2025年5月29日発行「クロワッサン特別編集 住まいを整える。」に掲載いただきました。
掲載現場
「左京区F邸」
竣工/2024年
現場/京都市左京区
設計監理/石津渡邉建築設計事務所
「シン京町家」」
竣工/2023年
現場/京都市右京区
設計監理/トヨダヤスシ建築設計事務所
「北嵯峨の家」
竣工/2023年
現場/京都市右京区
設計監理/高橋勝建築設計事務所
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弊社施工例はこちらをご覧下さい。
「京都の木の家」「注文住宅」の竹内工務店のブログです。
京都市北区で工事をさせていただいておりました弊社自社設計施工の木楽の家が完成しました。
長年住まわれたお住まいの建て替えです。ご両親の思いれがあった以前の冠木門を残そうかという計画もあったのですが、蟻害などが見られたため、建具だけ再利用しヒノキで新しく造り替えました。正面から見た趣と横から見たときの建物の印象が変わるのもまた良いです。最近は門を設けることが少ないのでいつも通りがけに工事の進捗を見てくださっていたご近所さまも養生が取れた様子を見てたくさんお声がけいただきました。
伝統的な京町家などがたくさん残る街道に面した敷地で、街並みに調和するよう設計しました。プライバシーを確保するための格子、風通しに配慮した格子、和風のテイストが強すぎるのもあまりお好みでないと住まい手様のご希望で和モダンのアクセントになる格子にしました。
防火構造で製作した玄関の木製建具です。通常より少し厚みがあるのは板金・石膏ボードを内側に挟み込み燃え抜けない構造にしているためです。仕上げはヒノキです。私たちが考える注文住宅はなるべく木材を使って製作出来るものは職人さんの手を借りて住まい手様のご要望を叶えるようにいたしたいと考えております。準防火地域・防火地域では外部に木の現しが難しいのではとご質問いただくことも多いのですが、下地に不燃材や認定の取れている材料を使用することで木を表面に使うことは可能です。
玄関と玄関ホールです。季節の掛け軸や置物を飾ってお客様をお迎えできる空間です。床は名栗で仕上げたホワイトオークのフローリングです。以前の住まいの欅の床板や網代天井、桜の垂木を再利用し、思い出を継承しています。床の地板は古い物と新しい物を大工さんがつなぎ合わせて下さいました。以前のお住まいの記憶を新しい住まいにも残したい、というご要望を反映しました。
実例のご紹介は実例集を上げさせていただきます。
ご家族が楽しめる坪庭も作庭していただきました。
木楽の家の施工例はこちらをご覧ください。
弊社家づくりの流れもご参考下さい
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京都市右京区「K邸リノベーション」ですが今月竣工し、お引渡しをさせていただきました。
Kさまこの度は誠におめでとうございます
築約65年の木造住宅は住まい手さまが生まれ育った思い入れのある建物です。
しばらく離れたところで生活をされていましたが、こちらの土地に戻られるのを機に、思い入れのある建物をリノベーションされることになりました。
建物の大部分を解体し、間取りや動線、内部の造作などもリニューアル、なんとグランドピアノが2台置ける防音室も完備されています!!
終の棲家として、これから先長く快適に住まえる空間に生まれ変わりました。
今回はK邸リノベーションの竣工の様子をビフォアフターも含めてお伝えします!!
外観 ビフォー
外観は元の建物の形を活かしながら、リノベーションをします。

外観 アフター
外壁は、塗装の仕上げの他、建物正面には焼杉板、杉皮、窓には格子を取り付け和モダンで印象的な外観に仕上がりました。
建物に調和した木塀で、和モダンな建物が一層引き立ちますね。

玄関 ビフォー
建物内部は、長年住まう過程で、何度かリフォームがされてきました。
リノベーションでは建物を元の姿に近づけるという考えも大切にされています。

玄関 アフター
タイルは取り除き、三和土とし、造作の下駄箱を新設しています。
正面の下地窓はそのまま残し、内側に掛障子をかけています。
又、網代天井や、古建具を新たに取り入れています。(一部古い建物から再使用しています)

キッチン アフター
キッチンは造作家具と組み合わせ、木の質感があるものに入れ替えました。
構造を架構から見直し、柱を追加しバランスを整えました。
床はオイル塗装された無垢杉板、天井は和室に合わせて竿縁天井としました。

和室 ビフォー
和室は床の間や、竿縁天井など、元ある部分を活かしながら、リノベーションしました。

和室 アフター
床の間は意匠はそのまま活かしていますが、左官仕上げで、金の光沢があるものに塗り替えています。
同じようなカタチに見えますが、床の間部分も壁を10センチほど内側に厚くし、内断熱工事をしています。

防音室 ビフォー
建物の西側にあった小さな洋間2室は壁も取り払い、新たにこの建物の肝となるピアノ室に生まれ変わりました。

防音室 アフター
グランドピアノ2台設置できる防音室に変更なりました。
屋根形状に合わせた天井は、気積を増やす役割もあります。
ルーバー状になった天井は意匠性だけでなくピアノの反響を考慮され設計されています。

ルーバー状の天井は、下地に石膏ボードt12.5mm三重張りの上ロックウール吸音板9mmという仕様になっています。

防音室の窓は二重サッシです。
音が共鳴しないよう、それぞれのガラスの厚みが変えてあります。
防音工事後に防音検査も行い、ピアノを演奏しても、外部では気にならない程度の音量迄さげることができました。
防音室については以前のブログで詳しくご紹介をしていますので、そちらもぜひご覧ください。
京都市右京区「K邸リノベーション」防音の工事

書斎 アフター
造作デスク、棚を備え付けた書斎になりました。
天井は網代です。

襖紙はウィリアムモリスがデザインした柄、イチゴ泥棒です。
住まい手さまは海外での生活も長かったため、和の意匠の中に、洋のエッセンスを取り入れたいというご要望をお持ちで、ところどころウィリアムモリスのデザインが取り入れられています。

2階 ビフォー
2階はもともと大きな1部屋に収納という間取りでした。

2階 アフター
天井を取り払い、ゴロンボなど、元の構造を見せる空間になりました。

子供さんやお孫さんが泊まりに来た際にも対応できるように、2階にも洗面、トイレを備えました。

住まい手さまからは、2台のグランドピアノが奏でる美しい音色に大変感動しましたという嬉しいお声をいただいております。
設計は高橋勝建築設計事務所さま です。
京都市右京区「K邸リノベーション」のブログ記事はこちらをご覧ください。
京都市右京区「K邸リノベーション」~工事が始まりました~
京都市右京区「K邸リノベーション」防音の工事
京都市右京区「K邸リノベーション」木工事が進んでいます。
京都市右京区「K邸リノベーション」外構部の木塀工事
関連コラムはこちらをご参照ください
和モダンをかなえる家づくり
住まいの外構と木質化
住宅の外装材について(焼杉板等)
住まいの記憶を残す
「今の家は便利だけれど、なんだか味気ない」と感じたことはありませんか。
断熱性に優れた素材や快適な空調、清潔で使いやすい水回りなど現代の住まいは暮らしやすくなりました。
しかし昔の住まいでは、自然の力を上手に採り入れながら、季節に合わせて暮らす知恵や工夫が息づいていました。
忙しい現代社会だからこそ、昔のような一手間を加えた生活や自然を感じられる心地よさに目を向けることも大切です。
ここでは、住まいの設備を通して昔の暮らしと今の暮らしの違い、そしてこれからの住まいのについて考えてみます。
住まいには、快適で健康に暮らすための基本的な設備が必要です。
この考え方は昔も今もほとんど変わりません。
しかし、具体的な設備は時代によって大きく変化してきました。
生活の基本を支える設備に注目して、現代と戦前の違いをみてみます。
・現代の暮らしに欠かせない設備とは
今の住まいではキッチンやトイレや浴室といった水回りに加え、冷暖房設備や照明、インターネット回線やセキュリティ機能まで当たり前のように整えられています。
これらは便利なだけでなく、安心や健康を守るためにも必要とされています。
しかし、こうした設備が初めから当たり前だったわけではありません。
今の暮らしは、昔からの工夫や時代の変化の積み重ねで成り立っているのです。
・戦前の住まいに見る暮らしの工夫
戦前の住まいには、電気やガスが整っていない時代ならではの知恵がありました。
風通しを良くするための間取りや、障子やふすまで空間を区切りながら採光を調節する工夫など、自然とともに過ごす発想が暮らしに根付いていました。
井戸水やかまどの火、行灯の明かりといった昔ながらの道具も、日々の暮らしを支える身近な存在だったのです。
・暮らしの基準の変化
昔も今も快適に暮らしたいという思いは同じですが、何を快適と感じるかは時代によっても違います。
現代は効率性や安全性が重視される一方で、昔は自然の変化を感じながら暮らすゆとりがありました。
時代の価値観と変化と設備の進化とともに、暮らし方までも少しずつ変わってきています。
住まいに備わる設備の変化には、その時代の暮らし方や大切にされてきた価値観が反映されています。
見える設備から見えない部分の工夫まで、今と昔を比べながら、住まいの中で変化した風景をご紹介します。
・道具が変えてきた、日々の暮らしのかたち
キッチンやお風呂などの毎日使う場所は、昔と比べて使いやすくてきれいになりました。
かまどはシステムキッチンに変わり、たらいや桶を使っていたお風呂はユニットバスに進化しました。
また断熱材や換気システムなど外からは見えない部分にも多くの工夫が施され、現代の住まいの一翼を担っています。
・人の手が支えていた、やさしい日常
昔は今のように設備に頼るのではなく、人の手で支える暮らしが当たり前でした。
掃除や料理に時間がかかる一方で、生活の中にはゆとりや人との触れ合いがありました。
今では省かれるような手間の中にも、生活のリズムや心の豊かさが宿っていたのかもしれません。
・昔の知恵が今の住まいに映す風景
京町家のような伝統的な住まいには、機能性と美しさを兼ね備えた工夫が詰まっています。
たとえば風を通す格子窓や、空間をやわらかく仕切るふすま、自然の光をやさしく取り込む障子などは見た目の美しさだけでなく、使いやすさも考えられています。
こうした知恵は今の住まいづくりにも活かせます。
昔の工夫を現代の感覚の中にとり入れることで、心地よさと住まい手の個性が融合した空間が生まれるのではないでしょうか。
私たちが便利に暮らせるのは住まいの設備だけではなく、それを支えるインフラやエネルギーがあるからです。
戦前と今とでは使われている燃料が大きく変化しました。
燃料やインフラ、暮らしの変化について考えてみます。
・身近な燃料が暮らしを支えていた時代
昔の暮らしでは、炭や薪が主な燃料でした。
多くの家庭では、近くの山で薪を集めたり、商人から炭を買ったりして、料理や暖房に使っていました。
燃料は自分たちで手に入れるものであり、無駄にしないように工夫しながら使っていたのです。
火を使うには手間も時間もかかりました。
しかし、その手間ひまが心を込めた暮らしにつながっていたのでしょう。
かまどの火を囲む時間は、家族の会話やご近所との交流が自然に生まれる、温かなひとときでもありました。
こうした毎日の暮らしを支えていた燃料は単なる道具ではなく、人と人とをつなぐ大切な役割があったのです。
・インフラの整備で暮らしが変わった
ガス・電気・水道のインフラが整ったことで、私たちの生活は大きく変わりました。
たとえば、スイッチを押せば明かりがつき、蛇口をひねればお湯が出るなど、日常の動作が簡単になりました。
またエアコンや床暖房などの設備によって、家の中は一年を通して快適な温度に保たれ、気温を気にせず過ごせるようになったのです。
さらに、上下水道の整備も大きな変化のひとつです。
とくにトイレやお風呂などの水回りは、毎日を清潔で気持ちよく過ごすために欠かせない大切な設備です。
衛生的な住環境が整ったことで、毎日の暮らしはより快適で安全なものへと進化してきたのです。
・これからの暮らしとエネルギーの考え方
今の暮らしは、便利な設備に囲まれて過ごしやすくなりましたが、多くのエネルギーを消費します。
そのため近年では、省エネ型の給湯器や断熱性の高い窓、太陽光発電など、環境に配慮した設備を選ぶご家庭が増えています。
近年はエネルギーを「どれだけ使うか」よりも、「どう使うか」が重要視されています。
これからの住まいづくりでは、便利さと環境への配慮の両立が求められるようになってきているのです。
限られた資源を大切にしながら、快適に長く暮らしていくための工夫がこれからの住まいにますます求められていくでしょう。
これからの住まいづくりでは、ただ便利なだけでなく環境へのやさしさや心地よさも重要視されるはずです。
未来の設備がどのように進化していくのか、そして技術と自然、人とのつながりを大切にした住まいづくりについてご紹介します。
・スマートホームが暮らしをやさしく支える
近年は、スマートホームの技術が急速に広がっています。
そのためセンサーやAIの力で、照明や室温を自動で調整したり、防犯や健康管理まで行えたりするような設備が登場しています。
こうした便利さは、日々の手間を減らすだけでなく、家族の安心にもつながるのです。
とくに高齢の方が増えている日本では、これからの住まいにとって欠かせないものになることでしょう。
・環境に配慮したエネルギーの選び方
これからの住まいには、省エネや再生可能エネルギーの考え方がより大切になっていきます。
たとえば、太陽光発電の家や自然の風や光を活かした省エネ型の住まいが広まりつつあります。
こうした工夫をすることで、電気やガスの使用を減らしながら、快適な機能を享受することが出来ます。
自然に寄り添いながら暮らすスタイルは、これからのスタンダードになっていくかもしれません。
・未来の住まいに求められるもの
これからの住まいづくりでは、最新の技術だけに目を向けるのではなく、自然との調和や、人とのつながりも大切にしていくことが求められます。
日本の伝統的な住まいには、「自然素材の温もり」、「光と風を採り入れる工夫」、「人との心地よい距離感を大切にした設え」などの現代社会においても暮らしに活かしたい知恵が詰まっています。
昔の知恵と今の技術、それぞれの良さを活用することが、これからの住まいづくりにとって大切なことなのかもしれません。
私たち竹内工務店では、昔の住まいに息づいていた知恵や美しさを大切にしながら、未来の暮らしに合った設備や技術を活かした家づくりを進めています。
伝統と新しさが調和した住まいにご興味のある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
現場ブログでもご紹介をしております京都市左京区「Y邸新築工事」ですが、
この度、お施主様のご厚意で構造見学会を開催する運びとなりました。
なるべく自然素材を使いたいという住まい手さまのご要望を取り入れたお住まいになっています。
構造材は京都府内産の木材、屋根の野地板に「どんとパネル」使用します。
この機会にぜひ「どんとパネル(無垢材の耐力パネル)」を使った構造をご見学いただければと思います。
■日時 令和7年5月31日(土)10時から12時 13時から15時まで(ご予約の状況によりましてご希望の時間帯に添えない場合はご了承下さい。)
※完全事前ご予約制とさせていただきます。また一組様ご見学時間を1時間とさせていただいております。
■見学会会場 京都市左京区(詳細住所はお申し込み後に折り返しご連絡致します。)
■申し込み締め切り 令和7年5月30日(金)17時まで
エラー: コンタクトフォームが見つかりません。