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木育について

未来ある子どもたちには、ぜひ学んでもらいたいことがたくさんあります。
さまざまなことを教えて育む「教育」、食べ物について教育する「食育」などと同様に、近年では木の大切さについて教える「木育」という考え方があります。

ここからは、子どものいるご家庭にこそ知っておいていただきたい木育について紹介します。

食育があり、木育がある

昭和の時代には、公園や街路樹などにたくさんの木が植えられており、子どもたちの遊び場と木には密接な関係がありました。
田舎では、カブトムシやクワガタを探しに森や山に行って、一日中木と触れあっていたという思い出がある人もいるのではないでしょうか。
高度成長期を迎えると森林の木々が伐採され、建築・土木の用材やその他多くの用途に木材が利用されました。
マンションの建設も増え、核家族化が進行することで子どもを取り巻く環境は大きな変化を迎えることになったのです。

住まいにしても木造の家だけではなく、鉄筋コンクリート造や鉄骨造のマンションの住宅も増えて、その中で子供たちは生活をしています。
そのような住まいでは、木質系の材料自体が使用されていません。
現在では、子どもたちの生活の周りには自然の素材を含むものがあまりない環境かもしれません。
プラスチックなどの人工物で作られたおもちゃを利用する機会も多く、口にするものお箸やお皿やお椀などもプラスチックなどにとってかわられて、木工製品などに触れあう機会も少なくなっているのではないでしょうか。
子どもたちがまだ知らないことを教える「教育」や、食べ物の大切さについて教える「食育」は、学校や家庭で身近に接する機会もあるため、子どもたちの目線で考えてみても学びやすい環境であるといえます。
が、しかし「木育」については積極的に伝えようとしなければ、子どもたちに実際に手にして触れ合うような学びを提供するのは難しいかもしれません。

「教育」と「食育」の次には、子どもたちに「木育」について知っておいてほしいと思います。

木育とは

「木育」とは、平成16年に北海道庁が行った「木育プロジェクト」で生み出された新しい言葉です。
なんとなく課外授業などでおこなっている植林などをイメージする人もいるかもしれません。
しかし「木育」はというと、どちらかといえば木材の利用に関する教育活動を意味しています。

つまりどういうことか、わかりやすく説明していきましょう。
森林などには、人間に不要な二酸化炭素を吸収して、酸素に変換するという大切な役割があります。
地球温暖化は二酸化炭素の増加が原因といわれているために、温暖化を防ぐためには森林がとても大切なのです。

しかし、近年の建築物には日本の木を使う機会が減っているのです。
輸入材木に頼った結果、森林で間伐がおこなわれずに荒れてしまった森林もあります。
荒れ果てた森は、それを補おうと生えてくる木によって逆に成長しにくくなります。
そうなると土にしっかり根を張れなくなった木は倒れやすくなり、土砂災害などの危険が発生してしまうのです。

「木育」では、木を切ることが木を守ることにもつながると子どもたちに教えているのです。

無垢の木に囲まれた家の快適性

無垢材を使った家に住むようになると、核家族化が進んだ現代社会でも自然と触れあう機会が増えます。
壁や床など、肌に触れる場所に無垢材があることで特別な心地よさを感じるようになるのです。
無垢材は、裸足で過ごしても寒さを感じにくいため、家の中でのびのびと過ごせます。

無垢材には、室内の温度を一定に保つという調湿効果があります。
高温多湿の日本ではとくに嬉しい特徴です。
又、学校などにおいても木装化された教室の快適さ(人に与える影響)は、インフルエンザによる学校閉鎖率の数値をみてもわかります。

また、無垢材は丸太の木材から使用目的に合わせて製材され加工されたものなので、シックハウス症候群で問題となる化学物質の心配はいりません。
無垢材が持つ暖かみのある色合いや質感は、年数が経つにつれて少しずつ変化していきます。
子どもの成長に合わせて変化する無垢材を使った住宅は、まるでもう一人の家族のように身近な存在として長く触れあえるのです。

幼少期にこそ無垢材に触れる生活を

無垢材と触れあうならば、ぜひ感受性が強い幼少期から始めてみてください。
自然の温かみを持つ無垢材は、環境の変化に敏感な子どもたちにきっとさまざまなことを教えてくれることでしょう。

無垢材が持つ独特の香りには、気持ちをリラックスさせる働きがあります。
子どもたちはもちろんのこと、子育てに疲れてしまった保護者の方も、無垢材と直に触れあうことで、気分もさわやかに心も穏やかになるはずです。
自然の温かみがある無垢材は、子どもたちだけではなく、親世代をもその魅力で優しく包み込んでくれるのです。

「教育」、「食育」に次いで子どもたちに知っておいてほしいものに「木育」があります。
山や森のこと、そして山からの流れた養分が川に流れ海のプラントンから始まる水棲生物の循環へとつながっている事。
山の手入れや森の整備などが必要であること。
適当な時期の木材の伐採が、必要で伐採した後に再造林をすることが、CO2の削減にも大きな役割を果たしています。
それらを生み出す山や森の木材を使って建てる住まいは、やはり木のにおいがして手に触れても優しく快適なものです。
無垢材を使った住宅には、子どもたちだけではなく、大人にも嬉しい魅力が詰まっています。

今一度私たちの廻りに身近にある素材としての木材を見直しましょう。

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