建築素材・竹

京都は竹の産地

京都は国内有数の竹の産地として有名です。
平安時代に中国からもたらされたと言われています。
竹はイネ科の植物で、4月中旬ごろから凄まじい速さで成長します。
ピーク時は1日に1メートル以上も伸びます。

京都の竹は品質が良いことで人気です。
山に囲まれた盆地のため、夏は蒸し暑く、冬は寒さが厳しい気候になることから引き締まった肉厚な竹になります。
発明王のエジソンが白熱電球を改良する時に、フィラメントの素材として八幡市男山の竹を使ったのは有名な話です。
京都に竹細工の工芸品が数多くみられるのも、京都が竹の産地であることが理由とされます。
竹本来の持ち味を生かしながら職人の手作業によって生み出される作品は、きめ細やかで美しいと定評があります。

また、観光名所としても京都の竹林は有名です。
嵯峨野の竹林の小径は風光明媚で数万本もの原生の竹を見ることができます。
夏は風でたゆたう竹の音に耳を傾け、竹林の影で涼む観光客でにぎわっています。
日向市の日向丘陵も竹林が見られる穴場です。

素材としての竹の特徴や使われ方

竹は世界で1300種類、国内だけでも600以上もの種類があると言われています。
素材としての竹は強靭で弾力性があります。
曲げたときの強度もあり、古くから釣り竿などにも使われてきました。
竹は乾燥による伸縮がほとんどありません。
成長するスピードも速いことから、木に代わる建材としても期待されていましたが、竹には弱点があります。

竹は繊維方向に割れやすく、節に強い力が加わると壊れてしまうので、加重がかかる建材には向いていません。
虫害を受けやすい素材でもあり、虫がつかないように収穫時期を工夫したり、防虫加工を施す必要があります。
日本でよくみられる竹の品種にはしぼちく、ほていちく、きっこうちく、しかくだけ、うんもんちく、まだけなどがあります。
産地によって採れる竹の種類は異なり、使用用途も変わってきます。

竹は十分に乾燥させると強固で柔軟な素材として用いることができます。
伐採の時期によって耐久性に違いが見られ、水分を多く含むと耐久性が乏しくなるため、晩秋から冬にかけての竹が有用です。
竹の使用用途は様々で、建築材の他にかご、提灯、玩具などの竹細工に使われます。
繊維質を利用した竹紙や竹酢液、竹炭などの加工品にも利用できて万能です。

建築素材としての竹

建築素材として竹は縄文時代から長く使われてきました。
竹は身近で手に入りやすく、成長のスピードも速いため不足の心配がありません。
塗り壁としての素地、竹のコンクリート、床材、すだれ、竹垣など幅広い利用方法があります。
建築材に自然素材を多く取り入れてきた頃は、竹は重要な役割を果たしてきました。
塗り壁の素地(壁下地の竹小舞)は現在和風建築の一部(伝統的建築)で使われています。
竹のコンクリートは、鉄筋コンクリートの素材である鉄が不足していた頃、鉄筋の代用品として用いられていました。
明治維新により新しい建築技術が流入し、建築素材もガラス、鉄、コンクリートが主要になってからは竹が素材として使われることは減っています。

海外では竹を建築材として使用している国があります。
インドネシアのバリ島のグリーンヴィレッジでは、自然と調和するように建物を全て竹で作っています。
椅子や机、家具などありとあらゆるものが竹でできていて、基礎部分だけは石ですが外装・内装ともに竹製です。
建材として使えない部分は紙や燃料として利用されるので、持て余す部分がないエコな素材として竹は注目されています。
中国や台湾、東南アジアでは高層ビルの建築現場の足場として竹が用いられ、世界でも竹は欠かせない存在です。

住まいの中の竹(の使われ方)

現在、建築材として合成木材や人工木材が多く使われるようになっています。
しかし一般的な住宅では自然素材を用いる場合は、無垢材の木を用いることが大半です。
耐久性の問題もあり、建物の主要な構造部分で竹を使用することはほとんどなくなりました。
それでも竹の美しい光沢と独特の外観は他の素材には取って代われない素晴らしさがあり、竹は和風建築の素材として今でも広く用いられています。

竹は主に建具やフローリング、壁などに使われています。
乾燥による伸縮が少ないため、建具を竹で作ると頑丈でズレがなく、シックでモダンな印象です。
また、竹は熱伝導性に優れていることからフローリング材としても人気があります。
竹には消臭殺菌効果もあるため、人工建材によるアレルギーやシックハック症候群などの弊害が気になる方には取り入れたい素材です。

家具の素材としても竹は人気があります。
棚、机、椅子などの大物家具や手提げかご、ざるなどの小物にも竹は使われます。
竹製品は物持ちが良く、手入れをすることで何十年でも使うことができて便利です。
しかし、この優れた素材が建築においても新しい使われ方がなされる事を願っています。