地域で廻る経済を考える

地域で廻る経済を考える

「地産地消」「身土不二」等の言葉がある

地元で生産された食べ物を地元で消費しようという「地産地消」や、
旬の食べ物や近場の物を食べた方が体に良いという「身土不二」という言葉があります。
これらの言葉は日本古来の伝統として、一部の農業団体や自然食品販売業などの分野で広まってきました。

日本では、輸送技術の向上により地方で生産された食品を都市部へ手軽に運んで大量に消費することが可能になっていますが、
果たしてこれは本当に良いことなのでしょうか。
少子超高齢化社会によって、将来的にマンパワーが不足すると言われている現在では、
「地産地消」や「身土不二」の考え方を経済的にも活用した方が良いのではないでしょうか。

素材の生産と消費地が近い方が地域で経済が廻る

それでは、地元で生産された食品が遠くの都市に輸送されずに生産地で消費されるようになると
どのような経済効果が期待できるのかを考えていきましょう。

例えば、地元でしか生産されていないような特徴のある食品は、
都市部まで輸送することで付加価値がつき、高い値段で売られるようになるかもしれません。

しかし逆に、地元でしか消費されないようにすることで、
「そこでしか食べられない」と観光客に人気となることもあります。
いつもは輸送に時間のかかった食品を食べている観光客は、
地元で採れたばかりのフレッシュな食べ物を好むことでしょう。

また、美味しい食材を消費するためには、原材料そのままではなく、加工する業者や店舗が必要となります。
さらには、その場所で働くスタッフや料理人なども重要になります。
地方では仕事が少ないために、特に若年者が都市部に出て働くという構造が長年形成されていますが、
そういった人々にとって重要な仕事が得られる可能性が出てきます。

人口減少によって自治体の合併がよくおこなわれているような地方では、
「地産地消」を推し進めることが、地域経済を活性化する方法として有用になるのではないでしょうか。

電力の生産地と消費地が近い方が良い

発電所で作られた電気は、発電所を経由してから各家庭へと運ばれていきますが、
電気を運ぶ線を送電線や配電線と呼びます。

この線を電気が通る時には、電気の抵抗が一部で発生してしまうために、
送電による電力のロスが生じてしまいます。
電力ロスについては年々改良が進んでおり、東京電力によると
1950年代には約25%あったものが、2018年には4%程度にまで減少しています。

莫大なコストをかけて作り出された電力は少しでも大事に使いたいものですが、
送電時にはどうしてもロスが生じてしまいます。
しかし、電力を運ぶ距離が短ければ短いほど、ロスは小さくなります。
食品と同様に、電力も生産地と消費地が近ければ近いほどエコな生活を過ごすことができるのです。

電力で地域の活性化

それでは、食品と同様に電力も地域活性化に貢献できるのでしょうか。
近年よく言われているのが、「ご当地電力」という言葉です。

これは、食品の地産地消と同様に地域で作られた電力を地域で消費しようという考え方です。
この考え方を具体的な業務にするためには、地元企業で電気の小売事業ができなければなりません。
新しい業務を開始することで、地域活性化がおこなわれるという点では、地産地消と同じです。

大量の電気を全国に運ぶためには、原子力発電や火力発電がメインとなるため、
化石燃料への依存度が高くなりますが、必要とされる場所で必要な量だけ電気を作れるようになると、
将来的にはこのような施設が不要になる可能性があります。
このような理由から、近年では地方自治体が主導となった新しい電気の仕組みが開発されてきています。

地元企業があらたにつくる再生可能エネルギーを利用した発電、送電も近年非常に要望されてきています。
一般家庭におけるソーラーパネルも、地域で電力供給をおこなうための重要な取り組みの一つではありますが。

地域でできたものを地域で使う、このことは食品や電気に限ったことではありません。
植物や織物においても同じです。
地域でできたものを地域で使うことによって、地域経済全体が廻りはじめるのです。
地域経済を支えるためにも、自分の地元経済について考えてみて、行動しましょう。