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住宅の外装材について(焼杉板等)

外壁には紫外線や雨風、暑さ、寒さなどの外部環境から住まいと暮らしを守るはたらきがあります。
耐久性、遮音性、断熱性などの機能性を兼ね備えているほか、外壁は建築物の外観を決める大切な要素にもなります。
昔は外装材に自然素材が使われてきましたが、今では様々な素材が用いられています。

外装材を決めるときは用途だけでなく、外観のデザインや景観との調和も考慮して取り入れることが大切です。
外装材の施工方法は主に乾式と湿式があり、その他にも様々な方法があります。
この記事では工法と外装材の種類の特徴をご紹介します。

外装材のいろいろ・乾式(鉄板型、窯業系)

乾式は水を使わずにサイディングを用いる工法です。
サイディングは工場で生産されだボードやパネルを組み立てることで外壁を作ります。
合板に防水シートを貼り、胴線を打ち付け、金物でサイディングをかけたり、釘で打ち付けたりします。
工材が工場で生産されるため品質が一定でなので、工期が短いところがメリットとして、多くの住宅に取り入れられています。

乾式にはアルミやステンレスなどの金属を使った鉄板型とセメントを用いた窯業系などがあります。
鉄板型のサイディングは金属板と断熱材や遮音材を組み合わせたものです。
他の外装材よりも軽量で建物に負担がかかりにくくなっています。
シャープでモダンなデザインのものが増え、曲げ折り加工を施すこともできます。

窯業系はセメントを主原料として高圧形成したものです。
色合いやデザインは様々で、レンガやタイルのような外観のものや割石風があります。
窯業系は重量感があり、防火性と耐久性に優れています。
弱点は水で裏から雨水などが入るとサイディングに亀裂が入る畏れがあるため、防水対策が必要です。
窯業系に類似したサイディングにセラミック系サイディングもあります。
自然の土を約1300℃で焼成して作る陶磁器タイルを使います。
セラミック系サイディングは性能が高く、色あせが少ない外装材です。

外装材のいろいろ・湿式(シックイ等)

湿式は水を混ぜた材料を塗りつける工法です。
日本建築の伝統的な壁仕上げは湿式で、表現力が高く高級感のある外観になります。
色を選べて造形の自由度があり、融通が利きやすいところが利点です。
模様をつけたり、吹き付け仕上げをすることで、意匠を凝らすことができます。
モルタルを下地にして、左官材を塗ったり、タイルやレンガなどを貼り付けます。

伝統的な漆喰は消石灰が主原料で、砂や藁をつなぎとし、のりと水を混ぜて練ることで作られます。
表面が滑らかでヒビ、亀裂が入りにくい仕上がりになります。
水や湿気に弱いところが難点で、雨がかかりにくいところや軒下の外装材に適しています。
また、乾式と比べるとどうしても工期が長くなり、費用もやや高めです。

外装材のいろいろ・板張り

京都では昔ながらの檜や杉などの無垢材を使用した外壁が増えています。
防火上の制限があるため、全て板張りにすることは難しく、上壁を漆喰壁などにして腰壁を板張りにされたりしています。
木材は暖かみのある表情を楽しむことができ、時間の経過とともに風合いが増します。
外装材の劣化が起こったとき、取り換えしやすいところも利点です。

他の外装材で張替えを行う場合、素材が廃盤になっていることがあります。
同じ素材がないと類似品を探すことになり、継ぎはぎになってしまうと外観が良くありません。
板張りは天然素材で廃盤になる畏れがないため、修復しやすい点がメリットです。
また、外装材によっては修繕の際に全て取りはずしが必要なこともあります。
外壁の張替えを全体的におこなうと、数百万円を要することもあり非常に高額です。
板張りは部分交換できる外装材なので、メンテナンスコストが安く済みます。

外装材のいろいろ・焼杉板(近年見直されてきている)

板張りの素材の中でも近年焼杉板の人気が高まっています。
焼杉板は滋賀県以西の地域で普及した伝統的な技法で、西日本や瀬戸内沿岸地域で多く見られます。

焼杉板は杉板の表面をバーナーで焼いて作成し、黒っぽい色をしています。
表面が炭化しているため、耐久性と耐候性に優れています。
炭化部が層になることで断熱効果と防虫効果もあります。
深みのある黒色がモダンな和風建築に馴染みやすく、焼杉板は外装材として用いられることが増えています。

そよ風(屋根集熱型ソーラー)

ソーラー設備機器の色々(給湯器型、電気変換型、蓄熱型、床暖房)

化石燃料に代わるエコでクリーンな新エネルギーが近年注目されています。
太陽エネルギーもその1つで、その利用方法は大別して2つあります。
太陽光発電と太陽熱利用です。

太陽光発電は電気変換型とも呼ばれます。
熱を電気に変換することで、通常の電力と同じように使用できます。
変換効率はやや低く、太陽エネルギーの15~20%が電力になります。
電気変換型を利用する場合、P型とN型の2種類の半導体が取り付けられています。
P型はプラスの電子を引き付け、N型はマイナスの電子を集めます。
半導体に光が当たることで電子が発生し、P型とN型の半導体に電子が集まり、電池のようにプラス極とマイナス極の役割を果たします。
この仕組みでは直流になるため、パワーコンディショナーなどで電気を交流に変換して電力利用します。

続いて太陽熱利用は、熱をそのまま利用する仕組みで、太陽エネルギーの約40%を活用することができます。
太陽熱を利用したシステムには、太陽熱温水器とソーラーシステムがあります。
太陽熱温水器は集熱部とタンクが一緒になった簡単なシステムです。
ソーラーシステムはさらに液体式と空気式に分けられます。
液体式は屋根上にあるパネルに細い銅管が走っていて、不凍液が流れています。
太陽で熱せられた不凍液がポンプの力で地上に設置された蓄熱層のタンクへ移動します。
蓄熱層では熱が蓄えられ、その熱でお湯を沸かして給湯器から暖かいお湯が出ます。
空気式は屋根に設置したパネルが高温に達し、暖められた空気が屋根裏にある送風機で床下に送り込まれます。
冬の床暖房や給湯に使われます。

ソーラーハウスのいろいろ

ソーラーハウスとは、太陽熱を利用できるシステムを兼ね備えた家のことを指します。
ソーラーハウスにはパッシブソーラーハウスとアクティブソーラーハウスがあります。
パッシブソーラーハウスはpassiveという名前の通り、受け身で太陽熱を最大限に取り入れて逃さない構造になっています。
広く大きな家に向いていて、家の中の熱容量を大きくすることで太陽熱を保存します。
パッシブソーラーハウスを建てるには窓ガラスを大きくするほか、家を南向きの場所にすることが必要です。
また、窓ガラスを波長選択性のあるガラスにしたり、熱が逃げないように樹脂や木材を用いた建築材料を選ぶ工夫が求められます。
悪天候や日照がない場合は補助暖房装置を利用します。

次にアクティブソーラーハウスです。
アクティブソーラーハウスは屋外に集熱装置を設置します。
太陽光の熱を集めて蓄えることで利用できます。
パッシブソーラーハウスは家の広さと南向きの立地が必要でしたが、アクティブソーラーハウスは小規模な家でも実現でき、立地を気にしなくても良い点がメリットです。

そよ風とは(システム)

そよ風とは太陽エネルギーを利用したソーラーシステムの1つです。
屋根で集熱をおこなう点では、太陽光発電と似ています。
そよ風は金属屋根で空気を温めたり冷やすことで室内に空気を取り入れます。
冬は床暖房になり、夏は冷たい空気を送り出すため、1年を通して快適に過ごすことができます。
日本の気候と木造建築の技術を活かしたシステムで、自然の力を最大限に使って室内の温度環境を整えます。

そよ風は外気が取り入れられて空気が流動的なため、新鮮な空気を送ることができます。
夏の日中は屋根上が高温になりますが、排気熱が室内に入り込まないようにダンパー板が閉じています。
屋根上では排気ファンで排熱がおこなわれています。
夏の夜は日が落ちて涼しくなり、金属屋根が冷たくなります。
そよ風は放射冷却現象を利用して、冷たくなった外気を室内に取り入れます。
爽やかで心地良い風です。
冬になると朝から日中にかけて、日差しで金属屋根が暖められます。
温度が高くなると温風が取り入れられて床下に蓄熱されるため、家の中を隅々まで暖めることができます。

そよ風の利点

そよ風の良いところは、日本の建築様式と気候に適したソーラーシステムであることです。
住宅の密閉性を高めて室内を冷却し、保温するだけであれば、そよ風を使わなくても簡単に実現できます。
気密性・断熱性の高い新建材を用いて家を作ればローコストで良いのではないかと思う方もいらっしゃることでしょう。

しかし、新素材や塗料、接着剤には化学物質がたくさん使用されているため、室内の空気が汚染されて滞留しやすくなり、シックハウス症候群を起こすことがあります。
その点でそよ風は自然素材を用いた住宅に適していて健康的です。
外気を取り入れて空気が循環しているため、風通しが良くなり湿気やカビなどを予防することもできます。
また、そよ風は二酸化炭素の排出量も少ないため、自然環境にも優しいシステムです。
さらに冬になると通常住宅内で寒暖差が出てきます。

日本では冬にヒートショック現象を起こし、命を落とす人が高齢者を中心に1万人以上います。
ヒートショック現象とは、気温差がある場所に移動することで急に血圧が変動して身体に起こる影響のことです。
高血圧や動脈硬化などの症状があると脳卒中や心筋梗塞などを引き起こしやすくなります。

そよ風は床下から家の隅々まで暖めるため、陽当たりの良くない北側の部屋やトイレ、脱衣所など冷えやすい場所でも快適に過ごすことができます。
そよ風は環境を配慮した日本の暮らしに適したエコなソーラーシステムであると言えます。

(住宅の)プレファブリケ―ション

プレファブリケ―ションとは

戦国時代に木下藤吉郎(後の豊臣秀吉)が、岐阜長良川の墨俣に築いた墨俣城(別名一夜城)をご存知でしょうか。
長良川に突如としてあらわれた(築かれた)一夜城が墨俣城です。
これもプレファブリケーションで造られたというのは有名な逸話です。

プレファブリケーションとは、建物の部材をあらかじめ工場で製作・加工し、建築現場でその部材を組み立てて建物をつくることです。
「プレハブ」という略称で呼ばれることもあります。
プレファブリケーションの歴史は18世紀の植民地時代に始まり、植民地に住宅や公共性の高い建物を建てるためにヨーロッパ各地で広まりました。

当時のプレファブリケーションは、木材をカットしたものを船で植民地まで輸送し、組み立てていました。
日本へプレハブ建築が流入したのはそれからもっと先の1940年頃です。
ドイツの乾式組立構造の影響を受けて、日本の建築家が設計に取り組みました。
木製のパネル材を作り、基礎工事をした上につなぎ材を置いて、床パネル、壁パネルなどの木製パネルを組み立てるものでした。
その時期はちょうど戦後で住宅不足を解消するために大量生産化が進み、建材を工場生産するようになりました。
戦争の影響を受けて建物の耐久性や不燃性を追求したコンクリートのプレハブの開発も合わせて進みました。
本格的にプレハブ建築がしたのはそれから約20年後の1960年以降です。

プレハブと言えば、仮設住宅や仮設事務所など臨時用の建物を想像される方も多いと思いますが、工場、住宅、学校、倉庫、飲食店などにもプレハブは起用されています。
2017年に建てられた新築住宅は約96万戸で、そのうちの約14万戸はプレハブ住宅で、全体の14.4%のシェアを占めています。
新しく建てられた住宅の7戸に1戸がプレハブ住宅で、プレファブリケーションは私たちの生活に欠かせない存在です。

プレファブリケーションの利点、欠点

プレファブリケーションは通常の建築物と同様に利点と欠点があります。
まず、利点からお話しすると、プレファブリケーションは構築システムそのものに無駄が少ないことが挙げられます。
プレファブリケーションはあらかじめ工場で建材が加工されて、小規模な組立てを行った状態で施工されます。
そのため、建材の品質にばらつきがなく安定しています。
部品を組立てて必要な加工をおこなうだけなので工期も短く済みます。

伝統的な建築では建物の良し悪しは職人さんの技術に大きく影響されますが、プレファブリケーションの場合、
技術力はさほど問われないため、精度が高い建物に仕上がるところもメリットです。
工期の日数が短期間で建材のコストも明確なので、費用面も安く収まります。
また、近隣の人が工事の騒音などに悩まされることもほとんどありません。

プレファブリケーションの唯一の欠点は融通があまり利かないことです。
建材が規格化されているため、建物の外観や内装、間取りなどを自由にデザインすることができません。
建築にこだわりを持たれる方には不向きです。
また、このような理由でリフォームや増改築も思い通りにできない点もデメリットとして挙げられます。

住宅におけるプレハブ化

日本のプレハブ住宅は1940年頃から設計の取組みが始まり、1960年あたりに普及し始めました。
プレハブとひとことで言っても、工法や建材は様々です。
戸建て住宅向けのプレハブは構造と建材で大きく分けると4種類あり、木質系プレハブ住宅、鉄鋼系プレハブ住宅、ユニット系プレハブ住宅、コンクリート系プレハブ住宅に大別することができます。
どのプレハブも建材を工場生産し、現場に運搬して施工する過程は同じです。
それぞれ特徴やメリットが異なるので簡単にご紹介します。

  1. 木質系プレハブ住宅
    壁、床、柱、梁(はり)など主要な構造部分が木材パネルで作られています。
    梁とは床や屋根の荷重を柱に伝える横架材です。
    材質が木のため、防腐加工や白蟻予防をして組み立てられます。

  2. 鉄鋼系プレハブ住宅
    鉄鋼系プレハブは軽量鉄骨で作られた壁パネルや柱、梁などを組み立てて作る住宅です。
    工場で鋼材をカット・穴あけした建材に防錆加工を施しています。
    断熱効果や遮音性が高く、耐震性もあります。

  3. ユニット系プレハブ住宅
    ユニット系プレハブ住宅では建材の作成だけでなく、床、壁、天井、キッチン、浴室、トイレなどの取り付けまで工場でおこないます。
    ほとんど工場で作業をおこない、大型トラックで現場まで建材を運搬します。
    組み立てがスムーズで、基礎工事を除くと工事が1日ほどで済むこともあります。

  4. コンクリート系プレハブ
    工場で生産されたコンクリートパネルが主要な建材です。
    基礎工事をした後にコンクリ―トパネルの床、壁、屋根などを組み立てます。
    コンクリート系プレハブは耐久性、耐火性があります。
    このコンクリートパネルを用いたプレハブは、戸建てだけでなく、公営住宅や民間マンションにも応用されています。

プレハブ化の未来(今後)

プレハブ住宅は過去10年の新築住宅うち十数パーセントのシェアを占めています。
プレハブ住宅は品質が高く施工期間が短いことから、いろんな用途にも使われています。
遮音性と耐久性もあり、多様なライフスタイルに合わせた居住環境を提供することが期待されます。
また、プレハブのデザイン性についても様々な試みがおこなわれています。
モダンなスタイルや和風建築、リフォームに対応できるプレハブなど既存のイメージを覆すものが少しずつ増えています。

住まいと灯り

日本の灯りと歴史

昔日本には今のような電灯や照明がありませんでした。
灯りの最古の歴史は縄文時代に遡り、木をこすり合わせたり、石を打ち合わせて火を起こしたものを灯りにするところから始まります。
そして、原始的な火おこしから油、松やになどの自然素材を使った灯り、ろうそく、ガス灯、照明の灯りへと次第に移り変わっていきます。
日本の灯りの歴史は諸外国に比べると進展が遅く、大和時代に魚油を使って火をともす灯りが登場しました。
当時火の灯りは貴重であり、神事で特別に使用されるものでした。

奈良時代に入ると、仏教の伝来とともに外国の文化が流入してきました。
油で火を灯すほか、ろうそくを用いるようになりました。
平安時代になると、荏胡麻(えごま)の油も使用されるようになります。
街灯が出てきたのは江戸時代からです。
日没後にも出歩く人が増え、旅人が迷わないようにするために、木灯籠や石灯籠が設置されるようになりました。
植物油を用いた行灯やろうそくなども室内や持ち運び用の灯りとして使われました。
1860年以降は石油ランプも徐々に広まりをみせます。

明治時代になると都市に街灯が置かれるようになり、初めてガス灯が普及しました。
1871年に大阪市の造幣局に日本で初めてのガス灯が点灯し、翌年の1872年には横浜市でもガス灯が作られています。
また、明治維新により欧米の技術が取り入れられるようになり、大正時代には白熱電灯、蛍光灯が使われるようになり、ガス灯は次第に姿を消すようになりました。

昭和時代にさしかかると、現在と変わらない電気事情になります。
LEDの実用化は1990年代以降となりますが、安定して電力供給がある環境になり、非常に便利になりました。

世界の灯りと歴史

続いて世界の灯りの歴史です。
日本と同じように、木や油などの自然素材、ろうそくを用いた後、ガス灯、照明が普及しましたが、日本の灯りの歴史より早い発展を遂げます。
ろうそくは紀元前1500年代の古代エジプトですでに使われていました。
ツタンカーメン王の王墓からは燭台が出土しています。
古代から中世にかけては魚油や植物油などを陶器の器に注ぎ、灯芯を載せて火を灯していました。
捕鯨する地域ではクジラの油も使われています。

1800年代になると目まぐるしく灯りの在り方が変わります。
まずはガス灯の登場です。
1792年にスコットランド人のウィリアム・マードックが石炭を蒸し焼きにすることでガスを発生させてガス灯を発明しました。
当初ガス灯は上流貴族の間でしか普及せず、一般的にろうそくが主流でしたが、1812年に世界初のガス会社がイギリスのロンドンに設立されて欧米にガス灯が広まりました。
それから、1879年にトーマス・エジソンがフィラメントを発明したことにより、白熱電球が実用化しました。
このフィラメントの実用化には日本で馴染みのある素材が大きく貢献しています。
当時、フィラメントは炭化した紙が用いられて、1分程度しか持続しませんでした。
そこで、エジソンはフィラメントとして長時間耐えられる素材を探したところ、竹が適していることに気が付き、京都の八幡男山近隣の竹を使って実験したそうです。
また、エジソンは発電・送電システムの発展にも寄与しました。
続いて1900年代になると蛍光灯が発明されます。
1856年にドイツのハインリッヒ・ガイスラーが蛍光灯の起源を生み出し、1926年にエトムント・ゲルマーが応用して蛍光灯の発明をしました。
1930年にアメリカのゼネラル・エレクトリックがゲルマーの発明の特許を買取り、蛍光灯の発売を開始し、世界中に広まりました。

灯り(照明)の計画

日本と世界の灯りの歴史を辿ってきましたが、現在は白熱灯、蛍光灯、LEDが主に使われています。
住まいやテナントを構え、照明のプランニングする際はそれぞれの特徴を知っておくと便利です。
そこで、白熱灯、蛍光灯、LEDの特徴を紹介します。

白熱灯
黄色味のある温かい電球色です。
電球の寿命は短く、発熱量が多くて電気代が高くなる傾向にあります。
蛍光灯
色は昼光色、昼白色、電球色があります。
電球の寿命は長く、電気代は白熱灯に比べて経済的です。
冬などの低温時になると、明るくなるまでに時間がかかることが欠点です。
LED
色は昼光色、昼白色、電球色があります。
寿命がとても長く、白熱灯の約20倍も持ちます。
電球自体の価格は高めですが、電気代はあまりかかりません。
また、電球が急に切れたり、チカチカと点灯することがなく徐々に暗くなるので、取り換え時期が分かりやすいのも良いところです。
LEDは赤外線や紫外線が含まれていないため、照明で照らされる対象物が傷みにくいメリットもあります。
家屋やインテリアの変色や色褪せを防ぎたいときに適しています。

自然光と人工の灯り

ここまで人工的な灯りについてお話してきました。
しかしながら、自然光もとても重要な役割を果たしています。
建物の場合、日の光がないと湿気がこもってしまい、カビが生えやすくなってジメジメします。
人は日の光を浴びることで、睡眠サイクルを作ったり、メンタルを保つことができます。
太陽の光を浴びないと、気分が晴れずうつ病などにもかかりやすくなります。
自然光は生活リズムを整えて心身ともに健康的に暮らすために大切です。
住まいづくりをするときは陽当たりや採光を意識して、間取りを決めることが重要になります。
自然光が入りにくいときは吹き抜けを作ったり、光を通しやすい白色の壁を取り入れることで工夫できます。
また、人工の灯りも生活に欠かせない存在となってきました。
先ほど灯りの計画で出てきた白熱灯、蛍光灯、LEDを使い分けるほかに、電球の色を効果的に使うことが大切です。
電球の色は主に昼光色、昼白色、電球色があります。
昼光色は寒色で青みのある光で、色温度が高いです。
色温度が高いと活動的な印象を与えます。

昼光色は集中したいときに使いたい色で、勉強部屋や作業部屋にふさわしい色です。
昼白色は3色の中で一番自然光に近い色になります。
肌の色が自然の状態で見えるので、メイクをする洗面室などに適しています。
電球色は温かみがあるオレンジがかった色で、安らぎを与えます。
家族で団らんするリビングや食事をするダイニングに取り入れたい色です。
それぞれ用途に応じて使い分けると有効的ですが、お部屋を様々な場面で使用することもあるでしょう。
その場合、調色機能がついた照明器具を使うと明度を調節できて便利です。
自然光、人工の灯りはいずれも私たちの生活に必要不可欠なので、上手く取り入れられるようにしましょう。

建築協定について

建築協定とは

建築協定とは、街の環境を保全するために建築基準法の制限よりさらに厳しい基準が定められたものです。
建築基準法第69条には「市町村は、その区域の一部について、住宅地としての環境又は商店街としての利便を高度に維持増進する等建築物の利用を増進し、
かつ、土地の環境を改善するために必要と認める場合においては、土地の所有者及び借地権を有するものが当該土地について一定の区域を定め、
その区域内における建築物の敷地、位置、構造、用途、形態、意匠又は建築設備に関する基準についての協定を締結することができる旨を、条例で定めることができる。」
という内容が規定されています。

建築基準法は全国を対象に一般的で最低限度の基準を定めたものですが、建築協定の場合はさらに良好なまちづくりを目指して、
地域住民が自発的にルールを決めてお互いに守るように制度化したものです。
建築協定で決めることは、建築物の制限、協定が及ぶ区域、有効期限、建築協定違反があった場合の措置です。
建築協定を制定するには、準備委員会を発足し、土地の所有者等の住民が協定の内容に合意した上で認可申請書類を市町村などの自治体に提出します。
そして、認可申請が受理されたら、書類の縦覧・公聴会の公告が行われて、公述人選定をして公聴会が開かれます。
公聴会では建築協定の認可について直接意見を聴取し、その後特定行政庁の認可を受けて成立します。
建築協定は申請から認可まで数カ月ほどかかります。
また、協定の内容を更新する場合も同じ手順で行われます。

町並みを整える

建築協定があると建築基準法よりも厳しい制限が加わることになります。
敷地、位置、構造、用途、形態、意匠について基準を定めることで、町並みや住環境を整え、住みよいまちづくりをすることができます。
地域の課題や目標に応じて項目を細かく決めるため内容は様々ですが、それぞれの項目の具体例を挙げてみます。

敷地
敷地の最低面積、分割の禁止など
土地が細分化されると建物が密集してしまいます。
無秩序にスプロール化する開発が行われるのを防止し、プライバシーの保護、防災にもつながります。
位置
敷地境界線からの壁面後退など
プライバシーや日照権の保護になります。
構造
建築物の素材、耐火性など
火事、地震などの災害時に被害が広がらずに済みます。
用途
住居専用住宅に限るなど
用途を指定することによって住環境を整え、地域に調和したまちづくりができます。
形態
高さの制限、建ぺい率など
高い建物で断つことで陽当たりが悪くなったり、圧迫感が出てしまうことを予防できます。
意匠
建物の色、屋根の形状など
統一感がある町並みになります。
建築設備
水洗トイレにする、アマチュア無線アンテナの禁止など
町並みの景観や環境に配慮できます。

これらはほんの一例になりますが、地域の実情に即した協定内容が定められます。
厳しすぎると合意を得にくくなりますが、地域住民が主体となって建築協定を決めるとやりがいがあり、
実際に住んでいるからこそ必要なルールを真剣に考えることができます。
住民で意見を出し合って決めた協定を互いに守ることで、町並みを整えることにつながります。

町並みを整えてきた歴史(街道)

街道は場所と場所をつなぐ交通路として発達してきました。
人が道を行き交い、物資が運ばれるのは今も昔も変わりません。
日本の歴史上、交通路が整備され始めたのは、飛鳥時代の頃です。
天皇を中心とする統一政権の誕生により、地域間での交流が生まれました。
日本最古の官道である竹内街道や山辺の道、長尾街道が整備されました。
大化の改新後は律令制度が実施され、京の都を中心に各地方の国府を結ぶ五畿七道ができました。
中世に入ると仏教信仰が盛んとなり、寺院が数多く建立されて、寺院への交通路も整備されました。
鎌倉時代に入ると鎌倉にも政権が置かれ、それまで政権が一極化していた京と鎌倉を結ぶ通路が必要となり、鎌倉街道が整備されて宿が経済の中心地に発展しました。
室町時代も鎌倉時代と同様に街道は流通が盛んで都市として栄えました。

江戸時代になると、幕府が直接管理する五街道が整備されました。
政治色もありましたが、物品の運搬や流通のほか、一般庶民が旅行、観光などでも利用するようになりました。
そのため、街道には並木が植えられて美化が進み、街並みが整えられました。
近代以降になると国道や高速道路、鉄道が整備されるようになり、現在に至ります。
旧街道はその時代の統治機構や通路として機能するだけでなく、歴史上重要になった拠点でもあり、地域の文化や景観を形成する役割を担ってきました。

景観、街並みを意識して

建築協定には自然や歴史的な町並みを残したり、統一的な景観が保たれるほか、地域の特性を活かして観光客が増えるなどといったメリットがあります。
歴史的な街並みの保全、整備は行政が主体となって活動しても、その効果は十分ではありません。
住民がまちづくりに積極的に参加し、行政と一体となって協働することが大切です。
建築協定には有効期限があり、地域のあり方や環境の変化に応じて協定内容を見直すことができます。
有効期限は自由に定めることができますが、長すぎると状況の変化に対応できず、短すぎても協定の内容を活かすことができないため、有効期限は適度な期間を設けることが必要です。

京都市では有効期限を10年にしている地域が多く、自動更新したり、改定を行ったりしています。
建築協定を通じてまちづくりに参加することは、地域の歴史、特性を理解することや活性化にもつながります。
将来的には次世代に地域の景観、街並みが継承されることが期待されるでしょう。