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京都市右京区「シン京町家」外壁、屋根の付加断熱工事

「京都の木の家」「注文住宅」の竹内工務店ブログです。

京都市右京区「シン京町家」は高気密、高断熱の家で、性能表示等級7のZEH住宅、HEAT20の指標はG2.5です。
床、外壁、屋根と、外気に面する部分に気密性にも配慮しながら断熱材を充填しています。

先日開催しました構造見学会では、完成後は隠れてしまう建物の構造材や断熱材の状態などもご覧いただきました。
当日は足元がお悪い中ご参加下さったお客様ありがとうございました。

高気密、高断熱の家のメリットは、省エネ性はもちろん、建物内の温熱環境を一定に保てることです。
どの空間にいても快適に過ごせる温熱環境は、温度差によるヒートショックなどを防ぎ、健康にも良い住まいになります。

「シン京町家」では、外壁、屋根面は、柱や梁間に充填する断熱材の他に、付加断熱をおこなっています。
付加断熱は、柱梁間に設置された断熱材のほかに、さらに外側に高性能断熱材を設置した断熱工法です。
熱橋(柱や梁などの木材から熱が伝わる現象のこと)など、断熱の弱い部分を補うため、外皮全体をまんべんなく断熱材で包みこんでいます。

屋根部分の付加断熱は、厚み24mmの構造用合板の上に桧の垂木を乗せ、
垂木間に厚み120mm(厚み60mm×2枚)のフェノールフォーム系断熱材(熱伝導率0.019W/m2k)を充填しています。
フェノールフォーム系断熱材は今回フェノバボードを使用しています。

さて、屋根面にはすでに付加断熱として垂木間にフェノバボードが充填してありますが、今度は天井側からも断熱材を充填します。
こちらは厚み90mmのウッドファーバー(熱伝導率0.038W/m2k)です。
ウッドファイバーは木のチップを繊維化・圧縮した断熱材です。
蓄熱性や調湿性も良く、廃棄時は埋め立てずに木くずとして処理することができ、環境に配慮した断熱材でもあります。

外壁部分の付加断熱には、厚み45mmのフェノバボード(熱伝導率0.019W/m2k)を充填します。
構造用面材ハイベストウッドの上にフェノバボードを充填します。
 

フェノバボードの上には透湿防水シートを貼り、胴縁を使い断熱材を固定します。

建物内からは、厚み120mmの高性能グラスウール(熱伝導率0.038W/m2k)を充填しています。
高性能グラスウールは繊維が一般のグラスウールの半分程度の細さで、その分たくさんの空気を溜め込む事が出来ます。
繊維径を細くすると繊維本数は約4倍になり、空気室の大きさが約4分の1になります。
動きにくい空気室の構成が可能となり、さらに高い断熱性能を発揮することができます。

そして、高性能グラスウールを充填後に防湿気密シートを貼ります。
室内の水蒸気が壁の中に入ると、内部結露の原因になります。
防湿気密シートで室内の水蒸気を遮断することで、壁内結露を防止します。

※文中の断熱材熱伝導率について、熱伝導率は数値が低いほど熱が伝わりにくく、断熱性能が高いことを示しています。

以前のブログはこちらをご覧下さい。
京都市右京区「シン京町家」上棟しました
京都市右京区「シン京町家」手刻み
京都市右京区「シン京町家」基礎工事
京都市右京区 「シン京町家」 地鎮際

今回にブログに関連したコラムはこちらをご覧ください。
住まいと健康
断熱材のいろいろ

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