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和紙とクロス

和紙とクロスの特徴

壁に貼る壁材として最近需要が高まっているのが和紙です。
一般的な和紙ではなく主に「和紙クロス」と呼ばれ、壁材用に作られています。
和紙クロスは意匠(デザイン性)と機能性(調湿性)に優れています。

質感は非常に良いのですが、伸縮性に乏しいため、施工が難しいと言われています。
ビニールクロスなら汚れてしまった際に拭き取ることができるのですが、和紙クロスはそれが難しいです。
下地の凸凹も目立ちやすいので職人の技量が試されます。
一般的なクロスはさまざまな柄があります。

現在日本で流通しているクロスのほとんどがビニールクロスです。
以前は布クロスが一般的でした。
ただ、ビニールクロスに含まれる物質がシックハウス症候群に原因になる可能性があるとされ、最近では布クロスが再び注目されています。

ビニールクロスはバリエーション豊富で価格帯も比較的安価です。
貼りやすくて汚れ防止の機能性(抗菌作用のあるものもあり)に優れているのが特徴です。

和紙の種類と効用

壁や天井に和紙を貼ることで和のデザインをいかした落ちついた空間に仕上がります。
和紙には調湿性があることをご存知でしょうか。
湿気を吸ったり吐いたりと湿度を調整してくれる機能があります。
日本は湿度の高い国ですから、和紙は日本の機能に適していると言えるでしょう。

そんな和紙の種類には数多くの種類があります。
産地、原料、用途により分類されているため、数千種類もあると言われています。
ただ、原料によって分類されることが多く、代表的なものが以下になります。

  • 楮紙(コウゾ)
    クワ科の植物を原料として作られています。
    全国各地で生産されている最も馴染みのある和紙です。
    表面が粗く丈夫なため、絵画、書道、障子紙などさまざまな分野で用いられています。
  • 三椏紙
    三椏(みつまた)と呼ばれている植物を原料としています。
    楮紙とは逆に、薄くて滑らかなさわり心地です。
    吸水性に優れているのが大きな特徴で、ハガキや製本によく用いられています。
    また、日本の紙幣の材料としても有名です。
  • 雁皮紙
    雁皮(がんぴ)と呼ばれる植物を原料としています。
    繊維が細いため滑らかなさわり心地が特徴です。
    柔らかな印象がありますが、耐久性に優れているため、印刷物をはじめさまざまな分野で利用されています。

クロスの種類と効用

クロスには幾つかの種類があります。

  • ビニールクロス
    現在、最も多く利用されているのがビニールクロスです。
    9割以上の家屋で利用されているため、常に目にしているのではないでしょうか。
    貼りなおしができるため、施工が比較的簡単です。
    ビニール製なので汚れを簡単に拭き取ることができます。
  • 布クロス
    織物壁紙とも呼ばれているのが布クロスです。
    高級感がある壁紙であり、ホテルや応接間といった高級感を演出したい部屋に利用されています。
    汚れやすく、ホコリを吸収してしまうため、お手入れが少々面倒であるのが難点です。
  • 紙クロス
    名前の通り、紙にプリント加工などが施されているのが紙クロスです。
    素材が紙であるため、非常にデリケートです。(海外では紙クロスが主流です)

木の家の壁や天井に和紙を貼る

一般的には家の壁や天井にはどのようなものを利用されているのでしょうか。
せっかく木の家を建てたのに、一般的なビニールクロスを貼ってしまうのは何だかもったいないような気がします。

そんな木の家の壁や天井に和紙を選ぶことで柔らかで品のある住まいができあがります。
和紙は木の家にしっかりマッチします。
ビニールクロスに比べ少し高価ですが、部屋の空気清浄や湿度調整にも高価があるので人気が高まっています。

和紙を壁や天井に張るには生麩糊などデンプン系の糊を使用します。
漆喰壁等の上からでも貼ることができるので、リフォームの際に取り入れることも可能です。

木材の樹種について

針葉樹と広葉樹、それぞれの特徴

住宅に使用する木材の樹種には針葉樹と広葉樹があります。
針葉樹と広葉樹は見た目に大きな違いがあります。
広葉樹は葉っぱが広く、針葉樹は葉っぱが細いのが特徴です。

【針葉樹】
針葉樹は木目がまっすぐに通っており、材質が柔らかいのが特徴です。
そのため、加工しやすいと言われています。
針葉樹の代表がヒノキやスギ、アカマツ、ツガです。
【広葉樹】
広葉樹は木目が複雑に変化しており見た目にも美しいものが多いと言われています。
材質は堅くて重いため、加工しにくいのですが、その分材が密で硬いのが特徴です。
広葉樹の代表がケヤキやミズナラ、クリ、クスノキです。

いろんな樹種と特徴

【針葉樹】

  1. スギ
    日本特産のスギは、建築用木材として日本では古来から幅広く使われています。
    日本各地に植林されています。
    スギには多くの地域品種があり、種類によってその材質が異なります。
    割裂性が良いため、角材から板材まで作ることが可能です。
    杉の材はピンからキリまでで、数寄屋建築にも杉材は多用されています。
  2. ヒノキ
    日本各地で多く植林されている樹種の一つです。
    スギとは違い、高級木材として扱われています。
    美しい光沢、独特の良い香りがあるだけでなく、耐久性に優れ湿度にも強い性質を持っています。
    200年ほどは強度に変わりがないと言われるほど耐久性に優れた木材です。
  3. アカマツ
    山に自生しているアカマツは樹皮が赤いのが特徴です。
    アカマツはヤニがでるため、寸法に狂いが生じやすく、木材としては利用しにくい部分がありますが、耐久性に優れていることから住宅木材として利用されています。
    比較的安価な木材であることも利用メリットの一つです
    が、近年虫害による被害を受けて供給が少なくなっています。

【広葉樹】

  1. ケヤキ
    材質が緻密で堅いことや、比較的大きな木材がとれるため、建築用材をはじめ、さまざまな用途に使用されてきました。
    住宅を支える最も重要な柱「大黒柱」に利用されることも多いです。
  2. クリ
    クリは釘打ちなどで割れやすい木材として知られています。
    重硬で弾力に富んでいますが、加工が難しいと言われています。
    ただ、腐りにくいので建物の柱や土台、家具などに利用されています。
  3. クスノキ
    クスノキの特徴は香りです。
    その香りに防虫効果があることから家具類に利用されることが多い木材です。
    家具、楽器、箱、器具の他、寺社などの建築木材としても利用されています。

住まいに使われる木

日本にはたくさんの山があり、そこには数多くの木々が生えています。
しかし、全ての木が住まいに使われているわけではありません。
木の家に適した木材は主に加工しやすいものが選ばれています。

スギ、ヒノキ、ツガ、マツ、ケヤキ、カエデ、クルミが一般的です。
柱に利用されているのがスギやヒノキ、ツガです。
床や壁、天井の仕上げ材として利用されているのは加工しやすいスギ、ヒノキ、マツなどです。
そして現在の住まいではあまり見かけなくなった床の間に利用されているのがケヤキ、カエデ、キリ、クワなどです。

木の家にはどんな木が合う

木の家に利用される木材の種類は以外とたくさんありますが、その中でも代表的なものが「スギ」「ヒノキ」「ヒバ」「クリ」「ケヤキ」などです。
ヒノキは水に強く、乾燥させても寸法に狂いが少ないため、家の土台や柱などに適しています。
ただ、比較的高価な木材(無節等は)のため、部分的に使用する等の使い方を工夫して使われています。

家の柱や土台に適しており、比較的安価な木材が「ヒバ」です。
ヒバは菌に対する耐性も強いので神社などにも利用されています。

そして一般的に多く利用されているのが「スギ」です。
安価な価格帯が人気であり、主に造作に利用されています。

木の家の家具

住まいの中の家具は置き家具と造付家具とがあります

建築に付随する家具は、この場合造付家具となりますが、古くは水屋箪笥、階段箪笥等がありました。
現在では昭和レトロと評されることもあります。

水屋箪笥とは「食器棚」のことです。
和風の食器棚「水屋箪笥」は上質な和モダン・アンティーク家具として京都でも親しまれています。
急須や茶碗など和食器が似合うため、台所ではなく、茶の間などの置かれていることが多いものです。

「階段箪笥」は京町家に根付いた和の家具の代表格です。
文字通り、階段として使っている収納できる箪笥のことですが、現代で言うと階段下収納のようなものです。
現在の家づくりにも階段箪笥を加えることで、和の家としての新しい味わいを感じることができます。

木の家の家具は、既成品の家具は似合わない

木の家に合う家具を選ぶならどのようなものが良いのでしょうか。
現在、大型ディスカウント家具屋が地域にいくつかあったり、輸入家具屋なんかもあると思います。
そういったところで販売されている家具はどれも手頃な価格で購入することができるため、高い人気を誇っています。

しかし、素材や質感が木の家の家具として選ぶには少々合わないような気がしてなりません。
既製品の家具は、確かに安くて便利かもしれませんが、せっかくの木の家には合わない気がします。
本物の木でなく、木で作られたように仕上げた家具はどうしても安っぽくなってしまいがちです。

木の家の家具として好ましいのは、やはり木の素材を生かしたものではないかと思います。
英国や北欧の古びた年代物の家具が、木の家や京町家の家具として案外ぴったりと合うことも一例ですね。

木の家と造付家具 木の素材をいかす家具

木の素材をいかす家具が「造付家具」です。
造付家具は主に大工工事で造られるもので、空間や目的に合わせて造られているため、
隙間なく作る事ができる「特注品」であり、家具の素材を建具と合わせたりと建物と家具が一体となった木の家としてふさわしいものになります。
無駄な空間を作ることなく又、素材を統一する等意匠的にも合わせる事ができ、簡素でありながら統一感を得ることができます。
キッチンや洗面台、それぞれの部屋の家具にいたるまで、木の素材を生かした造付家具にすることで、木の家らしい
風格のある家が完成します。

家の内装に合わせて、無垢材を使った家具にすれば、経年変化を楽しみながら長年大切に使うことができるでしょう。

木の家と造付家具 コストパフォーマンスの良い大工制作家具

木の家の造付家具は大工によって造られています。(家具職人が作る場合もありますが)
大工が作り上げる家具は、どれも木の家の内装等と素材や納まりを合わす事ができ建物と一体感があるため、人気が高まっています。
大工工事として家具を造る場合には大柄な材料を使うことが特徴で少し野暮ったいと言われる事もありますが、コストパフォーマンスには優れています。
住む人が使いやすいように造られた家具は、木のぬくもりが心地良いものです。

例えば、テーブル。
リビングに畳コーナーを作るとします。
高さの変更ができるテーブルを造ってもらえば、テーブルとしても座卓としても使用できますし、片側を畳コーナーにかけて使うことも可能です。
そのようなテーブルは市販のものではなかなか販売されていません。
コストパフォーマンスに優れているだけでなく、利便性にも対応できる大工制作家具は木の家に最も適した家具です。

京町家と庭

京町家の庭は

京町家は日本を代表する素晴らしい歴史的建造物です。
毎日快適に生活できるようにと、京町家では昔の人々のさまざまな知恵を垣間見ることができます。
夏は涼しく、冬は暖かく(とはいかないまでも)、住まいの中にも庭がありそれらによって季節の移り変わりを感じられます。
そんな京町家の庭にはさまざまな役割があります。

土間の部分(玄関から裏庭まで)を「通り庭」、玄関以外の部分を「走り庭」、そして小規模な中庭を「坪庭」と呼びます。
「通り庭」「走り庭」「坪庭」と様々な形式の庭を設けるには理由があります。
京町家の庭は「採光」や「風の通り道ー採風」としての機能を兼ね備えています。
これは京町家の大きな特徴であり、先人の確かな知恵なのだと言えるでしょう。

庭の特徴 沓脱ぎ石、手水鉢、中庭、奥庭、囲まれた空間

京町家の中に入って行くと、決して大きいとは言えないこじんまりとした庭があります。
一般的には「坪庭」と呼ばれていますが、中庭、奥庭とも呼ばれています。
この決して大きくない坪庭には、昔の人々の知恵と美意識が詰まっています。
沓脱ぎ石や手水鉢の他、四季を感じることのできる木々が植えられているのが特徴です。

手水鉢は、本来、茶室の庭先に低く据えられたものですが、それを庭に置くことで涼を呼ぶアクセントにもなっています。
沓脱ぎ石は、縁側や式台などの前に置いてあります。
履物を脱いで置いたり、縁側に上がるための踏み台になっています。

坪庭は四方八方囲まれた空間で、静かに過ごすことのできるものです。
外部から隔てられ、又住空間の一部として内部に取込まれた中庭。
縁側に座って坪庭の木々や草花を愛でることや、季節の移り変わりを感じることで心豊かに暮らせますね。

庭の植木は

京町家の庭には植木が植えられていることがほとんどです。
植木には特に決まりがなく、ツツジや紅葉、梅のように四季を感じることのできるものから、
竹や松など日本庭園に欠かせないものなどさまざまです。
癒しの空間を作り上げるには、日本らしい植木が好ましいでしょう。

~京町家の庭の植木として好まれるもの~

ハナミズキ、カエデ、ヤナギ、ケヤキ、モミ、カツラ、キンモクセイ、モチノキ、ヤマボウシなど

庭屋一如

「庭屋一如(ていおくいちにょ)」との言葉を聞かれたことはありますでしょうか。
庭屋一如とは、庭と建物の調和がとれて一体になるような様(それぞれがなくては体をなさない)とを指す言葉です。
建物と坪庭が一体になるように設計された京町家はその一例です。

日本では古来より庭に自然を取り入れ、四季を感じるその様を楽しんできました。
暮らしの中に光や風を取り込むとともに、植物を植えることでより美しく、より快適な空間を生み出してきました。
昔の人々の知恵が今でも現代の住まいにも受け継がれてるように建物だけではなく庭にも一目おきたいですね。

京町家と耐震工事

住宅の痛み易いところ

京町家は現在、住まいとして利用している方もいれば店舗として利用している方もいらっしゃいます。
京町家は定期的に適切な手入れをしていればいつまででも綺麗な状態を保つことができます。
ただ、どうしても木で作られているため痛み易い部分があります。

まずは「柱の足元」です。
土中の湿気や雨により長い年月の間に腐朽することが多くあります。

次ぎに「屋根の軒」です。
経年劣化や雨漏りが原因等で腐朽して軒が下がってくる場合もあります。

そして「外壁」です。
外壁は常に雨風にさらされているため、痛み易い部分の代表です。
ただ、京町家は痛み易い部分を手入れしやすいように工夫がなされています。

京町家の構造の特徴

京町家は日本を代表する歴史的建物として知られています。
昭和25年以前に建てられた町家が京町家と呼ばれています。
京町家の多くは築100年~120年のものとなっています。
そんな京町家の特徴を挙げていきましょう。

  • 構造の特徴
    京町家は石場建ての伝統的構法で作られています。
    梁等の木造の構造が内部にあらわしで使われ見えるようになっています。
  • 外観の特徴
    京町家は基本的に二階建てです。
    しかし、中には平屋のものも存在します。
    基本的に瓦屋根、大戸、格子、虫籠窓、土壁、木枠ガラス戸となっています。
  • 内部平面の特徴
    建物は間口が狭く奥行きが長い平面プランで、奥に坪庭と呼ばれる小さな庭があります。

京町家の耐震工事は

京町家は昭和25年以前に建築されています。
京町家の作りは伝統構法の建築で、やわらかさと粘り強さを持っており、柔構造で揺れに耐える構造となっています。
が、現在の耐震診断方法の測定では、比較的低い耐震の数値がでてきます。

それは、貫や竹小舞土壁の壁の数値がカウントされずにいるためです。
又重量のある瓦が屋根に使用されているために地震に対しては不利に働きます。
(最近では瓦の葺き方も土を載せない葺き方に変わり、屋根としての重量は随分軽くなっています)

京都では京都の歴史・文化の象徴である京町家の保全・再生を促進するため「耐震改修の促進」による保全・再生の支援をおこなっています。
耐震診断士による「耐震診断」を受けて当該町家の耐震がどの程度の耐震性能を持っているのかを把握して対応する事を進めています。

一般的には、京町家の耐震性能を担保するために大は切なのは柱の根元がしっかりしている事(腐っている場合は柱の根継ぎをする)です。
また、壁量を十分にとる(土壁を増やす)ことで強度を高めていきます。
他にも腐朽が見られる部分を適切に修復することが最も大切です。

補助金について

京都市では地震災害に強い都市づくりを目指しています。
京都の宝である京町家を保全・再生し安心して住むことができるように、耐震診断で安全でないと診断された場合、耐震階週に要する費用の一部を助成しています。

耐震診断においても、自己負担5,000円でおこなってくれる制度を設けています。
京町家耐震診断士2名を派遣して診断をし報告書まで作成してくれます。
京都市では耐震改修工事費用の50%を補助してくれます。

ただ、京都市が定める工事を補助対象としているため、建築士や工務店など専門家に相談することをおすすめします。
そして町家のリノベーション(水回りのやり替え等)を検討されている場合には、工事を施工される機会に一緒に耐震工事をされるのも一案です。