白く照らして昼間の照明が不要なくらいです。
O邸工事も着々と工事が進んでいます。現在屋根の瓦葺工事が完了した状態です。屋根にはいぶし和瓦を使用、通りに面した軒廻りは一文字瓦で屋根を葺いています。外壁には、構造用にダイケンのダイライトを使用して壁の耐震構造を担保しています。外壁下地の赤シートは、新製品のラップタイトという製品でアメリカ製の透水防湿メンブレンシートです。設計図書に記入のこのシート材を初めて使用します。この上から化粧の杉板材を張ります。後外壁には漆喰を施します。漆喰と杉板化粧との2種類の仕上となります。内部では天井下地や壁下地が出来上がりつつあります。これから造作材(写真)を仕上加工した木製建具の枠材や窓額縁材等を取付けてゆきます。
今年も夏休み親子木工教室を嵯峨鹿王院横の弊社倉庫で7月29日(土)10:00~(小雨の場合は開催します。)開催致します。参加の募集は今月末から開始致します。 またGOGO土曜塾7・8月号に掲載予定です。詳しくはこちらに告知致します。
こちらのイベントは定員に達したため申込み受付終了致しました。
6月29日(木)18:30~ 嵯峨 木のこゝろ 「風」(竹内工務店1F)にて照明デザイナーのNoi Planning Studio 西村氏と日根氏による2017年イタリア ミラノサローネ報告会を開催致します。今年の世界のデザインの動向と昨今、素材として注目されている木の使われ方などを中心に報告いたします。学生さんから様々な職種の一般の方が毎年ご参加下さいます。
参加費: お一人様 500円(ワンドリンクとおつまみを準備しております。) 会場: 京都市右京区嵯峨釈迦堂門前瀬戸川町4-7 竹内工務店1階 (会場に駐車場がございませんので公共交通機関を御利用下さい。) 参加お申し込み、お問い合わせ先:嵯峨木のこゝろ「風」 メール kinococoro_fuu@yahoo.co.jp 電話 075-861-4188
紅殻とは「弁柄」とも呼ばれています。
元はインドのベンガル地方でとれる酸化鉄を含んだ赤茶けた土から採取されて作られた塗料から語源がつけられたともいわれています。
紅殻は昔から日本でも民家に多く使われています。
主に住宅の木部や壁や瓦(一部の地方)に、現在でも紅殻を使った民家等にその文化は残っています。
京都では、主に京町家で内外部の木部に紅殻に煤を混ぜて黒く着色したものを塗布しています。
ただ、現在は純粋な紅殻は少なくなり合成されたものが多く使用されています。
紅殻は基本的に濃く赤みの強い茶褐色ですが、地域によって使われる色味が異なります。
一般的に北陸は赤味が強く、飛騨高山は黒味が強い、そして京都はその中間色となっています。
紅殻には等級があり、それぞれ色味・発色に違いがあります。
地方によって何を混ぜるかもさまざまで、混ぜるものによって色味が変わります。
水や油を混ぜるのが一般的ですが、あえて古い色合いを出すために柿渋を混ぜる場合もあります。
ちなみに、JIS(日本工業規格)の色彩規格では「暗い黄みの赤」と表記されています。
紅殻は昔から日本の暮らしに根付く顔料で、主に家屋の木部に使用されてきました。
他にも多くの顔料があるのに、なぜ紅殻が使用されてきたのでしょうか。
木部の保護が目的で耐光性、耐候性、耐熱性にすぐれ、防虫、防腐に優れているからです。又紅殻塗装することで下地の材料(の節の等の良否)が見えなくなるため
材を選ばないといったこともあります。
こういった利点があるため、家屋の木部や壁などに昔から使用されてきました。
家屋の木部に塗れば、耐候性がますとともに太陽の光による色あせや劣化も抑えることができます。
又表面を保護しているので汚れにくくなります。
防虫、防腐の機能を持った顔料は他にもありますが、シックハウス症候群の原因になることが危惧されています。
しかし、紅殻は天然素材であることから人体に影響を与えにくいとされています。
だからこそ昨今では紅殻が改めて見直され、再び家屋(特に京町家のリノベーション)に使用されるようになってきています。
また、家屋以外にも繊維製品への染色などにも使用されるようになりました。
今再び注目されている『京町家』。
歴史的建造物という点だけでなく、その伝統的な建築技法も注目されている理由の一つです。
冒頭でも少し述べましたように、京町家の木部には紅柄が使用されています。
それは表の出格子やその他木部に使われており、色味も目立つので紅殻は京町家の大きな特徴と言えます。
京町家の格子は機能としても優れています。
光を取り入れながらも外から中が見えにくい構造になっているため、主に表の接道部に用いられています。
普通の格子で塗装されていない材は腐りやすいのですが、紅殻を塗ることで長年きれいな状態のまま保つことができます。
(もちろん手入れも十分なされていますが)
このように京町家の格子には紅殻が使用されていることから『紅殻格子』とも呼ばれています。
京町家が当時のままきれいな状態を保っているのは、ある意味紅殻も一躍かっているかもしれません。
紅殻格子の付いている京町家を見れば、昔の人の知恵というのはとても素晴らしいものだと感じますね。