向日市N邸「蔵の家」リノベーション工事の現場です。
木工事も終盤、今日は外部の格子取りつけと内装工事が同時に進んでいます。
土壁の蔵の家に格子が付くと、目隠しはもちろんですが、意匠的にもとてもカッコいいです。
細かな縦格子を調整しながら作っていきます 素材は杉材をキシラデコールで塗装したものを使用
こちらの面には格子を取り付けるための桟を作っていきます 仕上がりが楽しみです
内装仕上げ、建具が入ると、また一段と良い雰囲気になりそうです。
先日、京都市右京区京北で里山交流会を開催しました。
明け方まで雨が降り、お天気が心配でしたが、イベント中は雨も無く、植林を行うことができました。
山の現状についてお話頂き、林業の大切さ、山を守っていく大変さについても知ることが出来ました。
今年は子供さんの参加も多く、夢中に土を掘り苗木を植えている姿が印象的でした。
シイタケを原木から収穫したり、山菜取りも経験し、里山での生活の一部に触れることができました。
里山交流会での一日が子供さんにとっても良い経験になれば嬉しく思います。
植林を行う山に向かいます。鹿、イノシシ対策で植林する部分にはネットが貼られています。
私自身、小さい子が一緒だったので、少し心配でしたが、スタッフの方のサポートもあり、楽しく植林できました。
一所懸命土を掘ります。道具を使っていますが、根っこや石が出てきてなかなかスムーズにはいきません。そんな時はスタッフの方に根っこを切ってもらいます。
人工林で植えられている杉や桧は建物に欠かすことのできない建材です。
土台から柱、梁そして内装材まで幅広く使わています。
日本の林業の主役とも言える「杉」と「桧」。
現在、杉や桧は各地の里山にたくさんの苗木が植えられています。
その中でも特に杉は数多く植えられており、又安価で優れた性質を持っていることから、住宅建材の主流となっています。
日本の国土面積の約7割を締めている森林面積のうち、人の手により植林された森林面積は約4割です。
植林は、木材の生産のためにおこなう「産業植林」と環境保全のための「環境植林」の2種類あります。
建材やさまざまな製品の原料とするには、たくさんの杉や桧が必要です。
ただ、植林でも環境保全のためにおこなわれる環境植林もあります。
日本においての植林は、戦後におこなわれた「拡大造林政策」から始まりました。
戦後の復興のためにたくさんの木材が使われたため、木材不足となりました。
荒れてしまった里山に木々を取り戻すため、針葉樹が数多く植林されました。
ただ、植林した木々が成長するまでの間も大量の木材が必要となったため、外国製の木材を輸入せざるをえませんでした。
その結果、安価な輸入木材の需要が高まり、国内の林業業界全体が窮地に追い込まれることになってしまいました。
廃業した林業会社もたくさんあり、その会社が持っていた山が放置され荒れてしまう、悪循環が続きました。
現在でも輸入木材の需要は高いままですが、里山に杉や桧を植えたりと植林活動にたいする意識は、高くなっています。
又、国産材の活用も30%を超えるくらいに回復しています。
里山にはさまざまな種類の樹木があります。
日本の里山の樹木は主に針葉樹と広葉樹に分けることができます。
針葉樹は主に針のように細い葉を持った木を指しています。
広葉樹は平たい葉を持った木のことです。
松や杉、桧、モミ、カヤ、マキなど、細くて細かな葉を持つ針葉樹は自然のものから人工的に植林されたものまで里山で育っています。
栗や山椒、アオダモ、木蓮、桜、ブナ、ケヤキ、クスノキ、カキなど、が広葉樹です。
広葉樹もまた里山でさまざまな種類の樹木が育っています。
又、里山には杉や桧といった建築用材の人口林の木はもちろん、一見何の木なのかわからないものまでさまざまです。
里山では四季折々に花を咲かせてみを付ける樹木や、秋になると紅葉する樹木があるため、一年を通して楽しむことができます。
柿や栗は秋になると実をつけます。
里山に植えられている色づいた柿や、落ちている栗の実を拾う人々の姿は秋の風物詩ではないでしょうか。
又、香りの良い山椒の葉や実は、料理の名脇役です。
日本最古の香辛料とも言われている山椒もまた里山にあることの多い樹木です。
このような実のなる実用的な樹木が、身近にあるのは楽しいですね。
山には美しい花を咲かせたり、美味しい実のなる樹木がたくさんありますが、美味しい山菜もまたたくさん生えています。
四季折々に楽しめる山菜を求め、里山に行かれる方は多いと思います。
他にも、「ヤマウド」や「ワラビ」「カタクリ」「行者にんにく」「ハリギリ」「根曲り竹」など、里山にはさまざまな山菜が生息しています。
里山には楽しい事がたくさん!
四季折々の楽しみ方がある里山にはたくさんの魅力が詰まっています。
森林浴や山菜取り、里山散策、キャンプなど大人らしい遊びができるのが魅力的です。
樹木に接することで精神的な癒しを得ることのできる森林浴は、医学的にもリラックス効果をもたらすと言われています。
日常とはかけ離れた里山に行くことだけで、恐らく癒されるのではないでしょうか。
また、里山を散策しながら山菜採りができるのも大きな魅力です。
山菜だけでなく、木々に実っている美味しい果実なども収穫できるかもしれません。
身近にある里山で遊んでみるのも良いですね。
先日のブログにもアップさせていただきました。下鴨の家の構造材である紀州材の工場内見学です。
まずは製材の様子を見せていただきました。皮のついたマルタがみるみるうちに角材に変わっていきます。
そして製材された柱などのどのような所を見れは良い材かなどの見方を教えていただきました。
このような芯持ち材の場合は年輪の中心が真中にきていてかつ円が大きい方が良い材とされています。
今回見学させていただきました和歌山県の山長商店さんは無垢材の材料によく見られる
外側の割れが殆ど出ないそうです。それは厳しい品質管理もそうですが独自で開発された高温蒸気式減圧乾燥機によるものが大きいそうです。またその乾燥機に使う熱源は製材で出た端材や皮で全て賄われているそうです。
とてもエコです。
上の3つの画像は検品の様子です。まずは目指で表面の割れなどを確認します。そして次に含水率とヤングを測ります。数値が規定に合わない事と目視で見つからなかった小さな割れなどが再度確認されます。
そして工場見学を楽しんでいる間、設計士さんと監督は現場で使う材料のチェックをされていました。
上の写真は現しで見える梁です。そして下は柱です。構造図を見ながらどの通りにどんな表情のものがくるか細かくチェックされています。施工中はこれら化粧材は養生されていて後半にならないと現場では見れませんがまた楽しみが増えました。今物件の全ての構造材はこちらの杉、桧です。既に上棟は先日終わりましたのでその時の様子はまた後日UPさせていただきます。
建物の骨組みの構造(土台、柱、梁)として使われているものの材として、現在無垢材と集成材があります。
集成材とは、細かく切り分けた木材を乾燥させて接着剤などで組み合わせた人工的な木材です。
強度が安定していることから、家の構造材として選ばれています。
集成材の中でもホワイトウッドと呼ばれるものは、白木針葉樹を原料としています。
構造材として従来より一般的に使われているのが無垢材です。
無垢材は、集成材とは違って、1本の丸太から製材した木材を指しています。
天然木の美しい木目を楽しむことができる比較的高級木材として扱われています。
集成材は人工的に作られた木材のため、品質が安定していること、そして反りが出にくいため扱いやすいといわれています。
無垢材は美しい木目と経年変化が楽しめること、そして断熱性や調湿性に優れている特徴があります。
双方ともにメリット・デメリットがあるので、どちらが優れているとは言い切れませんが、それぞれの性質や特徴を理解した上で家を建てることが大切です。
無垢材は主に杉、桧、松材が一般的です。
木の家を支える骨組みを「構造材」と言いますが、無垢材である杉や桧、松材も構造材として利用されています。
ただコスト面と材の供給量から考えると最近では杉が多く使われてきています。
木の特性や強度を考えて適材適所に使い分けるのがいいですね。
現在建物の構造材として使われている無垢材には、国産材と外国産材があります。
長持ちする構造材を考えたとき、やはり国産材を選ぶべきだと思います。
国産材は、日本で育った日本の気候に最も合った木材だからです。
京都の歴史的建造物に使われている木材もやはり国産材です。
その中には建築から1300年以上経っているものもあります。
外国産材も決して悪くはありませんが、やはり国産材に比べると適性は劣ります。
ちなみに、外国産の無垢材は主に米松や米栂です。
国産無垢材に比べるとコスト面で選ばれていることが多いです。
造作材とは、建物内部の仕上げ材のことです。
床、壁、天井、棚、階段そして枠材の木材として幅広く使われています。
造作材で一般的に使うのが桧、杉、松等針葉樹系の無垢材です。
無垢材は美しい木目と経年変化が楽しめること、そして断熱性や調湿性に優れている特徴があります。
特にフローリングとして床材に使用することで、足触りがよく断熱性に優れた木の温もり溢れる家ができあがります。
造作材の中には「シート貼り材」や「練付材」などもあります。
シート貼り材とは、樹脂フィルムや紙などのシート状のものに、木目などの柄をプリントしたものです。
これらの造作材の芯材には、MDFやベニヤ等が使われています。
又、内装の壁や扉、棚、家具などの表面材にもよく使用されています。
無垢材を0.2ミリ~0.6ミリ程度に薄く剥いだ板を合板などに接着したものを練付材と言います。
練付材は、床や壁、枠材に良く使用されています。
無垢材の造作材として使用されている材には、外材と国産材があります。
国産材の無垢材では杉、桧、マツが代表的ですが、外材ではホワイトウッドやレッドウッド(赤松)、ダグラスファー(米マツ)が一般的です。
現在国産材よりも外材の方が圧倒的に使用されているのは事実です。
それは外材の方がコスト面・価格が少し安いためです。
国産材の無垢材は杉や桧、マツの他、造作材に桜やタモ、ナラ、楓、クルミ等も使う事もあります。
これらの広葉樹は、床材や家具材等に使用されています。
それぞれの素材ならではの木目の美しさがあり、天然素材ならではのグラデーションを楽しむことができます。
「適材適所」とは、それぞれの木の特徴を生かした使い方をすることを差しています。
その場所に合った木材を選び使い分けることでより快適な住まいが完成します。
土台には丈夫な桧、柱には杉や桧、梁には松や杉など、それぞれの特徴を生かして適材適所に配置することで丈夫な建物になります。
家にとって大切なのは、柱や土台など耐久性が必要な部分には優れた耐久性を持つ木材を使用することです。
それゆえ、構造材、造作材のようにそれぞれの特性を活かした使い分けがなされています。
例えば、家を支える最も大切な柱に、捻れや反りがある木材を使ってしまった場合歪みが生じる可能性があります。
材の選別と材の使用も適材適所を基本に、それぞれの木材の特徴を生かしながら家を建てることが大切です。
木の家、木の住まいには、その特徴を活かした木づかいをすることが基本です。
土台には腐りにくく耐久性の高い桧や栗、内装の柱やフローリングには木目の美しい杉、屋根を支える梁は強度に優れたマツなど、その特性を活かすことで快適な住まいが完成します。
木の特性を考えずに住まいを作ってしまうと、歪みや腐りが生じてしまうこともあります。
木材は同じようでそれぞれ性質に違いがあります。
それを十分理解しながら使用することが大切です。
私たち日本人は木の住まいを好みます。
昔からおこなわれている木の住まいづくりは、木材の特性を考えて作られています。
「木づかいのルール」に沿った住まいづくりを是非すすめてください。