京都市北区T邸「京町家リノベーション」~木工事、耐震補強~

「京都の木の家」「注文住宅」の竹内工務店ブログです。

京都市北区T邸は築約100年の京町家です。
解体後、スケルトンの状態から、構造補強を含む木工事が進んでいます。
京町家のリノベーションは建物により築年数や劣化状態が異なるので、建物ごとに耐震する場所や、補強方法などが違います。
T邸の場合は金物による仕口の補強や、耐力壁の新設などで、耐力補強を行っています。
ほとんどの構造材をそのまま使用することができましたが、一部蟻害が見られた部分は部材を取り換えるなどしました。

床下は土でしたが、防湿のため、土間コンを打設しました。
その上で、桧材の大引きで床を新たに組んでいきます。
2階の床組ですが、既存のササラに高さ調整のため、木材を追加し、合板を乗せ床を組みました。

1階、2階ともに、床には厚み24mmの構造用剛合板を乗せ、水平面の剛性を強くしています。
足元の冷えが気になる床部分ですが、1階床の合板下には厚み45mmの断熱材を充填しました。

奥行のある京町家によくみられるのですが、T邸も間口方向に開口部が多く、
間口方向に壁が少ない状態でした。

そのため、間口方向で壁量を増やす対策をしています。
こちらは建物正面の外壁部分ですが、もともとラス地の壁だったので、構造用合板を使用し、壁の補強をしました。

建物内部ですが、一部耐力壁を追加しています。
また、以前は襖で仕切られた間取りで、壁量が少なかったですが、
間取り変更に伴い、新設の柱と壁も設置していきます。

リノベーション前、2階は襖で仕切られた和室が続く間取りでしたが、
今回のリノベーションで中廊下や、トイレ、洗面などの水回り設備も新設します。
柱、梁などの継手部分を金物で補強した上で、新しい間取りにするための壁下地が組まれていきます。

T邸京町家リノベーションのブログ記事はこちらをご覧ください。
京都市北区T邸「京町家リノベーション」~屋根工事~
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最終更新日:2022年5月20日投稿日:2022年5月20日