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兵庫県宝塚市「T邸増改築工事」~門の檜皮の葺き替え工事~

「京都の木の家」「注文住宅」の竹内工務店ブログです。

「T邸増改築工事」の現場です。
T邸には、敷地への入口に寄棟造りの門があります。
この門の屋根は檜皮葺きですが、経年劣化で、葺き替えの時期がきていました。
増改築工事と並行して、昨年末から檜皮の葺き替え工事をさせて頂きました。

苔が生えたり、風化により嵩(かさ)も減った状態でした。

昭和初期に建築された門ですが、檜皮部分はこれまで何度か葺き替えをされているそうです。
今回は檜皮を全て取り払い、軒先など、木部の傷んだ部分(広小舞・野地板)の取替もしています。
軒先の新しい木材はサワラ材です。
サワラ材は水に強い木材として、桶や浴槽などにも使われています。

今回の工事で使用した檜皮です。
葺き替えに使用する檜皮の状態になるまでにも、職人さんの伝統的な技が生かされています。
ヒノキの外樹皮をはぐ作業から加工まで、檜皮葺きの職人さんが行われています。
こちらの檜皮は地元丹波産です。

軒付部分の檜皮は、厚みが出るまで何層にも重ねられます。

隅の部分は葺き足がきれいな曲線になっています。
この曲線は隅に対して斜めになるよう、加工場で檜皮を曲線に加工し、美しいラインを出しています。

軒先の檜皮と、上部で使う檜皮は大きさや形が違うものを使っています。
こちらは上目皮と言われ、檜皮の樹皮の内側が上になるように葺いていきます。
樹皮の内側の方が油分が多く耐水性、耐久性が強いからだそうです。
昔から伝わる伝統の技や素材を生かす知恵は凄いなと感心させられます。

軒先はチョウナで切り揃えます。
その上の銅板は雨仕舞のための水切りです。
隅の部分は横から見ても緩やかな曲線になるよう仕上げられています。

棟の位置が近づくにつれ、最終の棟の仕上がり影響するので、水平になるようにレベルをチェックしながら作業が進められていきます。

棟は元の棟と同じデザインに復元されました。

約2か月半の工期で、葺き替えが完了しました。
檜皮葺きならではの風合いのある屋根になっています。

「T邸増改築工事」のブログ記事はこちらをご覧ください。
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