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2017年度ミラノサローネ報告会

6月29日(木)18:30~ 嵯峨 木のこゝろ 「風」(竹内工務店1F)にて照明デザイナーのNoi Planning Studio 西村氏と日根氏による2017年イタリア ミラノサローネ報告会を開催致します。今年の世界のデザインの動向と昨今、素材として注目されている木の使われ方などを中心に報告いたします。学生さんから様々な職種の一般の方が毎年ご参加下さいます。

参加費: お一人様 500円(ワンドリンクとおつまみを準備しております。)          会場: 京都市右京区嵯峨釈迦堂門前瀬戸川町4-7 竹内工務店1階            (会場に駐車場がございませんので公共交通機関を御利用下さい。)             参加お申し込み、お問い合わせ先:嵯峨木のこゝろ「風」                                メール kinococoro_fuu@yahoo.co.jp  電話 075-861-4188

紅殻(ベニガラ・紅柄)

紅柄とは

紅殻とは「弁柄」とも呼ばれています。
元はインドのベンガル地方でとれる酸化鉄を含んだ赤茶けた土から採取されて作られた塗料から語源がつけられたともいわれています。
紅殻は昔から日本でも民家に多く使われています。
主に住宅の木部や壁や瓦(一部の地方)に、現在でも紅殻を使った民家等にその文化は残っています。
京都では、主に京町家で内外部の木部に紅殻に煤を混ぜて黒く着色したものを塗布しています。
ただ、現在は純粋な紅殻は少なくなり合成されたものが多く使用されています。

紅殻の色

紅殻は基本的に濃く赤みの強い茶褐色ですが、地域によって使われる色味が異なります。
一般的に北陸は赤味が強く、飛騨高山は黒味が強い、そして京都はその中間色となっています。
紅殻には等級があり、それぞれ色味・発色に違いがあります。
地方によって何を混ぜるかもさまざまで、混ぜるものによって色味が変わります。
水や油を混ぜるのが一般的ですが、あえて古い色合いを出すために柿渋を混ぜる場合もあります。
ちなみに、JIS(日本工業規格)の色彩規格では「暗い黄みの赤」と表記されています。

特徴、利点

紅殻は昔から日本の暮らしに根付く顔料で、主に家屋の木部に使用されてきました。
他にも多くの顔料があるのに、なぜ紅殻が使用されてきたのでしょうか。
木部の保護が目的で耐光性、耐候性、耐熱性にすぐれ、防虫、防腐に優れているからです。又紅殻塗装することで下地の材料(の節の等の良否)が見えなくなるため
材を選ばないといったこともあります。
こういった利点があるため、家屋の木部や壁などに昔から使用されてきました。
家屋の木部に塗れば、耐候性がますとともに太陽の光による色あせや劣化も抑えることができます。
又表面を保護しているので汚れにくくなります。
防虫、防腐の機能を持った顔料は他にもありますが、シックハウス症候群の原因になることが危惧されています。
しかし、紅殻は天然素材であることから人体に影響を与えにくいとされています。
だからこそ昨今では紅殻が改めて見直され、再び家屋(特に京町家のリノベーション)に使用されるようになってきています。
また、家屋以外にも繊維製品への染色などにも使用されるようになりました。

京町家と紅殻

今再び注目されている『京町家』。
歴史的建造物という点だけでなく、その伝統的な建築技法も注目されている理由の一つです。
冒頭でも少し述べましたように、京町家の木部には紅柄が使用されています。
それは表の出格子やその他木部に使われており、色味も目立つので紅殻は京町家の大きな特徴と言えます。
京町家の格子は機能としても優れています。
光を取り入れながらも外から中が見えにくい構造になっているため、主に表の接道部に用いられています。
普通の格子で塗装されていない材は腐りやすいのですが、紅殻を塗ることで長年きれいな状態のまま保つことができます。
(もちろん手入れも十分なされていますが)
このように京町家の格子には紅殻が使用されていることから『紅殻格子』とも呼ばれています。
京町家が当時のままきれいな状態を保っているのは、ある意味紅殻も一躍かっているかもしれません。
紅殻格子の付いている京町家を見れば、昔の人の知恵というのはとても素晴らしいものだと感じますね。

住まいと健康

住まいと事故や問題は・ヒートショック等、シックハウスの問題

住まいにおけるさまざまな問題や事故が頻繁に起こっているのをご存知でしょうか。
皆さんがよく耳にする住まいの中の問題の一つに『シックハウス症候群』があると思います。
シックハウス症候群とは、家の中にある汚染化学物質に反応し体調不良を起こすことです。
不眠、頭痛、集中力低下、微熱、関節痛、腹痛などが起こり、家から出ると症状が無くなるといったものです。
家の外に出ると症状が無くなることから、問題は家の中にあると分析することができます。
問題の汚染化学物質は、建築材料や家具から発散されていることが多く、社会問題にもなっていました。
が、近年ホルムアルデヒドを始めとする化学物質の使用制限がなされ、これらを使った建材を使用できなくなりました。

他にも『ヒートショック』による死亡事故があります。
急激な温度の変化が原因で、血圧の乱高下や脈拍の変動が起きることがあります。
これにより突然脳梗塞や脳出血、心筋梗塞を起こしてしまうのです。
特に注意が必要なのが、高齢者や高血圧である方です。
あたたかい所から急に寒い所に移動する時に起こりやすく、家の中でヒートショックが起こりやすいのは、
主にリビングや脱衣所、トイレだと言われています。
これらを防ぐには家の中での温度差を作らないことです。

住まいと安全は

本来なら一番心と体を癒すことができる「家」が原因で体調不良になってしまったり、家族の誰かが亡くなるなんてことはあってはならないことです。
また、高齢者や大人だけでなく、子どもの事故も多発しています。
子どもの事故はさまざまな場所で起こっていますが、実はその中でも比較的多いのが家の中なのです。
階段、浴室、そしてドアが最も多い事故原因であり、軽いものなら擦り傷や打撲、捻挫で済みますが、命に関わる事故が起きているのも事実です。
大人が注意していればそんな事態にならなかった事故もありますが、大人が注意していたとしても防ぐことができなかった事故も数多くあります。
それを踏まえ、より安全性の高い設計をする必要があるのではないかと思います。

住まいの素材を選ぶ

一概に「家を建てる」と言っても、素材にまでこだわって建てる方はそれほど多くないと思います。
しかし、全て業者に任せてしまっているとシックハウス症候群をはじめ、家族の大きな問題や事故に繋がる恐れがあります。
そこで大切なのは「住まいの素材をしっかり選ぶこと」です。
家族の健康をしっかり守ることができる素材選びが大切です。
自然に近い素材を選ぶこと、そして子どもも安心して暮らすことができる家作りをすることが重要ではないでしょうか。
弊社では京の山で育った木材を使用した家作りを推奨しています。
人が住む家の本来あるべき形は、それが自然に近い家(人工的ではなく)ではないでしょうか。

健康な住まいづくりとは

当社では「自然が風土を作り、風土が住まいを造る」と考えております。
健康な住まいづくりとは、その土地の気候や風土の持つ条件にあった設計と、身近にある素材を使って造ることではないでしょうか。
国産の木材を使った地球環境にも優しい木造の住まい、そして自然から生まれた素材で造られた家が一番健康な住まいです。
普段は気づかないかもしれませんが、そういった体に優しい自然素材は常に私たちの身近にあるものです。
そういった体に優しい木や土、紙といった自然素材を吟味し使用した家は、必ず長年家族の健康を守ってくれるものです。
安全性、快適性、利便性、耐用性に加え、吟味した素材を使った家は世代を超えて住み継がれると考えております。
当社ではそういった豊かな住まいをお客さまにご提案させて頂いております。

桂の家・平成の京町家完成

桂の家・「平成の京町家」 完成

昨年建物を施工していた桂の家・平成の京町家が外構工事・造園工事を終了しました。既存の石垣や樹木は一部そのままで使用していますが、南側の駐車場側の外構や造園は新たに和風の庭に生まれ変わりました。建物の工事は、昨年に完了してお引渡をおえていたのですが、建物廻りの外構工事・造園工事を残していました。建物は、廻りの植木や造園をすることで一段と建物が映えてきます。この度の住まいは、長年来ここにお住まいの建て主さんが、新しく和風の家を建てたいというご希望をお持ちでそれが実現した建物です。

又この建物は、平成の京町家として申請し認定された建物です。京都市の推奨する従来の京町家の持つ良さ(通風や採光、使い勝手)と省エネ、耐震構造の性能をあげてプラスした現代の京町家を「平成の京町家」と呼び認定をしています。後、構造材や造作材のほとんどを京都市の地域産材を使用しています。一部内部の洗面カウンタ―等は、色のあるブビンガ等の広葉樹を使っています。外観は、木の素材をふんだん使用した格子や花台、ぬれ縁、一文字瓦の和瓦等、和のテイストで表現しています。プラン自体はお客様がご希望のプランを弊社でお聞きし建築の専門的なアドバイスを加味して作成しました。当初より弊社の木楽の家(木の家)仕様の現場 見学会にもご参加いただき実物の建物をご覧いただいていたので建物仕様やプランニングの詳細についてはご了解いただいていました。

特に平成の京町家の申請においても風の通りの確保を少し検討したくらいでおおきな変更はなしでこのプランで通りました。結果、打合せを何度も重ねて熟考されて出来上がったプランで作られた建物は、建主様の思った以上の物に仕上がったと喜んでいただいています。

桂の家 外観1
桂の家 外観2

 

 

杣人工房について

杣人工房が誕生

京都では京北地区が京都市・右京区に編入されたことにより、京都市が抱える山が増えたことにより
「森と里山との共生・木のある暮らし」を提案・普及する事業「京の山 杣人工房事業」が策定され
これを基に「京の山 杣人工房」が平成17年から各行政区で順次設立されました。

「杣人(そまびと)」とは、一般的には木こりのことですが、ここでは山や木に対し優れた知識を持ち、
その知識から山の木を伐り生活の糧にする人々のことを指しています。
つまり昔から山や里山を守って生きてきた人々に対する尊敬の意味を含めた言葉です。
そんな杣人工房は現在、各行政区に一工房づつ設けられ、現在合計で10工房となっています。
この各工房では京都市内産木材の需要を拡大するとともに、京都市の森林・林業の活性化を図っています。

杣人工房 嵯峨木のこゝろ「風」と活動1

京都市右京区嵯峨釈迦堂門前瀬戸川町に杣人工房『嵯峨木のこゝろ「風」』があります。
こちらは京都市域産の木材、北山杉を生かした手造りの注文住宅を作っている工務店です。
北山杉を生かした住宅は、自然が住まいの中に溢れるとても暖かみのあるものです。
そんな嵯峨木のこゝろ「風」は住宅作りだけでなく、木の魅力を伝えるためのさまざまな取り組みをおこなっています。
その中の一つが子供達に木の魅力を伝える「木育」です。(「住育」もですが)
木育は新しい教育方法として注目されているものであり、北海道が主導して始められました。
子供の五感に働きかける木のおもちゃは、感情豊かな心の発達を促します。
自分が生まれ育っている京の山で育った北山杉に触れながら、心身ともに成長することができると好評です。

活動2

京都市右京区の杣人工房 嵯峨木のこゝろ「風」では、木育以外に他の活動もおこなっています。
「住育」もその一つです。さまざまな木の特性を比較し、それを体感できるようにと作られたのが工務店1階にある工房です。
木の素材を存分に活かした家具や椅子もあり、京都の山で育った北山杉のベンチもあり木の良さを体感できます。
それは子供だけでなく、大人も楽しめる空間であり、無垢材の良さを改めて感じることができるでしょう。
その工房がきっかけとなり、嵯峨木のこゝろ「風」で地域産の杉を使った住宅を建てた方もいらっしゃるようです。
京都市が掲げたこの事業が、京都で住まれ生活をされている方達に少しは地産地消の推進という影響を与えているのではないでしょうか。

これからの杣人工房事業は山と町を結ぶこと

京都市の各行政区に一工房づつ設営されている杣人工房。
この杣人工房のメンバーたちは「町」をベースに「山」の情報を一般の人達に発信しています。
山での植林活動もそうですし、京都・木と山の写真コンテストもそうです。

これまで山はどこか町とはかけ離れた自然の中のものとのイメージが強かったのですが、
これらの事業により人々が生きる町と山の距離感が近くなったのは事実です。
これからの未来を担う子供達に山の大切さ、木の良さを伝えること。
そして山や自然が私たちの生活にとってどのように関わっているかを知ってもらえるきっかけになればと思っています。
そういう意味でも、これからの杣人工房はこれまで以上に山と町を結ぶことが期待されています。