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中高層木造ビルについて(スイス編)

最近、日本でも中高層ビルを木造で施工されたという記事を見にする機会が増えました。
海外では、少し前から木造のビルが数多く建設されているという記事を目にします。
一昨年に欧州(スイス、ドイツ)にエコ建築や中高層の木造建築の事例を見に研修に行きました。
主催はエコ建材商社の株式会社イケダコーポレーションのエコバウツアー(エコと建築)、コーディネーターは、シャウハウゼン在住環境ジャーナリストの滝川薫さん。
また、滝川さんはMIT Energy Vision社の共同代表でもあり、環境、エネルギー、省エネ、エコ建築など持続可能な地域づくりをテーマに活動されていて、彼女の知識の豊富さ、見識の深さがこのツアーの肝です。
今回は、その研修ツアーでの学んだことを列記してみます。

ビルを木造で計画・施工するといっても種類は様々な様式があります。
海外で活躍されている日本人建築家の坂茂氏の設計されている三次元でのBIMで設計した材を加工し、建設するフリーフォーム。
1990年代から現代木構造として使われているプレハブ(木造)工法、マッシブCLT、マッシブホルツ(ダボ工法)、HB(ハイブリッド)工法(床版などがRC造)、ユニット工法(工場組立)などその他の工法も多種あるようですが、木造ビルの先進国では、様々な形で木造ビルが建てられています。

15階建て高さ60Mの木造ビルがスイス・ズールシュトッフィ地区(*地元デベロッパーによるハイエンド客向けの開発—造成から購入)に木造での最高の高さを持つビルが建っています。
またその近辺にも建設中の木造ビル群があります。

*ズールシュトッフィ不動産による地区開発
開発規模10ha、住民5,500名、内3,000名企業人、大学生2,500名、分譲住宅建設、学生寄宿舎等、事業規模1,100億円の大プロジェクト。
エコ、カーボンフリーをテーマに職住近接を目指しインフラを整備し、エネルギーコンセプトは暖冷ゼロエネルギーを目指す。

外観を見てみると木造ビルには見えませんが、内部に入ると柱、梁に木造の大断面が見えてきます。
柱材は、高層建築部分においては強度が必要なため広葉樹のブナ材の集成材が使用されています。(強度が必要でない部分は、モミ材、スプルース材が使用されています)
梁材は、現地に多いモミ材(針葉樹)です。
それらの柱、梁材が金属プレートで固定して接続されています。
スラブは厚さ14cm、3m×5.7mの工場制作PCパネル(内部設備配管有りコンクリート製)で、畳敷きのような敷き方で現場施工がなされています。
この木造HB(ハイブリッド)工法は、おおよそ10年前に開発され、様々な所で施工されているとのことです。

木造ビル外観
木造ビル内観
写真の建築中の建物は、床販はPC(プレキャストコンクリート)版です。

日本では、防火の基準が非常に厳しく欧州のようなわけにはいきません。
また、日本で木造ビルといえばCLTが幅を利かせていますが、欧州では、CLTは東欧州の人件費の安いところで制作されていて、この構造が主流ではなく選択肢のひとつであるとのことです。

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