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京都市右京区「N邸新築工事」木製建具吊り込み

「京都の木の家」「注文住宅」の竹内工務店ブログです。

京都市内にありながら、都市の喧騒から離れた静けさと、自然・歴史の豊かさが調和する右京区──
世界文化遺産・仁和寺のほど近くに建つN邸は、「終の棲家」として計画された、木の温もりあふれる住まいです。

現在、8月の完成に向けて現場では「木製建具の吊り込み」作業が進んでいます。
建具の取り付けは、家づくりの工程の中でも最終段階にあたる大切な工程。
現場には、完成が近づいてきたことを感じさせる空気が漂っています。

N邸では、杉や桧といった国産材をふんだんに使用し、すべて職人の手仕事によるオリジナルの木製建具を採用。
無垢材でつくった建具は、建物のデザインと建具のデザインが調和し、全体的に統一された空間を形づくっています。
木製建具を使うことで、家全体のデザインや素材感と統一感が生まれ、
自然素材同士の相性も良く、落ち着いた空間を演出できます。
今回は、その建具の一部をご紹介します。

2階の居間と寝室をやわらかく仕切る格子戸は、「ケンドン式」と呼ばれる上下の溝に建具を落とし込むタイプ。
赤身杉材の持つ杢目、やさしい表情が、空間に落ち着きを与えます。
手前の小さな格子戸はエアコン前に設置するルーバー建具です。

2階の居間には桧で制作した大きな木製建具が入ります。

工場で制作された建具は、現地で最終調整を行います。
建具の「つの」と呼ばれる部分をカットし、戸車の高さを調整して枠にぴったりと納めていきます。
木製建具は傷がついても削って補修したり、パーツを取り替えることができ、長く使い続けることができます。

ガラス入りの建具は重さがあるため、慎重に位置を合わせながら作業が進みます。
細部まで丁寧に調整することで、滑らかに開閉する建具となります。

桧の枠には、外から順に木製網戸、木製建具、最後に障子が入ります。

2階居間、寝室窓の内側には障子が入ります。
障子紙を通して差し込む光は、直射光とは異なり、やわらかく拡散されて空間全体に広がります。
これにより、室内が明るくなりながらも眩しすぎず、目にもやさしい自然な明るさが得られます。

玄関戸には桧の縁甲板を採用し、木の温もりとともに、縦のラインも印象的な建具になっています。

個室の窓内側には、個性的なデザインの面格子入り建具が入ります。

こちらは、和紙貼りで仕上げたフラッシュ戸。引手部分には杉を使い、木のやさしさを添えています。木は触れたときに温かみを感じやすい素材で、金属や樹脂とは異なる手触りがあります。

階段ホールと居間の間にはガラス框戸を設置。
視線が抜けることで、空間に広がりとつながりを感じられます。

設計は熊澤安子建築設計室さまです。

こちらの現場では8月2日に完成見学会を予定しています。
詳細はお知らせをご確認下さい!
令和7年8月2日(土)京都市右京区「N邸新築工事」完成見学会を開催します

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