京都市左京区H邸「外部の木塀、お茶室の腰掛待合の造作工事」腰掛待合と露地が完成しました

京都市左京区H邸「外部の木塀、お茶室の腰掛待合の造作工事」の現場です。

H邸には茶室が二間あり、茶事も行えるお住まいです。

今回は外構工事で、外部の木塀と腰掛待合、露地(茶事のための庭のことを露地と言い、茶庭とも言います)の工事をしています。

茶事に呼ばれた客人が、茶室に入る前に通る露地は、日常から離れ茶事の世界に入っていく大切な空間です。
いつもお世話になっている造園屋さんの手により、心が落ち着く露地が完成しました。


入口の引き戸を開けると飛び石、蹲(つくばい)、塵穴(ちりあな)があります。
飛び石は土を踏まずに伝い歩きができるよう、歩幅に合わせて配置されています。
蹲(つくばい)は茶室前の露地に置かれた手水鉢のことで、客人が茶室に入る前に手を洗い、口をゆすぎ心身を清めるためのものです。
塵穴(ちりあな)は、もともとは客人が来る直前に、改めて掃除をした際にチリを仮捨てするための穴でしたが、
現在は、露地の花や枝をさりげなく飾る場所になっています。

手水鉢は、お施主さまのご実家で使われていた、思い出のある石臼です。
露地の中に配置された石の一部は、外構工事の際に地面から出てきたものを使用しています。
植栽は松とナツメ、地面は苔(こけ)で覆われ、
住宅地の中ですが、山の中にいるような落ち着いた雰囲気になっています。


腰掛待合です。
石場建で、柱、桁、垂木等、北山丸太を使用しています。
茶事の時だけでなく、普段はこちらに腰かけて、ゆっくりとしたお茶の時間を楽しめそうです。


こちらには、白侘助(シロワビスケ)、槿(ムクゲ)、あけぼの、冬椿(フユツバキ)、白玉(シラタマ)、藪椿(ヤブツバシ)などが植えられました。
お庭に咲いているお花は茶花としても楽しまれる予定です。


玄関アプローチ横の花壇には紫蘭(シラン)と鳴子百合(ナルコユリ)です。
こちらの花壇は、広縁の雪見障子を開けると眺められるようになってます。
奥に見える西側の花壇には、もともとこちらの土地に咲いていた高砂百合(タカサゴユリ)、
四季を通じて、様々なお花が楽しめるお庭になっています。

以前の現場フブログはこちらをご覧下さい!!
京都市左京区H邸 「外部の木塀、お茶室の腰掛待合の造作工事」

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最終更新日:2021年3月22日投稿日:2021年3月22日