先日、今月着工予定の「下鴨の家」で地鎮祭が行われました。
お天気にも恵まれ青空の中、工事の無事と御施主様ご家族の繁栄をお祈りしました。
これから竣工まで、気を引き締めて工事を進めてまいります。
今後、工事の様子等お伝えしていきます!!
柿渋とは、渋柿をすり潰して汁を絞り、それを発酵させて濾過したものです。
柿渋には、防腐効果、防水効果、防虫効果があります。
柿渋は江戸時代頃から使われてきた身近にある塗料です。
汚れ防止や防虫対策として雑器や家具などに塗られることが多かったようです。
また、ベンガラと呼ばれる赤色の顔料と混ぜ合わせると美しい色合いとなります。
他にも、漢方薬として利用されたり、昔の人々の暮らしに欠かす事のできないものでした。
柿渋は最近では以前のように使われることが少なくなりましたが、今なお自然塗料として用いられています。
柿渋は基本的にブラウン系の色合いをしています。
酸化すると徐々に茶褐色に変色するのが大きな特徴です。
紫外線により酸化が促進されるため、染色後に日の光に当てることが良しとされてきました。
また、何かの表面に柿渋を塗ると皮膜ができるため硬くなるのが特徴です。
そのため、補強材や防水材として利用されてきました。
ただ、現在の染料として使用するためには、そのままでは布が硬くなってしまうため、薄めて何度も染めなくてはなりません。
木材の耐久性を上げるためには最適なものだと言えるでしょう。
柿渋はさまざまな生活雑貨にもよく使われている、身近な存在の塗料です。
タンスや家具をはじめ、のれんや布団カバー、衣服などさまざまなものに使われています。
そして意外なのが「化粧品」です。
柿渋の主成分である「カキタンニン」の保湿効果が化粧品に適していることから、化粧品にも使用されるようになりました。
石鹸やシャンプーなどにも使われていることもありますが、これはどちらかと言えば美容的な意味合いで柿渋が使われていると考えて良いと思います。
他にも、生活雑貨ではありませんが、高血圧ややけど、しもやけなどのお薬として今でも使っている事があるようです。
ただ、やはり柿渋の本来の効果が最も分かるのは木に塗ることです。
タンスや机など木で作られた家具がより柿渋の良さを感じるのではないかと思います。
木の家においても柿渋を使った自然派住宅が人気となっています。
例えば、外壁まで全て木で作り上げた家なら、外壁や玄関扉、ベランダの木部に柿渋の塗装が施されています。
家の中では、柱やフローリング、階段、家具などありとあらゆる木材部分に柿渋を施すことで、自然素材を重視したやさしい家が完成します。
また、今問題となっているシックハウス症状を引き起こさない塗料として評価されています。
家の木材ならどの部分に塗っても良いですし、やさしい風合いの色味になるので、木を生かした「木の家」にとても良く似合います。
フローリングに塗ることで、木の魅力を増幅してくれます。
柿渋は、木の持ち味や魅力を最大限に引き出してくれる素晴らしい素材のひとつです。
ホームページでもお知らせしておりました、築29年の木造住宅の完成見学会を開催しました。
たくさんのお客様にご来場いただき、とても有意義な時間になりました。
リノベーションの際によくご質問のある、構造、断熱対策やサッシュ廻りの改修について実際の建物を見ながらお話ができ、
木の質感や温い手触り、足ざわり、写真では伝わらない部分もご体感頂きました。
この家の特徴の一つ、製作キッチンでは、既製品との違いや、どのようなご要望を取り入れプランされたのか、今後の家づくりにご参考頂けるよう実物を見ながらご説明をいたしました。
お客様は引き出しや扉も開けて細部を確認。デザインはもちろん、食器や電化製品もしっかりと納まる収納量も好評でした。
今回の完成見学会が、少しでも皆様の今後の住まいづくりの参考になれば幸いです。
またこのような機会を頂きました御施主様にも心よりお礼申し上げます。
ご来場いただきました皆様ありがとうございました。
京町家にある階段は、隠し階段になっているものが多く見られます。
例えば、押入れの襖を開けると階段になっているなどです。
また、階段が収納家具のようになっているものもあります。(箱階段)
引き戸や開き戸などの戸棚を階段に仕込むのですが、今では箱階段は古美術品と言っても良いほど値打ちが高いものになってきています。
大工が作り上げる箱階段は、日本の伝統の美しさがあります。
しかしこうした京町家の階段はとても急勾配な作りになっています。
今ではあまり急勾配の階段は見られなくなりましたが、京町家では当たり前の角度だったようです。
京町家だけでなく、昔の日本家屋の階段は急勾配のものが多かったように思いますが、これは現在の階段との大きな違いです。
二階建て住宅が当たり前になった日本の住まい。
新築住宅を建てる際に考えるのことの一つが階段の位置です。
少し前までは、玄関を入ってホールに階段があった家が多かったと思います。
しかし最近では階段の位置が変わって来ています。
近頃よく見られるのが「リビング」に階段を置く家です。
家族全員がリビングを通らなければ2階に上がることができないように設計されています。
これらは、子供たちの教育上の問題もさることながら、視覚的な空間の構成をねらったものでもあります。
リビングに階段を設置すると動線を短くする事ができ、なおコンパクトな平面で室内を広く見渡すことができ開放感が生まれます。
あえてリビングを通って2階へとつなげる階段を持つ家は、親密な家族関係を作る上で最も適しているのかもしれません。
階段にも種類がいくつかあります。
今回は木の階段である「ストリップ階段」と「箱階段」をご紹介していきます。
骨組みが丸見えになっている階段のことをストリップ階段と呼びます。
下がオープンになっているため、部屋が広く開放的に見える視認効果があるため、リビングに適する階段として選ばれています。
ストリップ階段は開放的で日の当たる場所に設置されることが多く、これを採用することで、コンパクトなプランでありながらも空間の幅が広がります。
一方、下部分が収納やトイレになっているのが箱階段です。
最もよく目にすることの多い一般的な階段で、実用的な階段として用いられています。
間取りにあわせた実用的な階段のため、ストリップ階段と比べるとデザイン性は劣りますが収納等を考えると実用性は高いです。
魅せる階段として現在最も主流となっているのがストリップ階段です。
階段の下がオープンになっているため、室内を見渡せる事で開放的で室内空間が広く感じられるという特徴があり、
下部に観葉植物や家具を置くことができますし、又階段そのものがインテリアにもなります。
木で作り上げるのも素敵なのですが、鉄で作るのもまた雰囲気が変わってオシャレです。
特に薄く、軽く見せて軽快なものも最近若い人に好まれているようです。
部屋の雰囲気に合ったものも良いのですが、反対に全く雰囲気の違うものを設置することで、対極の美しさは生まれます。
階段は実用的なものから魅せるインテリア的なものまでさまざまな仕様で作る事ができ、又2階の吹抜け等とあわせてプランすれば
豊かな空間をつくることができ、住まいの質も高まります。
現在の住まいの中のシンボリックなものとして階段を用いたいですね。