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木材の乾燥について

木材の乾燥方法(人工乾燥、天然乾燥)

伐採した木材には大量の水分が含まれています。
木材は乾燥させないと基本的には使用することができません。

木材を乾燥するには主に「人工乾燥」と「天然乾燥」の2つの方法があります。
「天然乾燥」は昔ながらの乾燥方法であり、屋外で天日干し等自然の状態で乾燥させるものです。
機械により強制乾燥させる「人工乾燥」にはさまざまな方法があります。
その中で最も多いのが「蒸気式乾燥法」です。

乾燥庫と呼ばれている装置に木材を入れ、その中の温度を40℃~120℃の間で調整をして乾燥させます。
どんなに高温にしても湿度が高いのでは乾燥の邪魔になるため、湿度をきちんとコントロールしながら乾燥させていきます。
後、減圧式乾燥や燻煙乾燥という方法もあります。

人工乾燥の利点、欠点

人工乾燥の利点

  1. 短時間で乾燥させることができる
    人工乾燥は短時間でしかも大量に木材を乾燥させることができます。
  2. 損傷を抑えることができる
    天然乾燥の場合、外部要因により木材に損傷を与えることがありますが、人工乾燥であればそれを抑えることができます。
  3. 寸法の安定性が高い
    人工乾燥は短時間で木材を乾燥させることができるため、木材の寸法に安定性があります。
  4. 含水率の調整ができる
    人工的に乾燥させるため含水率の調整をすることができます。

人工乾燥の欠点

  1. 材木のくすみや内部割れ
    高温で強制的に乾燥させるため、木材のくすみ(変色)や内部割れのリスクが高くなります。

天然乾燥の利点、欠点

天然乾燥の利点

  1. 木材の色艶が綺麗に保たれる
    天然乾燥は自然に乾燥させるため、木材自身が持つ色艶を保ったまま乾燥させることができます。
  2. 誰でも木材を乾燥させることができる
    木材乾燥の知識がなくても簡単に乾燥させることができます。
  3. 乾燥コストがかからない
    人工乾燥の場合は木材を乾燥させるのにコストがかかりますが、天然乾燥の場合は乾燥コストがかかりません。

天然乾燥の欠点

  1. 乾燥に時間がかかる
    天然乾燥で木材を乾燥させるにはかなりの時間が必要です。
    乾燥がきちんと完了するまでにカビが発生したり、虫害にあうこともあります。
    そのため、木材として製品にするまでの歩留まりが少し悪くなってしまうことがあります。
  2. 素材の欠点が出てしまう
    天然乾燥の場合、素材自身が持つ欠点がそのまま出てしまう恐れがあります。
  3. 寸法の安定性が低い
    湿度の微妙な調整ができないため、寸法の安定性が低くなります。

木材樹種と乾燥について

木材とはひとことで言ってもさまざまな種類があります。
杉、桧、松をはじめ本当に数多くの種類があります。
木材の樹種によって、乾燥の進み具合などが異なります。

乾燥しやすいもの、乾燥しにくいもの、割れが生じやすいものなど樹種によって性質はさまざまです。
製品とするには、これらの性質をきちんと把握しながら乾燥させなくてはなりません。
含水率、乾燥させる過程で割れやすいなどそれぞれの樹種の性質を把握した上で乾燥させるのはなかなか難しいものです。

乾燥が特に厄介だと言われているのが「ナラ材」と「ウォールナット材」です。
ナラ材は割れやすい樹種であり、ウォールナットは乾燥しにくい樹種です。
又、杉材も特に乾燥しにくい樹種です。

乾燥と住宅建設までの流れ(期間)

木材は乾燥したものでないと住宅建材として使用することができません。
木材乾燥には天然乾燥と人工乾燥の2つの方法があり、それぞれ乾燥期間に違いがあります。
天然乾燥は乾燥にかかる時間が長く、半年から1年ほどかかります。
構造材等の大きな材は2年~3年かかってしまうことも。
板材等の薄い材料は1~2週間で乾燥(人工)します。

構造材においても人工乾燥の期間は、中温乾燥で平均して2週間程度です。
乾燥を終了した木材はそれぞれの用途に合わせて再製材されます。

それから住宅に必要な土台、柱、梁、等を注文して大工さんの加工若しくは
プレカットの加工に廻され、現場での建て方へと進みます。

空家について

少子化に伴う空家の増加

現在、日本各地で問題となっているのが「空家」の増加です。
空家の老朽化やそれらが放火の被害にあったりと、近隣にも悪影響を及ぼすなどの問題が出てきています。

空家が増加した背景には、少子高齢化に伴う人口減少が一つの要因としてあります。
新築建売物件やマンションが増加する一方で、老朽化した空家も増加しているのです。
空家の持ち主は賃貸物件や中古物件として不動産会社に依頼していることも多いのですが、なかなか借り手・買い手が見つからないのが現状です。
では建物を解体してしまえばよいのではないかとも思いますが、更地にすると固定資産税が高くなるというデメリットがあります。

京都も多分にもれず空家が増加しています。
京都ならではの京町家も住み手がいないことで老朽化が進み、次々に解体されてしまっているのが現状です。
ただ、京都を代表する歴史的建造物でもある京町家の存続を守るため、さまざまな取り組みもおこなわれています。

京都の空家の事例等

京都にも数多くの空家が点在しています。
2013年の時点で京都の空家数は住宅総数の14%にものぼるとの結果が出ています。
京都で特に空家が多い地域が「伏見区」「左京区」「右京区」です。
ただ、地域の広さと住宅件数の割合で見ると「東山区」「北区」「下京区」が多いようです。

京都は日本を代表する観光地であり、歴史的建造物が数多くある地です。
そのため、空家をどうにか活用できないかと行政や地域住民が一丸となって取り組みをおこなっています。
京町家を現代の生活ともなじむような住まいにリノベーションしたり、カフェや飲食店、雑貨屋として利用したりなどさまざまです。

空家と活用について

空家の利活用の方法は幅広くあります。
考え方一つでさまざまな使い道ができると思います。

~空家の活用方法~

賃貸物件にする
住まいとして、別荘として賃貸物件にすれば借り手がつく可能性があります。
現在、各自治体が「空き家バンク」を設置しています。
それを上手に利用するのも一つの手でしょう。
シェアハウス
一軒家を単身者が借りるのはなかなか難しいものです。
しかし、シェアハウスにすれば、一人当たりの賃料が安くなるため需要が高まっています。
店舗用物件にする
持ち主が店舗用に改造するのも良いですが、借主が自由に改造できるような条件にするのも良いでしょう。
自治体に提供
町内会の集合場所や地域のコミュニティスペースとして使ってもらうのも良いと思います。

空家と補助金について

近年、各自治体では空家についてのさまざまな補助金制度を設けています。
解体費用や修繕費用などの他、移住者が空家を購入した場合に補助金が出るなどさまざまな取り組みがおこなわれています。
京都でも空家に関する補助金制度が設けられています。
改修工事や家財の撤去にかかる費用の一部の補助があります。
少しでも空家を少なくし活用を促すように設けられています。
これらを利用するのも一手ですね。

住まいの中のしつらえ

和のしつらえ

現在、住宅や文化の洋風化にともない、日本の住まいにおける和室の存在が失われつつあります。
和室(の特徴である畳の部屋)を作らない家庭が増えています。

一方で、「和」の良さが見直されて来ており、住まいの中に「和」を感じる住まいが増えてきているように思います。
例えば、床はフローリングでありながら、襖や障子を用いて和モダンな空間を作り上げたり、洋室の一角の床に畳を敷くなどです。
また、庭との連続性を持った建物も「和のしつらえ」を持つ住まいです。
和の考え方は人によって異なりますが、住まいの一部に和の要素を取入れることが、住まいに落着きと快適さをもたらすのではないかと思います。

洋のしつらえ

洋の住まいにも、「洋のしつらえ」があります。
「しつらえ」とは、お客様をおもてなすための心配りといえばいいでしょうか。
玄関のドアは内開きで、お客様を受け入れ、リビング等には暖炉や昔ながらの絵画やお皿等が飾られたりしています。
又家族の写真や絵等も飾られています。
住まいの中に家族の歴史等が見えますね。

しつらえの備品

そこで「和」と「洋」を表す備品を考えてみたいと思います。

【和のしつらえの備品】

  • 和紙
  • 化粧柱
  • 聚落壁
  • 格子戸
  • 障子
  • 囲炉裏
  • 引戸

【洋のしつらえの備品】

  • クロス
  • 絨毯
  • 暖炉
  • ベッド・ソファー・ダイニングテーブルなどの家具
  • ロートアイアン
  • シャンデリア(照明器具)
  • 絵画

和や洋のしつらえの備品を取り入れるだけで、住まいのイメージがガラリと変わります。
洋風に建てた家であっても、上記のような和のしつらえの備品を取り入れるだけで和モダンなイメージに変わったりもします。
リフォームの際などに、そういう考え方でしつらえの備品を取入れてみてはいかがでしょうか。

和の住まいの様式としつらえ

今「和の住まい」に再度注目が集まっています。
それは日本伝統の和の文化が見直されてきているからです。
日本人はもちろんのこと、諸外国でも日本で生活をした方等が、和の味を持った住まいを作ったりしています。
見た目だけではなく、実用として畳がいいと言う人もいますし、
機能的にドアより引戸がいいという人も多くいます。

しつらえとは、来客をもてなす心配りですが、これらはお茶の精神でもあります。
日本人が持ち続けている人に対する優しさでもあります。
季節を感じる生け花や掛け軸(絵画)もそうです。
旬の材料を使った料理等もそうでしょう。
季節のおもむきやおもてなしが感じられるものが衣食住すべてにおいてあります。
まず、それらを住まいの中にと考えることから始めたいですね。

職人の手仕事 ロートアイアン

ロートアイアンとは

「ロートアイアン」をご存知でしょうか。
あまり聞きなれない言葉だと思いますが、それはヨーロッパで発展した「手工芸鍛造」のことです。
日本建築では昔から「木」が主流でしたが、ヨーロッパではフェンスや階段、門扉、そして窓枠など全てが鉄で作られていました。
ロートアイアンは「鍛鉄」や「練鉄」の意味を持っており、熱く熱した鉄を叩いて職人が一つひとつ手続りで作り上げています。
そんなロートアイアンは、デザイン性にも優れており、装飾美と機能美を兼ね備えています。
それに加え、セキュリティ設備としての機能(頑丈である)もあることから、日本でも防犯設備として見直されています。

ロートアイアンの歴史

現在のロートアイアンが誕生したのは13世紀頃のヨーロッパです。
イタリアやドイツなどの教会のフェンスや門扉に採用され、その美しい装飾が人々の目を惹きつけました。
それから18世紀にかけてその技術が磨かれてきましたが、19世紀の世界的な戦争でロートアイアンは一時作られなくなってしまいました。

しかし、19世紀後半に再度ロートアイアンが注目されるようになり、家具の分野で復活しました。
日本でロートアイアン(鍛鉄)が造られるようになったのが1960年代です。
職人の手で一つひとつ作られるその美しい装飾は機械では作り上げることができません。

ロートアイアンと建築

日本において、現在家具(金具)を中心にロートアイアンが使用されていますが、建物の一部にも使用されはじめました。
窓の外柵や玄関の屋根部分、内外階段の手すり部分や、門、バルコニーの柵などさまざまな部分に使用されています。
機能性と装飾性に優れたロートアイアンは、洋風な建物を一際引き立てるもの。
ロートアイアンは以前は輸入に頼っていましたが、最近では日本国内で職人の手により造られています。

日本の職人が織り成す繊細かつ機能的なロートアイアンは、愛好家の中では人気があります。
これからどんどん一般住宅に使用されてくるでしょう。
優美で頑丈であり長持する、建築物に適したものであるのは間違いありません。

ロートアイアンと職人の手仕事

ロートアイアンは職人の手によりひとつひとつ丁寧に作り上げられています。
あの繊細な装飾美は職人の手でしか作り上げることができません。
どれも同じように見えるのですが、ひとつひとつ手作りですから、同じものは一つもありません。
鉄を曲げたり、さまざまな装飾が施されているなど、昔ながらの鍛鉄で作り上げられたロートアイアンは本当に美しいです。
デザイン的にはヨーロッパの味を受け継いでいますが、作り上げているのは日本の職人さんです。
シンプルなデザインで加工されたロートアイアンは、和の住まいにも合う逸材です。

京唐紙

京唐紙のルーツは

「唐紙」とは奈良時代に中国「唐」から伝えられた美しい細工紙のことです。
当時は高級細工紙として貴族などの間で使用されていました。
平安時代になると京の都、つまり京都で唐紙が生産されるようになりました。
住居の襖や壁紙などに使用される京都の伝統工芸品となったのです。
京都の伝統工芸品となった唐紙は「京唐紙」と呼ばれ、現在もなお日本人に愛される存在です。

京唐紙の文様は、植物や動物や幾何学模様等をデザインされ、版木に彫られて、それらを染料等で染めたもので和紙に擦り込む方法で作られています。
京都にはそんな手間ものを、職人さんが今なお昔と変わらない技法で京唐紙を作り続けています。
それらは和の住まいを支える大切な技術と伝統と言えるでしょう。

京唐紙の特徴は

京唐紙は襖などに施される「版画」のことで、現在でも、寺院や茶室などに使用されています。
いろんな色の和紙に版画で摺られた美しい模様は京都を代表する伝統工芸品です。
身近なところでは京町家の襖等にも使われています。

唐紙には「京唐紙」と「江戸唐紙」があります。
「京唐紙」は越前奉書紙や鳥の子紙などの高級な加工原紙を用い、伝統的な紋様が押されています。
「江戸唐紙」は秩父や小川町で生産された細川紙を用いており、江戸小紋が多用されています。
どちらもとても繊細で美しい歴史的な伝統工芸品です。
特に日本での唐紙作りは京都発祥です。
その伝統文化は今もなお後世に受け継がれています。

和の文化を担う素材・京唐紙

京都伝統の木版摺りの技法による京唐紙は、日本文化や日本の風土に合ったもの、つまり日本の感覚を反映した文様(デザイン)となっています。
主に寺院や茶室、料亭、町家などで使用されてきました。
京唐紙は主に越前奉書紙や鳥の子紙といった高級な加工原紙が用いられてきました。
その美しい原紙に王朝文化の流れを汲む文様が描かれたものが好まれていました。

ただ、どれも同じような文様で描かれてきたわけではありません。
使用する人や建物に合わせてデザインされ、造られてきたものです。
茶人に好まれるもの、公家に好まれるものなどさまざまな文様がデザインされ使われてきました。
現在にデザインされたような斬新な文様のものもあります。
このようなものは、和モダンな住まいのもってこいですね。

京唐紙は現在見直されている

京唐紙は、様々な壁紙や欧米文化が主流になったことから、一時あまり姿を見なくなりましたが、最近になって静かなブームが起きています。
料亭や旅館をはじめ、さまざまな和風・洋風の建物の内装に使われたり、一般住宅にも部分的に使われたりしています。
それは「和」の伝統文化が再度見直されてきていることが理由ではないでしょうか。

和の伝統文化はとても繊細で美しいものです。
京唐紙は、京都を代表する伝統工芸品です。

イギリスの伝統工芸のウィリアムモリスの壁紙が、今でも世界中で好まれて使われています。
一方京唐紙も現代の住まいに使うことで、歴史や文化を感じられる空間を演出することができます。
「古い伝統を新しい感性で使う」身近に優れた素材がありますが、現代にいかしたいですね。