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京都の古い価値を残す建物・京彩(京をいろどる建物—京都で残したい建物)

京彩の歴史と目的

京都を彩る歴史ある美しい建造物、庭園の数が年々減っています。
理由は近代化による整備、老朽化した建築物の取り壊しなど様々です。
国宝や重要文化財に登録されている建築物以外にも価値ある建物は隠れています。
中には一般邸宅や個人商店なども含まれているため、個人の力では維持が困難な建築物もあります。

京都の価値ある建物が姿を消している状況を改善するために「京都を彩る建物や庭園制度」が施行されました。
京都の歴史・文化の象徴として建物、庭園を維持・継承・活用できるように市民が一丸となってはたらきかけるのが目的です。
京都を彩る建物や庭園制度のポイントは主体が市民であることです。
20歳以上の京都市民であれば誰でも応募できます。
対象となる建物は京都市内の50年以上の歴史がある建物、庭園です。
応募先は京都市文化財保護課で、審査会を通じて京都を彩る建物・庭園を選定、認定します。

既存の文化財は調査されていますが、未調査の建物等は現地調査と聞き込みを3~4回行います。
一般邸宅も対象に含まれるため、調査と選定の際は所有者に事前に許可を取ります。
京都を彩る建物・庭園の特徴は文化財、景観面としての評価に加えて、様々な観点が審査基準に取り入れられることです。
建築された時代背景、建物・庭園の変移、京都ゆかりの地であることが高く評価されます。

京彩で選ばれた建物の種類

京都を彩る建物、庭園に選定される対象は京都市にあることが前提です。
選定された建物、庭園は実に様々で邸宅、倉庫、寺院、商店、大学、駅などがあります。
中には現在でも活用されている建物があり、店舗やギャラリーとして活躍しています。

庭園は瑠璃光院、紙屋川庭園、葵殿庭園及び佳水園庭園などが認定されています。
京都を彩る建物・庭園は和風にこだわらず、洋風の意匠が見られる建築物も認定対象です。

京都タワーは京都市街で最も高い建築物で1964年に建てられました。
産業・文化・観光の拠点で、観光客、地元市民で今も賑わっています。
京都タワーはモノコック構造が取り入れられた建築物で、鉄骨が使われていないことでも有名です。

カトリック桂教会は1965年に完成した建物です。
設計者はジョージ・ナカシマで、戦後にカトリックの布教で信徒が増えたため建設されました。
カトリック桂教会には純日本建築にはない意匠が見られます。
建物は白を基調とし、円形ドームの上には大十字架があります。
現在の建物はシャープな印象を和らげるフォルムの新ホールが併設されています。
日本の伝統要素とモダニズム建築洋式が取り入れられた教会の内部は打ち放しコンクリートのシェル構造で、木や障子を取り入れた和洋折衷の聖堂になっています。

京彩として選ばれる建物は寺院、老舗、京町家にとどまりません。
歴史的背景、建造物・庭園としての美徳、京都ならではの存在価値など様々な観点から選ばれていることが分かります。

京彩で選ばれた建物

審査を経て京都を彩る建物・庭園に選定、認定されると、選定証、認定銘板が授与されてリストに加えられます。
既存の文化財、景勝地に含まれていない箇所が多く、リストに公表されている建物・庭園はごく一部です。
選定・認定を受けると所有者交流会に参加できるようになります。
建物、庭園の所有者が集まり交流することで、更なる維持・活用に向けた知見を深めることが期待されます。

助成制度の利用も可能となります。
50年以上の築年数を経た建物は維持・活用を図るために適宜修繕、リフォームを加える必要があります。
助成を受けることによって新たに文化財として登録されることも期待されます。

地域で残すべき価値ある建物と活用について

これまで歴史的建造物として次世代へ継承すべき建物が取り壊される事態が問題視されてきました。
建物の所有者が高齢になり適切に管理できなくなったり、後継者が見つからないことで、空家になってしまうケースも増えています。
古い建物はどうしても損傷が見受けられるため、耐震補強とリフォームが必要になります。
庭園についても荒地にならないように適宜管理しなくてはなりません。
管理者とコストの問題でやむを得ず取り壊されたり、更地になってしまうと取り返しがつかない事態になります。

地域に残すべき価値ある建物・庭園は市、市民が一体となって維持・継承を呼びかけることが必要です。
「京都を彩る建物や庭園制度」は、京都に残されるべき建物・庭園の魅力を伝え、次世代への維持・継承・活用を促す任意制度です。
使われていない建物や空家も含めて維持することは一見無謀に見えますが、地域にある古い建造物の需要は年々高まっています。
京都に移り住む人々が個人宅として利用するケースやテナント、宿泊施設などとして再活用することも増えてきました。
既存の状態では活用が見込めない建物でも、リノベーションすることで利用価値を高めることができます。
価値ある建物を形として残すだけでなく、多くの人に足を運んでもらい、実際に活用することで周知度が上がることもメリットです。

京彩は次世代へ語り継ぎ残したい京都の歴史、財産です。
制度の活用によって今後も選定、認定が増加することが見込まれます。