コラム一覧

住まいとエコロジー

エコロジーとは

最近よく耳にする「エコロジー」という言葉の意味をご存知でしょうか。
本来エコロジーとは生態学との意味なのですが、現在は「自然環境を保護しながら人の生活と自然との共存を目指す」という意味で使用されています。
現在地球温暖化が問題視されている中で、エコロジーを念頭に置いた住まいづくりはまさに理にかなうものです。
京都府や京都市では地元産の木材を使用したエコロジー住宅を推奨しています。
エコロジー住宅は決して贅沢なものではありません。
自然環境を守りながら自然の力を最大限使用するものです。
太陽の光、通風、地熱など偉大な自然の力を住まいに取り入れることで、より豊かな暮らしができるのです。

住まいにとってのエコは

自然環境を考えた(自然に順応した)住まい、それが「住まいにとってのエコ」です。
ただ、自然環境だけを考えてしまうと住みにくい家となってしまうので、人にとっても快適な住環境であることも大切です。
省エネ性に優れていること、そして自然の力を最大限に生かしていることがエコ住宅ではないでしょうか。

京都市では環境に配慮した住まいを推奨しています。
当社でもエコを最大限に考えた住まいのあり方をご提案しています。
住まいにとってのエコは今後人の暮らしにとって最も大きな課題になるのではないかと考えています。

自然重視+設備機器

「自然と共に暮らしていく」それが自然環境と向き合いながら生きていくことではないでしょうか。
エコ住宅と言うとソーラーパネル付き屋根住宅など、人工的な機械に頼る住まいを想像する方は少なくありません。
高度な技術により、そういったさまざまな機械や材料が開発されてきました。
まず自然をいかしその上で足りない部分は設備や機器で補うという形がいいと思います。
なるべく環境に負担をかけない住まい、
そして自然と人とが助け合いながら生きてゆくこと、それが本当の目指すべき形ではないかと思います。

これから必要とされる住まいのエコとは

これまでは機械に頼る省エネ住宅が一般的でした。
しかしこれからはそうではなく、人が自然環境に合わせる住まいであることが必要です。
光をなるべく取り入れ風通しの良い間取りにすることや、地元の木材で家を建てることなど機械に頼らずともできるエコでもあります。
また、そういったエコ住宅ならば余計なメンテナスやランニングコストも少なくてすみ、自然だけでなく暮らす人にとっても利点があります。
これから必要とされるのは、自然にとっても人にとってもエコであることではないでしょうか。
それを私たち竹内工務店は「住まいづくり」を通して、皆様と考え実行していきたいと思っています。

平成の京町家

平成の京町家

京町家と言えば、京都を代表する歴史的建造物と認識されている方がほとんどです。
しかし「平成の京町家」と呼ばれている新しい形の町家もあります。
従来の京町家と平成の京町家は同じ町家と名付けられていますが、どこが違うのでしょう。
いわゆる京町家は1950年以前(戦前の建築基準法制定前)に、伝統的木造軸組構法(石場建て・柔構造)で建てられた木造家屋を指しています。
この定義は京都市が定めたもので、1950年以降に建てられたものは基本的に京町家には該当しません。
戦後、建築基準法制定後に耐震の基準が定められ、
コンクリート基礎と土台と金物での緊結など金物を多用して構造基準を満たす形の在来軸組工法が
形作られ、全国一律にこれらの工法で建てる建物の形へと変わってゆきました。
一方、平成の京町家とは伝統的な京町家の知恵と、現代に求められる基準(耐震、省エネ、地域材使用)を満たした新しいタイプの京都型エコ住宅のことです。
京都の気候や風土、文化に根付き、暮らし方までも含めていることが、「平成の京町家」の定義です。
京町家の良さを取り入れながら、現代に要求された新しい基準で建てられた住宅は、京都ならではの建物だと言えるでしょう。

省エネ住宅との相違

平成の京町家は環境に配慮したつくりなので、省エネ住宅であるとも言えます。
いわゆる省エネ住宅は全国的に普及してきていますが、京都においては単なる省エネ住宅を平成の京町家の基準としているわけではありません。
長い歴史のなかで築かれた京都独自の文化を活かし、町並みになじむこと。
そして四季の変化を暮らしに取り組みながら、自然や町、人々と関わり、省エネルギーであることが平成の京町家の特徴です。
平成の京町家はただ省エネであるというだけではなく、文化と町、人々の暮らし方に重きをおいており、そこが一般の省エネ住宅との違いと言えます。

気候風土適応住宅

現在、地球温暖化の問題もあり日本においても次世代の省エネ基準が定められ全国的に一律同様の基準で省エネに対処するように求められています。
しかしながら、日本の北から南の気候の異なる土地において気候風土の地域差がかなりあり、全国一律の省エネ基準では推し進められないのではと言う意見がでてきています。
日本の中でも土地柄によって建物の形や使われている素材、材料等一律ではありません。
それらは、その土地の気候や風土に適応する形で、又近場で手に入る材料や素材で作られてきています。
それらが、日本の原風景や町並みを作ってきました。
京都においても京町家の平入下屋の軒が連なる景観は独自のものです。

それら独自の地方におけるそれぞれの建物の特徴を活かしたものも省エネ型住宅の中で認めようというのが、気候風土型適用住宅です。
その気候風土型適応住宅策定の基になったのが、京都の文化や町並みにとけこむ暮らし方までも抱合して作られた平成の京町家であります。

これからの京の住まい

住まいの形はそれぞれですが、平成の京町家は新しい京の住まいの形として徐々に認識され、普及されつつあります。
従来の京町家をリノベーションする方も増えていますが、京都で新築をお考えの方々にご提案しているのが平成の京町家です。
弊社は歴史ある土地で京都独自の住まいの形を知り、住まいづくりを続けてきた工務店です。
歴史的な京町家はもちろんのこと、その歴史と伝統を受け継いだ平成の京町家は新しい京の住まいとして最良のものだと考えています。
現代ならではの快適な住まいと、京の伝統を融合させた平成の京町家はまさに当社の住まいに対する想いと同じです。
これからの京の住まいを支える一員として、平成の京町家をご提案させて頂ければと考えています。

京町家と古建具

古建具について

日本家屋の住まいに欠かすことのできない木製の建具。
日本の家の機能性と汎用性の高さは、引戸文化である日本の住宅の木製建具によるものでもあります。
建具と言えば、格子戸をはじめ、板戸、ガラス戸、障子、襖などさまざまな物を指すのですが、現行で作られている既製品の建具よりもある意味重宝されているのが「古建具」です。
古建具から日本の文化や歴史を感じることができるのは、それを手がけた建具職人さんの丁寧な手仕事がそこに残っているからではないでしょうか。
手仕事の良さが残る質の良い古建具が比較的に安価で購入する事ができる、又そういう店があるのも京都ならではかもしれません。
現在の既製品の建具からは、どうしても古建具が持つ深い味わいは感じることができません。
町家の持つ風格や歴史を感じたいのであれば、京町家のリノベーションにはやはり古建具が最適なのだと思います。
古き良き時代を感じることのできる京の古建具。
それは今も、そしてこれからも、京町家とともに京建具は後世に受け継がれていくべきものでしょう。

夏の建具

建具にはさまざまな種類がありますが、その一つに夏用の「簀戸(簾戸)」といわれる建具があります。
その名の通り簾をはめ込んだ風を通す夏の建具です。
全国的に「夏の建具」を使用しているのは主に京都です。
京都は盆地なため、夏は非常に暑く、それを和らげるために夏の建具が使われています。
高温多湿の京都の夏の暑さを少しでも和らげるための先人の知恵です。
京都では京町家を中心に昔から「建具替え」がおこなわれてきました。
建具替えとは住まいの衣替えのことで、だいたい6月に夏建具に替えていました。
床の畳の上に藤あじろを敷くのも衣替えのひとつです。
現在も京町家を中心に夏になると夏用の建具に「衣替え」をおこなっているところもあります。
又、これらの簾戸の古建具もたまに市場にでてきますので、寸法が合えば使ってみたいですね。

現在の既製品建具は

現在の既製品建具は昔よりもバラエティー豊かなものが揃っています。
特に洋風は、色や柄の種類の多さは目を見張るものがあります。
ただ、現在の既成品の建具というのは窓枠とドア枠と一体になった工業製品の建具であり
その中味はMDF下地に均一なシート張りの枠材と建具材等です。

色や形状は希望に合ったものを選ぶことができますが、素材は選べません。
注文住宅といえども既製品の建具を使う所もあり、オーダー建具を使う所もあります。
(弊社では、新築改築を問わずに建具枠は無垢材で建具もオーダーが標準ですが。)
京町家にはやはりそれに適した古建具を使って、
「古くてモダンな京町家の住まいを実現することも可能です。
現在、日本の伝統家屋「京町家」をリノベーションして快適に生活される方も増えています。

京町家では古建具と古畳は入替できる

皆さんは「京間」をご存知でしょうか。
京間に使用されている畳は日本で最も古い寸法のものだと言われています。
安土桃山時代に考案されたと伝えられており、京都を中心に中国地方、九州地方、近畿地方で現在も使用されています。

畳(6.3尺x3.15尺ー1910×955)を基に柱割りをしているのが京間です。京間である京町家は、畳(昔の)は和室のどこに持っていっても使えるという利点を持っていました。
そして木製の建具もそうです。
畳と寸法とともに建具も巾が決まっており、高さも5.8尺前後の物が多くてどこにでも使い廻しができました。
京町家において使われていた寸法の決まった木製建具。それらの木製建具の既成品があったくらいですから。

合理的な京都人ならではでしょうか。平安時代の貴族の住宅の様式の建物を寝殿造りといいますが、その建物では畳を全面に敷き詰めるというのでは無くて板床が一般的であり
畳は貴重品で、そのときは畳をもって移動したといわれていますが、
そこから京間ができたのでしょうか。

畳の話に戻りますが、
昔ながらの京間の和室は大きなサイズの畳ですが、最近は小さな畳(半帖たたみ)を使用したりとモダンな和室が流行っています。

リノベーション工事自体内容も千差万別ですが、最近は和の良さを見直した新しいモダンな和室へのリノベーション工事も増えています。
住まい手の個性をいかし、設計者の経験豊かなアイデアをいかし作られた住まいは見ていても楽しいですね。

SE構法

SE構法とは

現在注目されている「SE構法」とは、木造集成材と特殊金物を用いた耐震に優れた建築構法のことです。
もともと、鉄骨造やRC造の住宅・建物において主流だったラーメン構造(剛構造)を、木造住宅に取り入れたのがSE構法です。
このSE構法は、鉄骨造になぞらえてを木骨構造と呼んでいます。
ラーメン構造は基本的に鉄やコンクリートといった強度の高い材質に適合した構造なので、木造建築に取り入れることは難しいはずでした。
しかし、現代の建築技術によりSE構法で木造建築(住宅)にも取り入れることができるようになり、注目を集めています。
日本は地震大国とも言われるように、小さいものを含めるとかなり頻繁に地震が発生しています。
また南海トラフ地震をはじめ、いつ起こっても不思議ではない大きな地震がいくつも予測されています。
近年でも、すでに家屋が倒壊するような大きな地震が各地で起こっています。
しかし、耐久性の優れた鉄骨造りの家だと木造の家に感じる独特のぬくもりなどは感じにくく、日本人が住みたいと思う家からはかけ離れたものとなります。
SE構法は住む人が木のぬくもりを感じられると共に、大きな地震に耐えられ高い安全性を確保できるような木造住宅を現実のものにしました。

SE構法の利点

SE構法の一番の利点が『構造強度の高い信頼性』です。
従来の木造軸組み構造の大きな弱点となっていた接合部を特殊金物で接合することで、木造住宅でも高い構造強度が実現しました。
また、柱と土台の緊結部分を特殊金物で接合することでより強度の高い木造住宅が実現します。
今まで鉄骨造の住宅はあまり自由度の高い間取りができないことが難点でした。
SE構法なら、鉄骨造の高い強度を持ちながら広いスパンをもつ大きな空間をとることができ、自由度の高い間取りを設計することができます。
そしてさらにもう一つ、大きな利点があります。
それは『保証会社の保険料が格安になる』ことです。
SE構法はかなり利点の多い建築構法と言えます。

どんな用途の建物にむいているの

SE構法は、自由な間取り設計ができることでも知られています。
ただ、これまでの木造の建物の場合、広々とした空間を持つ建物にすると強度が低くなる危険性がありました。
在来の木造建築では、梁成や柱間などから2間(4M)までのスパンが標準最大の寸法でそれを超える場合は無理があります。
しかし、SE構法を使えば建物の強度が高く保ちつつ、木造で大空間を実現することができます。
そのため、ダンススタジオやスクールなど大勢が集まるような用途の建築に向いています。
商業施設や店舗等です。もちろん一般住宅にも使用できます。
広々とした住宅から狭小住宅まで、幅広く対応することが可能です。
例えば土地が非常に狭く、三階建ての住宅を建てた場合には、その一階部分を壁無しの車庫にしても耐震性をきちんと確保できるので、
そのような場合はSE構法はおすすめです。
これまでそういった一階部分を車庫にすると、十分な壁量が確保できないので狭小住宅の場合は鉄骨造が多かったです。
耐震強度と、自由な間取りが必要な建物にSE構法は向いています。

SE構法の施工は

弊社は京都で明治42年に創業した歴史と実績のある工務店として、地元を中心に木の家注文住宅を建築しています。
そんな弊社はSE構法登録工務店となっております。
SE構法を使用する注文住宅においては「SE構法登録工務店」(技能講習を受けた技術者を擁して)の登録をした工務店しか建てることができません。
弊社は「京の木で家づくり」を合い言葉に、地元の林業家と共に、家のつくり手の顔が見える木の住まいづくりをおこなっています。
自然の中で育った地元産の木材を中心に使用し、温かみのある家作りをおこなっています。
そんな従来の木造住宅にSE構法を加えることで、より丈夫で強度の高い住宅を建てることができます。
SE構法を取り入れた住まいづくりでも、世代を超えて住み継げる家づくりをお手伝いをしていきたいと考えております。

紅殻(ベニガラ・紅柄)

紅柄とは

紅殻とは「弁柄」とも呼ばれています。
元はインドのベンガル地方でとれる酸化鉄を含んだ赤茶けた土から採取されて作られた塗料から語源がつけられたともいわれています。
紅殻は昔から日本でも民家に多く使われています。
主に住宅の木部や壁や瓦(一部の地方)に、現在でも紅殻を使った民家等にその文化は残っています。
京都では、主に京町家で内外部の木部に紅殻に煤を混ぜて黒く着色したものを塗布しています。
ただ、現在は純粋な紅殻は少なくなり合成されたものが多く使用されています。

紅殻の色

紅殻は基本的に濃く赤みの強い茶褐色ですが、地域によって使われる色味が異なります。
一般的に北陸は赤味が強く、飛騨高山は黒味が強い、そして京都はその中間色となっています。
紅殻には等級があり、それぞれ色味・発色に違いがあります。
地方によって何を混ぜるかもさまざまで、混ぜるものによって色味が変わります。
水や油を混ぜるのが一般的ですが、あえて古い色合いを出すために柿渋を混ぜる場合もあります。
ちなみに、JIS(日本工業規格)の色彩規格では「暗い黄みの赤」と表記されています。

特徴、利点

紅殻は昔から日本の暮らしに根付く顔料で、主に家屋の木部に使用されてきました。
他にも多くの顔料があるのに、なぜ紅殻が使用されてきたのでしょうか。
木部の保護が目的で耐光性、耐候性、耐熱性にすぐれ、防虫、防腐に優れているからです。又紅殻塗装することで下地の材料(の節の等の良否)が見えなくなるため
材を選ばないといったこともあります。
こういった利点があるため、家屋の木部や壁などに昔から使用されてきました。
家屋の木部に塗れば、耐候性がますとともに太陽の光による色あせや劣化も抑えることができます。
又表面を保護しているので汚れにくくなります。
防虫、防腐の機能を持った顔料は他にもありますが、シックハウス症候群の原因になることが危惧されています。
しかし、紅殻は天然素材であることから人体に影響を与えにくいとされています。
だからこそ昨今では紅殻が改めて見直され、再び家屋(特に京町家のリノベーション)に使用されるようになってきています。
また、家屋以外にも繊維製品への染色などにも使用されるようになりました。

京町家と紅殻

今再び注目されている『京町家』。
歴史的建造物という点だけでなく、その伝統的な建築技法も注目されている理由の一つです。
冒頭でも少し述べましたように、京町家の木部には紅柄が使用されています。
それは表の出格子やその他木部に使われており、色味も目立つので紅殻は京町家の大きな特徴と言えます。
京町家の格子は機能としても優れています。
光を取り入れながらも外から中が見えにくい構造になっているため、主に表の接道部に用いられています。
普通の格子で塗装されていない材は腐りやすいのですが、紅殻を塗ることで長年きれいな状態のまま保つことができます。
(もちろん手入れも十分なされていますが)
このように京町家の格子には紅殻が使用されていることから『紅殻格子』とも呼ばれています。
京町家が当時のままきれいな状態を保っているのは、ある意味紅殻も一躍かっているかもしれません。
紅殻格子の付いている京町家を見れば、昔の人の知恵というのはとても素晴らしいものだと感じますね。