オフグリッド住宅

オフグリッド住宅

住宅関係には様々な用語がありますが、
近年話題になっているオフグリッド住宅についてはご存知でしょうか。
今回は知っている人も知らない人もオフグリッド住宅についてのお話です。

オフグリッド住宅とは

オフグリッドは、オフ(切る)とグリッド(送電網)を合わせた用語で、
電力会社に頼らずに電気を自給自足する生活ができる住宅のことです。

オフグリッドの特徴

ソーラー発電機によって電気を作り、蓄電池に貯めてから自宅の様々な場所で利用します。
送電線と繋がっていないので、電力会社と電気を売買することはありません。
災害時などで電力が供給されない場合でも、自家発電でまかなえるので安心です。
電力会社では要求量の高い発電を行うために、
原子力発電や火力発電などの環境負荷が高い発電を行っていますが、
オフグリッド住宅に切り替えることで地球に優しい電力を使用することができます。

ZEHの特徴

オフグリッド住宅と似た言葉に、ZEH(ゼッチ)という言葉があります。
ZEHはNetZero Energy Houseの略で、エネルギー消費量がプラマイゼロの住宅のことです。
ZEHでは太陽光発電システムのように、自宅で発電する設備が備わっていますが、
蓄電池のサイズが小さいために、電気を余剰にためておくことはできません。

晴れの日に余った電気を電力会社に売ったり、
雨の日に足りない電気の一部を購入したりするために、送電線に繋がっているのが特徴です。
電力会社とやり取りをする際に電力が無駄になる(電力ロス)問題等があるため、
完全クリーンエネルギーとしてはオフグリッド住宅に比べると分が悪くなるのが難点です。

オフグリッド住宅のプランと設備

オフグリッド住宅を作りたいと考えた時に、
代表的なプランと必要な設備があるので、それぞれご紹介します。

<代表的なプラン>

日射のコントロール

オフグリッド住宅のメインは太陽光発電のため、住宅の日当たりは最重要です。
特に冬場は、暖房用に日射を採入れたり、夏は日射を遮り室内に入れない等コントロールする必要があります。
ゴーヤなどを利用して緑のカーテンを作る、庭の落葉樹の植栽などもこれに当てはまります。
もちろん住宅の壁内の断熱性能を高めることも必要ですが、
住宅の設備としては、換気を良くする、LOW-Eガラスで日射を遮る、
空調機の使用を減らしてエネルギーの消費を少なく抑えることなども必要とされます。

断熱

屋根・天井・外壁・床・窓などに断熱素材を使うことで、
冷暖房にかかるエネルギー負荷を軽減できます。
少ないエネルギーで涼しく、または暖かい部屋で過ごせるようになるため、
エネルギーの消費を減らせます。

蓄熱

日中の熱を蓄えて、寒い夜に放熱する仕組みを作れば、
使用するエネルギーを減らせます。
レンガやコンクリートを利用して日中に発生した熱をなるべく蓄えるようにすれば、
電気を使って発熱する場面が少なくなります。

省エネ型設備

家庭用のリモコンでは、温度調節を適切に行うことは難しくなります。
専門的な温度計やモニターを併用することで、現在の温度を正確に測定できるため、
家族全員が快適に過ごせる住居を目指せます。
冷蔵庫やエアコンなどは数年前の物から最新の物に買い替えるだけでも、
電気代を節約できることがあります。
照明器具もLED等消費電力の低いものが増えてきています。
必要な目的に合わせて設備を選ぶと良いでしょう。

排熱利用

電気を作り出す時に生み出される排熱を利用することで、
さらに電気効率が良くなります。
徹底的に捨てられる排熱を利用することで、
今まで無駄に捨てていた廃熱を再利用できる機器も登場しています。

<必要な設備>

ソーラー設備

ソーラー発電機は最低限必要な設備であると言えます。
まずはこれがなければ、自家発電は行えません。
発売当初は電力の生産効率が低いものや耐久性が低いものもありましたが、
近年ではソーラーパネルの改良によって、以前とは比べ物にならないぐらいの製品も販売されています。
住居の形や環境に合わせて、適切なソーラー設備を選ぶと良いでしょう。

蓄電池

オフグリッド住宅には、大型の蓄電池が必要です。
電気売買を行わないで完全オフグリッドの住宅を目指すのであれば、
現時点で購入可能な高スペックの製品について導入を考えてみましょう。

薪ストーブ

電気ストーブやヒーターなどの暖房器具を止めるとさらにオフグリッドな住宅に近づきます。
昔ながらの薪ストーブは、植物から作られているため、
ガスや石油のように地球温暖化に悪影響を与えることはありません。
又、遠赤外線効果によって体の中から暖まるため、暖房機器としてはおすすめです。

樹木

庭の植栽においての樹木はオフグリッド住宅にとってはエコな対応です。
落葉樹の持つ夏と冬の自然の落葉性を利用することで、日射をコントロールして夏は涼しく、冬は暖かい住居を作り出せます。

オフグリッド住宅の可能性

オフグリッド住宅は、今までよりも一歩進んだ省エネ型の住居になります。
自給自足を目指すためには、電気を作り出すと同時にエネルギー消費量を小さくする必要がありますが、
入居者に合ったプランや最新の設備を使うことで、さらによりエコで環境にやさしい住居となります。

オフグリッド住宅は自給自足の家である

日本古来の住居では、自然と自給自足がしやすい環境でした。
しかし、高度成長期を経た現代では、電気・ガス・水道に依存した環境が当たり前になっています。
昔の古民家のような生活を目指したい、災害でも影響が少ない家にしたいという時には、
オフグリッド住宅で自給自足の自立した住宅を目指してみてはいかがでしょうか。

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最終更新日:2020年10月13日投稿日:2019年12月27日