住まいの設計とCG(コンピューターグラフィック)

住まいの設計とCG(コンピューターグラフィック)

住宅設計のCGでできること

住宅設計をする際は、工務店、ハウスメーカー、設計事務所などと面談・相談を通じて建設プランを作成します。
それぞれ得意分野があり、理想に近い設計例を持っている会社やコスト面を明確にしてくれる会社などニーズに合った依頼先を探すことになります。
建設前に必ず設計図と仕様書が必要になります。
設計図と仕様書は契約内容を確認する書類であり、この図面をもとに工事が行なわれます。
建物の間取りを確認したり、使われている素材や色を確認したりと完成した建物を把握するためにも必要です。
図面は平面図で描かれているため、想像力を駆使して三次元の完成図をイメージしなくてはなりません。
また、図面は建物内部が中心で、建物の外観やエクステリアはどうしても後付けになります。
しかし、完成した建物と思い描いていたマイホームが食い違っていたら大変なことになります。
敷地内の様子や建築設計の細部は事前の打ち合わせで図面に書き込むところまで徹底することが求められます。
建築工事が始まると建築業者に任せるほかないので、住宅設計のプランニングの時は建て主が住まいづくりに携わる重要な工程となります。
一生に一度の住まいづくりなので、後悔のない住まいのプランニングを心がけましょう。
プランニングの設計でCGを用いることがあります。
それらは可視的にプランニングされた建物の様子がよく分かります。
多くの方が建設中のビルやマンションの完成予想図をチラシなどで見られたことがあるでしょう。
CGを用いると設計段階の建物でもわかり易く図面化できます。
建築物の様子は文字で説明するよりも視覚的な情報の方が断然分かりやすいため、プレゼンやPRにも用いられます。
CGを用いて描かれた図はパース、パースペクティブと呼びます。
パースとは対象物を立体的に表現した透視図です。
外観パースは建物の外観を立体的に表します。
また、建物内の様子を表したものを室内パースと呼びます。
いずれも住宅設計において重要です。

室内ウォークインスルーCG

住宅設計の間取りで重要視されるポイントの1つに生活動線があります。
生活動線nとは日常生活で移動した経路をたどった線のことです。
生活動線は短いほど移動しやすく良いと言われます。
間取りで失敗しないためには、各家族の生活動線と家事動線を合わせて検討することが大切です。 
しかし、生活動線をもとにベストな配置を組んだとしても、新居生活が始まって間取りの改善点が見つかることも少なくありません。
住宅設計の間取りで生活感を確認するなら、室内ウォークインスルーCGを用いるのが有効です。
外観パース、室内パースでは建物の全体図と各部屋の状態しか確認できませんが、
室内ウォークインスルーCGを用いると建物内を移動する様子をシミュレーションできます。
ゲームでダンジョンや屋内を移動するとき、画面上の空間にいるような疑似体験をできるのと同じ原理です。
CGでは空間内の床、壁、天井の素材や色などを変更したり、家具や照明器具、備品を設置することも可能です。

住宅設計のCG入力と図面作成

住宅設計のCGには多機能性があり便利です。
外観パース、室内パースは建物の外観と内部の様子を立体的に見ることができ、室内ウォークインスルーでは建物内の移動を再現できることをお伝えしました。
CGで表現できるのは立体図だけではありません。
もちろん平面図、立面図、断面図、配置図を表すこともでき、それぞれ建物の様子を示す図面として重要です。
平面図は建物内のレイアウトを表します。
間取り図と平面図の違いは寸法で、平面図は間取りに加えて正確な縮尺を用いて図面化されます。
立面図は建物外観を東西南北の4方向から見た図面です。
断面図は建物を切断したときの図面で、各部屋の状態や位置関係を確認するために使います。
配置図は敷地内の様子を表す図面です。
建物の他に設置する車庫や物置の位置関係、敷地と建物の高低差、外構の植栽や境界の塀などが記載されています。
さらにCGでは構造計算と見積が可能です。
構造計算は建物の強度、安全性を確認するために重要です。
建築設計で意識することはほとんどないかもしれませんが、住まいづくりの知識として知っておくと良いでしょう。

日本は災害が多い国で地震、津波、台風、積雪などの影響を受ける環境にあります。
自然災害は地域差がありますが、住宅に十分な耐久性がないと倒壊する可能性が出てきます。
構造計算では建物が荷重に対してどのように変形し、影響が及ぶかを計算します。
住宅では、求める構造性能により構造計算の方法が違ってきます。
建築予定の建物が耐震等級のグレードにより構造計算を簡易なやり方で置き換えても構わないことになっていますが、
建造物の安全性を確保するためにも構造計算しておくと安心です。
また、見積では建物に使用する部材などを入力したものが連動して数量を拾い出し建築費用を算出します。
それらの図面作成が連動し繋がっていて、入力時には手間がかかりますが、建て主にはわかりやすく説明が受けられるという利点があります。

これからのCGは

CGは建築設計に応用することで建物のイメージを共有でき、理想的な住まいづくりへと導きます。
採光や風の流れのシュミレーション、窓の位置や大きさの検討もできます。
立体モデルだけでなく、各図面の作成、構造計算、見積も連動して行えるCGはこれからの住まい設計に大いに貢献することでしょう。
CGを用いると設計構想の段階で外構部、内装がより可視的になり、素材や色の変更をしたときのイメージも確認できます。
CGの活用は施工ミスを減らすメリットがあり、生産性の向上にもつながります。
住宅設計のCGはさらなる可能性も秘めています。
建物に関する総合データを記録することで、施工後の維持管理、リフォームにも活用されることが期待されています。
データ化することで建物の詳細な情報を残せるため、建物や設備の老朽化があって修繕を施す場合でも物件の情報を正確に出力できます。
CGは建設の一連の流れとなる企画、設計、施工、維持・管理のサイクルを一括して管理できる便利なシステムです。
建主、施工に携わる事業者間で情報の共有と活用を行うことで、作業効率の向上とパフォーマンス性の高い建築の実現が期待されます。